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ブログをはじめたバーナンキ前FRB議長

 バーナンキ前FRB議長が3月末からブログを始めたことが話題になっています。


≪画像元:バーナンキ氏ブログより≫

バーナンキ前FRB議長のブログ

 在任中は年収20万ドルで、ドル円80円時代にはどこかの大手広告代理店の営業部長職よりはるかに少ない年収だったバーナンキ氏も今では1回の講演が10万ドルとか20万ドルということでかなり荒稼ぎをされているようですが、それだけ彼の発言が市場に影響を与えていることを彷彿とさせます。

 それもそのはずで今をときめくMIT学派の重要な構成員の一人がバーナンキだからです。

 Fedという組織はイエレン議長だけが情報発信をするのではなく関連の連銀総裁やこのMIT学派に近しい人物がバランスをとる発言をして市場をけん制することが多いため、今も要人のひとりとして注目されているというわけです。

 現在のMIT学派の理論的な支柱は前アメリカ国務長官だったローレンスサマーズです。彼は近代経済学では有名なサミュエルソンの甥でとにかく神童と呼ばれて16~17歳でMITに飛び級入学を果たしていますが、性格のほうがいまひとつのようで色々と物議をかもし出す存在としても有名です。

 このサマーズのMITでの指導教官が現FOMC副議長のスタンレーフィッシャーで、バーナンキもECBの総裁のマリオドラギもMITでの彼の教え子ということでかなり近しい人間が要職についていることがわかります。バーナンキ、ドラギの両氏はゴールドマンサックスの出身でここにもつながりがあります。

 ということで、米国の利上げが決定的になるまでは、こうしたMIT学派筋の要人の発言が非常に注目をされることになりそうで、特に10万ドル支払って講演を聴かなくても無料で意見の確認できるバーナンキのブログには当分アクセスが集まりそうな気配です。(執筆者:坂本 博)

FOMCの利上げ問題と今後のドル展望

 これまでのドル高の動きは全て3月17-18日に行われるFOMCで 「忍耐強く」という文言が削除されるから、という前提で動いています。つまり、忍耐強くあることをやめ、これによって利上げの前段階をFOMCが準備しだした、というわけです。

 気候の影響によって景気減速が見込まれていながらも蓋を開けてみれば雇用を中心としてこれだけ強い数字が連続して出てきていることを踏まえれば、おそらく「利上げをしない」ことをほのめかし続ける理由は無いとみていいでしょう。したがって私も、「忍耐強く」という文言は取り除かれると考えています。

 しかし、その一方で6月に利上げが行われるという見方には全く賛成しません。理由は2つです

 1つは消費者関連の指標が実態も展望(マインド指数)も予想以上に芳しくないこと。消費者物価指数はプラスどころかマイナスに落ち込んでいますし、ミシガン消費者信頼感指数も予想より低い数値が出ています。ガソリン代が下がっても消費に回さず貯蓄を増やす傾向がみられるという分析もあり、好調な雇用だけをもって景気が完全回復したとFRBが結論付けるとは思えないからです。

 また利上げは現在の利上げ予測を前提にしたドル高に顕著なように、一層のドル高を生み出します。以前も述べたとおり、余りの急激なドル高はアメリカの製造業の勢いを削ぎ結果的に経済を減速させますし、ドル高は先進国同士だけの問題のみならず新興国の急激な通貨安を生み出します。特に現在新興国は経済を回すために相次いで利下げを行っている最中であり、アメリカがこのような状況下で利上げをすることは、国内のみならず、国外の通貨安を一層加速させることになり、結果としてグローバルインバランスを契機とした通貨危機が再度起きる可能性も示唆されています。

 また2つ目の理由として、現在のFRB議長であるイエレンがハト派であることを考えても、6月に利上げをすることはおそらく無いのではないか、というのが現状での私の見方です。当然利上げ観測後退はドル安を生み出します。これまで極端なレベルでドル高が加速してきただけに、ドル安に一端傾いたときの反動もまた凄まじいものになることは間違いありません。FOMCを控え、ドルストレートのツッコミ売りなどには十分注意しておきましょう。(執筆者:大島 正宏)

FRBは本当に利上げをするのか?

 2月6日に発表された1月の雇用統計は、予想よりも強い数字で景気回復感を裏付ける内容となっています。

民間部門雇用者数
結果 267千人
予想 222千人 前回 320千人(240千人から修正)

製造業雇用者数
結果 22千人
予想 12千人 前回 26千人(17千人から修正)

平均時給(前月比)
結果 0.5%
予想 0.3% 前回 -0.2%

平均時給(前年比)
結果 2.2%
予想 1.9% 前回 1.9%(1.7%から修正)

週平均労働時間
結果 34.6
予想 34.6 前回 34.6

不完全雇用率
結果 11.3%
予想 N/A 前回 11.2%

労働参加率
結果 62.9%
予想 62.7% 前回 62.7%

 こうしたことから市場は利上げが確実に早期に行われるものとしてドルが買われ14日ぶりにドル円は21日移動平均線を上回り119円台にまで上昇しています。

市場の見方は二分

 毎月雇用統計の結果がいいと、早期利上げ見込み確実ということからドル円が買いあがりますが、世界的にはすでに32カ国が利下げをし、ECBは量的金融緩和を決定し、先進国を中心に通貨安戦争の輪が広がっています。

 せっかくのデフレ対策であるにも係わらず原油価格の下落は各国ともに輸入物価指数を大きく押し下げており、益々デフレに向かうというなんとも皮肉な状況が続いています。

 2月のリスク一覧でも触れましたが、FRBの政策の理論的支柱とも言われる、長期停滞論を打ちだしているローレンス・サマーズ元米国財務長官はこのデフレ状況下で安易な利上げをすることに否定的な見解を示しており、こうした意見がどれだけFRBに影響を与えるかが注目されます。

 一方でロックハート米アトランタ地区連銀総裁は6日、米経済は年内の利上げ開始が正当化されるほど力強い成長が継続すると考えられるが、弱いインフレや賃金の動向には不安が残ると述べています。

 また議会でマジョリティとなっている共和党は強く政策金利の正常化を要求しており、FRBとしても今後の手立てとして金利下げができるようにするためにも最低0.25%の金利上げはどこかで行っておきたいのは事実のようで、依然として6月もしくは7月ごろの利上げは維持されていると見るむきも強くなっています。

金融抑圧とバブルの温存のためには利上げはしても実効金利は上げたくないのがFRB

 現在FRBが行っているのは明らかに金融抑圧性策と国策でのバブルの温存ということになり、サブプライム的な過剰な自動車ローンの最近の状況もエネルギー系を中心としたジャンク債の破綻もなんとか問題にならないで済んでいるのは金利をインフレ率以下に押さえ、借金を増やさないようにしていることがベースにあります。

 本来ならばQE3が終了した時点で金利が上昇し大変なことになっていたはずですが、これを日本と欧州のQEが助けているのが実情です。ですから利上げといってもお印程度で市中金利が大幅に上昇することはFRBもまったく望んでいないというなかなかわかりにくい構造があることは理解しておく必要があります。

利上げで間違いなく起きるのは株価の下落

 これまでの米国の利上げでは確実に株価が下落しています。状況が似ているといわれる2004年の利上げ時期にはNYダウだけでも7%以上の下落があり、日本の日経平均もそれにつられて大きく下落しています。したがって利上げが決まった時点である程度の株価下落とそれに引きずられる形での為替の下落は覚悟をしておかなくてはなりませんが、最近の噂で買って事実で売るといった動きからすれば利上げ時期確定の動きとなったあたりで事前に相場は動いてしまうことが予想されます

3月16日ブラックマンデー説も飛び出す市場

 週刊現代に『気をつけろ!「3月16日ブラックマンデー」説』という記事が掲載され、巷では話題になっています。どこまで信憑性のあることなのかはさっぱりわかりませんが、なんとなく皆が下方向を気にするとそうなることも考えられなくはないものですから、一応の注意が必要であることは間違いありませんが、テールリスクというのはだいたいいきなりやってくるものですから、週刊誌に出ているうちはまだ危なくないのかも知れません。

 とにかくこうした状況でまだ米国の利上げは確定的な状況とはいえませんが、事実だけを積み上げていきますと、周辺国がデフレになろうともFRBはあくまで自国の金融政策だけにフォーカスしていますから、利上げを予定通り行う可能性は高いというのが依然正しい認識といえるのではないでしょうか。(執筆者:坂本 博)

FOMCの結果を受けドル売り反応の為替マーケット

 1月FOMCの結果が発表となり、市場はドル売りで反応しています。内容としては景気認識は上昇しているとしながらもインフレの流れは下落しているとなったため、それを嫌気している状況です。前回の会議でフォワードガイダンスの文言をいじった部分はそのまま残されている状態で、おおむね変化はないのが今回のFOMCの結果となっています。

2004年のFRB利上げに酷似するスケジュール

 今回のFRBの利上げスケジュールは2004年グリーンスパン議長時代のプロセスに非常に似ています。2004年も1月に今のFOMCと同様にフォワードガイダンスの文言をいじり、結果的に6月にFF金利上昇を決めています。経済状況こそ違いはあるものの、この流れはかなり参考になるものといえます。

 2004年は春先まで株価が乱高下することとなり、とくに利上げ決定間近となった時期には7%近く米国株価が下落し日本の日経平均も追随することとなり、当然それに引きずられてドル円も下落を果たすことになっています。したがって今回の米国の利上げもそのタイミングが明確になった時点で一旦は株もドル円も下押しを覚悟しておく必要がある状況で、今後4月までのFOMCの結果でそれを探ることになりそうです

MIT学派ローレンス・サマーズのダボス会議での利上げ慎重発言が気がかり

 ところでFRBにおけるMIT人脈の理論的支柱ともいうべき存在のローレンス・サマーズ前財務長官がダボス会議で米国の利上げに否定的な発言をしていることが市場では注目されています。

 国内では人質事件のノイズで一切のダボス会議情報はかき消されましたが、ゴールドマンサックスのCEOとの対談で、現在のFRBの政策を支える長期停滞論を唱えるサマーズから利上げ慎重論が出ていることは注目される状況といえます。

 ただFRBは他の新興国市場がどれだけ痛んでいようが自国にプラスになると考えればお構いなしに利上げを行うスタンスであるため、安易な利上げ後ズレ期待をするのも危険な状況であり、今後FOMCの議事録内容にさらに注目があつまりそうです。

ドル円は下値模索のリスク

 ドル円は過去7営業日以上21日移動平均を上回ることができず、一旦下値を試しに行きそうな気配となっています。どうも117円近辺にはどこかの国のやんごとなきPKOと思しき勢力の買いがあるような動きとなっていますが、この117円を下抜けすれば116円台前半ぐらいまでの押し目は覚悟しておく必要がありそうです。(執筆者:坂本 博)