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UKのEU離脱を本格的に視野に入れ始めた英大手銀行の狙いとは?

5月の総選挙を受けて乱高下を続けたUKのケーブル、つまりポンドですが、この選挙結果を想定してなのか最近の国内のセンチメントを反映してなのか、最近英国の銀行業界に異変が起きています。それは本社を英国外へ移転することを検討しはじめているという報道です。

へえ、そんなものなの? と思われる方もいるかもしれませんが、三菱東京UFJや三井住友といった国内のメガバンクが東京から国外に本店を移すことを検討しているという報道がでたらいかにそれが異常事態か想像がつくはずです。

・HSBCは本社移転の決断を今後数ヶ月以内に決定

英銀行最大手のHSBCは英国外に本社移転を真剣に検討しており、今後数ヶ月以内にガリバー現CEOが本社移転に関する決定を下すことを既にあきらかにしています。

・スタンダードチャータード銀行も本社移転検討の報道

ロイターの相次ぐ報道によればスタンダードチャータード銀行も英国外への本社移転を検討中とのことで、この二つの銀行はアジアに拠点シフトを正式に検討中のようです。

なぜUKから出て行くのか?

英大手銀行がUKから出て行くことを考えているのにはいくつかの理由があります。

英国当局からの課税圧力の高まり

基本的にこれが一番の表面的な理由とされていますが、英国当局からの課税強化は利益減少の温床となるため各行とも非常にこれを嫌気していると言われます。

EU離脱が本格的に見えてきた

キャメロン首相の圧勝で2017年にEU離脱を問う住民投票が現実に行われることとなって来ていることも影響を与えていることは間違いありません。現状でUK国内での欧州からの移民に対する反対感情の高まりやEU離脱の可能性を高めていると言われ、これも英国の銀行の国外自主退去を真剣に考えるきっかけになっていることは間違いありません。

アジアにはもともと英国の植民地が多く移転に違和感がない

HSBCもスタンチャートも19世紀からアジアに拠点を置いて活動をしており、アジア圏に本社を移転してもなんら違和感がないこともこうした検討を後押ししているようです。

UKの離脱はユーロ圏のおしまいのはじまりか?

UKがEUから離脱することが決まると一体どうなるのでしょうか?

国民感情的にはEUにいることを良しとしないのがアジアのどこかの国にも一脈通じる国民感情のようですが、UK離脱はまずポンドの大きな下落につながることは間違いありません。

既にUKへの直接投資はこうした状況を勘案して減少の可能性もでていますし、なによりEUからの輸入に頼る貿易赤字国のポンドは利上げが実現しても大きく下落する可能性がでてきているのです。

ジョージソロスとBOEの戦いにBOEが完敗した1990年以来UKはユーロの利用を物理的にできなくなり、今も独自通貨を利用する状況ではありますが、このUKがEUから離脱することが正式に決まればEU圏に与える影響はかなり大きなものとなりユーロの下落がより鮮明になる可能性もでてきています。

まだ先の話ではありますが、本格的なこうした動きがでれば為替に与える影響は前倒しになることも予想され、引き続き注意が必要な状況です。(執筆者:坂本 博)

節分天井は本当? 2月に潜む5つのリスク

 いきなり月初からドル円は窓空けで始まっていますが、どうも節分天井とは行かないようで、2月はドル円に限っていえば下押しリスクもそれなりに想定しておく必要があります。現状で考えられるリスク要因としては次のようなものが想定されます。

リスク1. 米国経済指標

 企業決算は思わしくなく、しかもひどく低い数値の出る指標が目で地始めた米国経済に注目が集まります。6日はさっそく雇用統計がでますが、雪の影響は伸びない賃金単価でまた下押す可能性も残ります

リスク2. ロシアの不穏な動き

 ロシア中銀はこともあろうに通貨防衛放棄ともとれる利下げを実施し、一部の外資系ファンドからは、プーチンは意図的なデフォルトをするつもりか? との声も聞かれ始めています。

 実際中国筋の分析によると年明けから経済関連の報道がぱったり止まっているそうでなにかある前兆かもしれません。98年ドル円はロシア破綻で約17円下落していますから今なら100円に逆戻りもありうるという恐ろしい話です。

リスク3. ギリシャまさかのEU離脱

 ギリシャ急進左派連合と保守の連立内閣のチプラス首相は就任直後からトロイカや周辺国との間で合意していた自国の港湾売却をいきなり反故にしトロイカとの折衝も拒否しています。当初はEUに残ることを前提にしていると言われましたが、このチプラス氏、昨年5月のクリミア選挙後西側諸国の人件としてはフランスの左翼党首を二人だけのこのこロシアに出向いて祝賀会に出席してプーチンとの距離も近いといわれています。今ロシアがギリシャを助けられるとは思えませんが、EUとの交渉にプーチンのカードをちらつかせてくる可能性は十分にあり2月末のギリシャとトロイカの交渉結果には注意が必要です。

リスク4. MIT学派の理論的支柱ローレンス・サマーズがダボス会議で利上げに反対

 日本では人質騒ぎのニュースにすっかりかき消されたダボス会議ですが、今年のこの会議で注目されたのは、ローレンス・サマーズ元米財務長官とゴールドマンCEOのディスカッションでした。

 ローレンス・サマーズは、「脅威がはっきりするまではインフレとの闘いを始めるべきではないし、それはまだまだ先のこと。圧力が差し引きでデフレの方にかかっている限り、行動を考えるべきではない」と発言して大きな注目を浴びています。

 というのも現在のFRBのマジョリティを占めるMIT学派の理論的支柱がサマーズの長期停滞論とバブル容認論であり、このサマーズが利上げは難しいと言い出していることにFRBがどう反応するかが注目されているからです。まだ利上げまで時間がありますので次回3月のFOMCまでは憶測から株と為替が上下することも考えられます。

リスク5. 日本のPMIまさかのマイナス?

 そして問題なのは国内のPMIです。原油安を受けてまさかの実質マイナスの示現も夢ではなくなってきています。特に2月より3月が危ないと言われていますが、2月に兆候が見られれば少なからず円には影響がでるはずです。

 ということでリスクをあげたらキリがありませんが、どうも為替は2月が節分天井とはいかないファクターが山積している気配です。くれぐれもご注意を…(執筆者:坂本 博)