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言ったからには引き下がれない 日銀とFRBのジレンマ

先日お伝えした通り、日銀政策会合では「金融緩和」のキの字すら出てきませんでした。それどころか、安倍政権が「デフレ脱却は目前である」と語ったのに応じるかのように、黒田総裁は「すでに日本はデフレ状況にない」と強気な発言で市場を牽制しました。

さて、おそらくこれで当面追加緩和はないと見ていいでしょう。黒田氏は消費者物価の下落が原油安の影響に起因することを指摘し、一段の原油安が起こらない限り消費者物価は確実に上昇していくとの前向きな見解を示しました。

実際上昇するのか、空元気なのかは分かりません。しかし重要なことは、日本はおいそれと追加緩和をしないぞという意志が今回の政策会合によって確認されたということです。

加えて、アメリカは是が非でも年内に利上げをしなければいけないというムードが醸成されつつあります。これだけ大風呂敷を広げ、各連銀総裁が連日「市場に利上げが年内にあることを徐々に浸透させていくべきだ」などと発言している状況では、2016年に利上げを持ち越してしまえば、FRBの信頼性が問われることになります。

ここから言える事実は、日本もアメリカも例え目先の景気が悪くとも、名目で動かなければいけない状態に陥っているということです。つまり、日本の場合は、景気が悪くとも追加緩和は政府の意向で出来ない。アメリカの場合は、景気が悪くとも利上げを行わなければならないという状態です。

ともに降ろす必要がないのにもかかわらず振り上げた拳を降ろさなければならないという情勢の先には、どのみち波乱しか待ち構えていないでしょう。ひとまず利上げが行われるとされる年末がどうなるかといったところですね。(執筆者:大島 正宏)

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まだ危機は去っていない! FRBの利上げが巻き起こす混乱

2015年もいよいよあと3か月となりましたが、今年の市場の変動幅は、リーマンショックが発生した2008年以来の大きさとなっているようです。こう言われるともうネタは尽きたのか、あとは消化試合か…と思うのも無理はないかも知れませんが、最後の砦が待っています。それは年内にあるとされるFRBの利上げです。

以前にも何度か触れましたが、利上げは借り手に負担を迫ることによって経済にブレーキをかける作用を持ちます。

その一方で、金利が上がれば、市場参加者は積極的にドルを所有しようとするため、新興国からの資金引き上げが起こります。これがリーマンショックの頃にも問題になった「グローバルインバランス」です。通貨安・株安を引き起こす作用を持つため、すでにブラジルの通貨であるレアルは、FRBの利上げを見越し、リーマンショックの水準まで下がってきています。

こうした動きが利上げ実行によって一段と加速するのか、それとも年内宣言が行われたことによってゆっくりと織り込まれてしまうのかは現時点では分かりません。しかし、先日発表されたPMI(景気指数)が7年ぶりの低水準であったことで端的に表れている中国の景気減速にくわえ、こうした新興国の株安・通貨安が、ふたたび世界経済をハードランディングさせる原因となる可能性は、決して低くないように思えます。(執筆者:大島 正宏)

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いよいよ利上げしない理由がなくなってきたFed

5月分の雇用統計が日本時間5日の夜9時半に発表となりました。結果は予想を大きく上回る28万人で失業率は5.5%となりNFP自体は大幅上昇、失業率微妙に上昇しましたが誤差範囲の動きとなっています。

この数字だけをもってして6月利上げとはならないかと思われますが、それでも徐々にFedが利上げをしない理由がなくなりつつあることが事実で、ジャクソンホールでイエレン議長が講演を行わなくても9月利上げの可能性は高まってきたと言えそうです

IMFはすでに米国は新興国をはじめとする他国の経済状況に配慮して16年以降に利上げを繰り下げるべきといったレポートを開示していますが、これまでにFRBが他国の経済状況を配慮したためしなどはないわけで、徐々に利上げに追い込まれていることだけは事実のようです。

またも上昇局面に入ってきたドイツ国債金利

ところで一旦は落ち着きを取り戻したと思われたドイツの国債金利がまたしても1%に近づく急騰ぶりを見せています。

債券市場は0.1%金利が上昇しても母数になる取引量が莫大となるため損失の膨らみ方は為替や株の比ではありません。

したがって前回の投売りでもかなりの損失をかかえたファンド勢や銀行筋などは多く、いまやドイツ国債金利が世界的にマーケットに影響を与え始めていることは間違いない状況です。しかもこの債券金利上昇というのは確実に株式市場の下落を招きますので、向こう1~2か月はこの動きにも神経を尖らせる必要がある状況となってきています。

NFPの結果を受けても126円を突き抜けなかったドル円

NFPの結果を受けてドル円は1円以上の上げを見せましたが、そのまま126円方向にまで突き抜けるほどのエネルギーはないまま週末を迎えています。

毎回のNFPアノマリーから言えば、今回もかなり高いところが発射台となりましたので来週以降逆に下げる局面についても注意が必要となりそうです。

ここ2年ほどのドル円の急騰には日銀の量的金融緩和かFRBの政策変更の確定のいずれかが燃料となってきたことは間違いありませんが、そのどちらも現状では未確定ななかで果たして126円を超えるところまで一気に上昇することになるのかどうかが来週の見極めどころとなりそうです。

またチャート的にはユーロが上昇をトレンドを形成しそうな気配もあり、これもドルインデックスを冷やす可能性がでてきています。どうもギリシャ問題はIMFから手を差しのべるという出来レースになっているようで安全保障上の問題から簡単にはデフォルト、ユーロ離脱は起こらなさそうな状況で、市場のドライバーの要素から消えている状況です。週明けに発表となるFRBのLMCIにも再度注目したいところです。(執筆者:坂本 博)

債券金利を侮ることなかれ! 6月FRB利上げの目はまだ残されている

欧州の債券相場における債券売りと金利の上昇は一旦落ち着きを取り戻したかのように報道されていますが、債券相場は為替や株のように単純な相場ではありません。この相場の急落で金融機関やファンドの中には大きな損失を抱えているところが多く、まだ殆どがその含み損を切り終えていないのが実情です。

クオンツ系の裁定取引やハイレバレッジのポジションは損切りを余儀なくされているようで、少しでも相場が戻せばまたぞろ売りがでることは間違いない状態です。市場が落ち着きを見せているなどという報道は真っ赤な嘘といえます。

殆どの市場参加者はECBのQEを見込んでマイナス金利であっても挙ってドイツ国債などの購入に奔走しましたが、これが完全に裏目に出る展開となっているのです。こうした債券金利の上昇は欧州各国全般だけでなく米国や日本にも波及してきており、当分続きそうな状況となっています。この状況がFRBの利上げにも確実に影響を与え始めているのです。

FRBイエレン議長の発言は6月利上げのティーザーか?

そんな中でFRBのイエレン議長とIMFのラカルド専務理事が討論会に出席した際にイエレン議長の口から株価は割り高で債券も高すぎると言った発言の真意に様々な憶測が飛んでいます。

しかし現状の高い債券金利状況を考えれば、来年の大統領選挙で民主、共和両党から金利の正常化を求められているFRBがこの6月にアリバイ的に1.25%の金利を上昇させる可能性はまだ残されており、イエレン発言がそのティーザーとして実施されたのだとすれば、いまや誰も口にしなくなった6月利上げはまだ可能性がかなり高く残されているといえるのです。

6月末のイランとの核兵器禁止

オバマ大統領は6月末にもイランとの核兵器禁止条約の締結を実施しようとしています。

これで本当に核兵器が凍結されるかどうかは別としてレイムダック化するオバマ氏の最後の仕事としてこれが締結される可能性が極めて高くなってきているのです。

ただ、この条約が締結されると、イランの原油生産は再開されることになり、現状で4割ほど戻した原油価格が再度下落する可能性は高くなります。

したがってその前の6月19日に一応の利上げ要件を満たしている状態で本当に少しだけではあるものの利上げをすると言う可能性は、この視点から見ても整合性が出てきているのです。

株価は暴落しても既にS&Pは史上最高値を更新しており影響は軽微

当然利上げ発表直後は株価も大幅下落し、ドルは上昇することが予想されますが、現在史上最高値を更新中のダウが2000ドル急落しても1万6000ドルを割る可能性は極めて低く、しかも為替もユーロ圏の債券金利が大幅上昇している中では、一方的にドル高にはなりにくい下地があることは間違いないのです。

FRBはサプライズを避けるためにイエレン議長の口から、市場に事前警告を発し始めているとみるのも頷ける部分がかなりあると言うわけです。

6月まさかのドル円125円方向?

エリオット波動的にはすでに高値をつけきったように見えるドル円ですが、こうした人為的な要素が絡む場合は動きはまた別のものとなります。

経済指標を含めてドルが再度上昇する可能性は見出しにくいわけですが、ひとつのシナリオとして6月利上げ、ドル瞬間再上昇というケースも引き続き考えておく必要はありそうです。特に債券金利のことを甘く見ていると結構大変なことが起きる可能性もあるのです。(執筆者:坂本 博)

よくあたる? アトランタ連銀の『GDP Now』

米国の1~3月の実質GDP成長率が前期比+0.2%と、ほとんどゼロ成長となったことが今後の米国経済に対する懸念を高めているのはご存知のとおりですが、アトランタ連銀がリアルタイムGDPを試算して公表している『GDP Now』と呼ばれる数値が米国の金融筋ではよくあたるとして注目されてはじめています。

アトランタ連銀が3月17日時点で予想していた米1-3月実質GDP成長率は+0.3%でしたが、29日発表された同GDP成長率は+0.2%で僅差でほぼ的中させています。

今後このGDPの数値の変化が米国の利上げ時期にも大きな影響を与えるだけに、アトランタ連銀から発表されるGDP予想値は今後GDPの正式発表前にドル円を大きく動かしそうな気配です。

単なる雪のせいだけではなさそうな米国経済減速

14年10-12月期の同+2.2%のGDPから大幅に減速した米国経済は、今年も厳冬のために個人消費にブレーキがかかり、強すぎるドルが具体的に輸出に響きマイナスになっています。1-3月期は米経済の約7割を占める個人消費支出が前期比年率+1.9%と、4%強の伸びを示した前年10-12月期から大きく後退しています。

設備投資の大幅減少は、米国の設備投資の4割を担っているシェール関連が軒並みストップしていることによるもので、WTIの原油価格が70ドル以上に戻さないかぎりは簡単にシェールがらみでの設備投資はもどってこないと予想されはじめています。

FRBを悩ます1937年の亡霊

この状況での利上げは1937年リスク、つまり利上げがきっかけとなって大変な金融危機が起こることとなった状況の再来を心配する金融関係者は多く、長期停滞論で有名なクリントン政権後半の元財務長官であるローレンス・サマーズも大手ヘッジファンドの創業者レイダリオも異口同音にこのリスクを指摘している点がFRBに利上げブレーキに対するプレッシャーをかけていることはどうやら間違いのないことのようです。

4月のFRB声明は現在の経済状況を一時的なものとしていますが、8日に発表されるNFPがどのような数値になるかもこの先の経済状況を占うものとして注目されそうです。(執筆者:坂本 博)