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Sell in Mayを勘違いするメディア~5月に国内株価が下がった試しなし

Sell in Mayという話が結構広範にメディアにも取り上げられるようになっています。

しかしどうも市場は大きく誤解している節があります。まずこれはNYダウ話であって国内の日経平均は必ずしもそうではないということです。

2013年は確かに5月23日のバーナンキショックでQE終了から大きく下げたのは記憶に新しいことですが、これははっきりした理由があってこうなっているのであって、それ以外の年については過去20年を振り返ってみても5月に日経平均が急落した実績は実はないのです。

それよりも、むしろボーナスシーズンでの投信設定などから6月中盤までは株価は上昇する局面が多いことがわかっています。

ヘッジファンドの45日ルールも大きな誤解

ヘッジファンドに預託している資金引き出すためには期末の45日前に解約申し出をするというのは本当の話ですが、それを受けたヘッジファンドが45日前調度にポジションを手仕舞うかどうかは各社の資金上の問題であって、手持ち資金がなければ当然45日前以降でも処分売りをかけてくるわけですから実態相場での動きと45日がリニアにリンクしているわけでもないのです。

むしろ6月以降に利がのったところを見計らって夏休み前に売り浴びせをしてくるというのも常套手段となっています。

要はSell inMayは投資サイクルの話

前年の10月ごろに仕込んで、翌年の4月から5月の初旬までに売り抜ければ好循環になるよというのがSell in Mayの本質で、それを5月に暴落がくると見るのはちょっと拡大解釈というのが正直なところではないでしょうか?

したがって大きく下げる局面はまだまだこれからでもありますし、5月に下げなかったからああよかったという話ではまったくないことは気をつけなくてはなりません。

TPP締結のためにもドル円はあまり高くならないほうが好都合

TPP締結にむけて為替条項が入ることになるかどうかはこれからの問題ですが、締結を急ぎたい米国にとっても、それに追随したい日本サイドにとってもこのタイミングでドル円が122円をどんどん超えて130円方向に向かおうとする場合、かならず政府サイドの人間が冷や水を浴びせるタイミングがくるのではないでしょうか?

実際外資系のヘッジファンド勢は前回のように浜田内閣官房参与が発言して下押しすることを期待しているとも言われており、この夏に向けて一本調子であげることを期待するのもなかなか難しいところがあります。

ユーロからドルへという回帰の動きがあることは確かですが、上方向は青天井というわけではないあたりもこの相場の難しさを示唆しています。(執筆者:坂本 博)

HFRXのグローバルヘッジファンドインデックスが示唆する直近の状況とは

HFR Hedge, Fund Research .Incが発表するグローバルヘッジファンドインデックスをご存知でしょうか?これはヘッジファンドの代表的な指数で、1993年に創立された米国最大手のヘッジファンドデータの提供会社となるものです。したがってこの発表数値は機関投資家をはじめとして金融業界ではかなり幅広く利用されるものとなっています。

参考:HFRX Indices(www.hedgefundresearch.com)
https://www.hedgefundresearch.com/hfrx_reg/index.php?fuse=login&hi

儲かったはずのマクロ/CTAは完全に行って来いの状態

このうちマクロ/CTAと呼ばれる商品取引業者指数は、今年に入ってからECBのQE実施といった世界緩和相場を追い風にして、昨年末の1193ポイントから今年4月13日には1244と+4.3%の上昇率を示現することとなりました。

しかし、その後の欧州発の市場混乱で指数は急低下をしており、5月12日には1191となり、とうとう年初来の収益が帳消しとなる状態に陥っているのです。まあ俗に言う行って来いの状態でまったく儲かっていないわけです。

テクニカル的には昨年以降の下限ラインである200日移動平均線(1186前後)に接近しており、これを下回ればさらに投売りを含めた手仕舞いの状況が想定される状況となっています。

日足RSIは既に売られすぎの30%を下回る状況

この数値の過熱感を示す日足RSIは5月12日は28%まで落ち込んでおり、一般的な下落の行き過ぎである30%を既に下回っています。

実はこの数字は短期筋によるリスク回避や損切りの一旦の最悪期到達を示唆する参考シグナルとしてこれまでも機能しており、日経平均株価も連動して底入れ反転してきた実績を持っているのです。

2万円を超えてから、どうも調子が出ない日経平均ですが、この指数が間違いなく機能するとなると、一旦大きく押し込む状態も考えられ、当然のことながらドル円を中心とした為替相場にも影響を与える可能性があることは一応頭の片隅で認識しておいたほうがよさそうです。

SELL in MAYはもうないと思っていてもまだ半月残っているわけですから・・(執筆者:坂本 博)

“SELL in MAY”はいつ来るのか 私達が堅持すべきスタンスは?

16日に発表されたミシガン大学消費者信頼感は88.6(予想96.0/前回95.9)、鉱工業生産は-0.3%(予想0.1%/前回-0.3%に下方修正)、NY連銀製造業指数は3.09(予想5.0/前回-1.19)と、どれも惨憺たる数値を叩きだしました。

製造業が良くないことは分かっていたものの、それでも鉱工業生産の予想から伺えるように、さすがに今回は持ち直すだろうと市場が踏んでいただけに、持ち直すどころか更に大きく沈むという内容は、アメリカ経済の腰折れが本格的に浮彫となってきた形です。

また、これまで良かった消費者の消費マインドも、88.6と前回のみならず市場の予想からも大幅ダウン。アメリカ人も財布の紐を締め始めたとあっては、もはや次回の利上げどころか年内利上げすらも怪しい状況となってきました。

となると、当然ドル円にとっては向かい風。株高とショートカバーに支えられて踏みあげた119.90から一転、一気に119.20まで70銭近くの大幅下落を見せました。

とはいえ、最近のドル円は、アメリカの指標、ユーロドルなどのドルストレート、ドルと反比例する原油価格の上昇、国内外の株、こういったこれまでなら相関を見せていた要素をすべて無視した動きを下げ局面ではとることが多く、日経平均先物がダウの好調に支えられ+240で終えているところをみると、月曜日も株高につられてシレッと値を戻してくるかも知れません。

しかし、「アメリカ株はバブルなのではないか」という警笛がちらほら聞こえてくることに加え、連日冴えない指標を見せられるとあっては、ドル円を買う向きもここから更に買い上げるというわけにはいかないはず。”SELL in MAY”がいつ来るのか、我慢比べはまだまだ続きそうですが、しばらくは「アメリカの指標で売り」、「上がったら売り」といったスタンスを堅持するのが正解なのでしょうか。(執筆者:大島 正宏)