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いよいよデフォルトの準備? ギリシャの債務返済断末魔

 15日、久々にギリシャ問題でECB会合の前にユーロが下げることとなりました。英国FT・フィナンシャルタイムズ紙がギリシャはデフォルトの準備をしているという報道をしたのに加えて、米国でオバマ大統領と面会予定のバルファキス蔵相が前回のヘアカット時に関与した弁護士と面会するという情報が流れたのがその発端となっていますが、4月末にデフォルトするかどうかは別としてとにかく債務返済のスケジュールはこの夏まで目白押しの状態です。

 この一覧はWSJの報道を元に8月末までの債務支払いのスケジュールを書き出して見たものですが、とにかくご覧のとおりで、ひとつ支払えばまた次の支払い債務の期日がやってくるという、典型的な借金地獄・火の車を国のレベルで演じているのが今のギリシャの状況で常にクリティカルポイントがやってくることがわかります。

政府発行の短期債で当座をしのぐ情態

 現状でははっきりいくらお金があるのかも良くわかっていないのようですが、とにかく短期の債券を政府が発行しては国内の銀行に買わせ、そこにECBが資金を投入するという形で資金調達をなんとかしているのが実情であり、償還日が来るたびにまた新たな債券を発行しECBが我慢して資金を出しているからデフォルトになっていないというのが実情です。

まったく税金を払わないギリシャ国民

 一方歳入面ではそもそも緊縮財政を行わないと宣言して当選したチプラス政権の様子をみるためにかなりの国民が税金をあえて滞納している状況で、これでは財政が改善する見込みはないのが実情となっています。

再度選挙実施も

 問題はできもしない脱緊縮財政で当選した今の政権が国民に公約を守るためにECB,IMFと対立せざるを得ない状況があるところで、実は緊縮財政策をとればIMFからの追加融資も実行の予定があったのです。したがって再度選挙をして国民に信を問うこともありえそうな状況ですが、金がないのにまた選挙するのか?というかなりパラドキシカルな状況に陥っていることは確かなようです。

デフォルト=Grexitではない

 ひとつ注意をしておかなくてはならないのはデフォルトだからユーロ離脱ではないということです。一定の債権放棄のあともさらにギリシャがユーロ圏に残るという選択肢も残されてはいるのです。デフォルトというと国のおしまいのように思われますが、対外債務を支払わないだけのことで、ロシアもデフォルトしていますし、常習犯はアルゼンチンで、実は日本も戦争に負けた時点でデフォルトになっているのです。

土壇場にくるとユーロが反応

 ここのところ株式市場もまったくギリシャの状況については気にしていませんでしたが、いよいよデフォルトかという話になると少なくとも為替は反応するようで、前述の債務返済スケジュールのどこでギブアップが起きるのかはよくわかりませんが、デフォルトの文字がタイムラインに躍った段階でアルゴが一気にユーロを売り込むことになるのは間違いないようで、その後の買い戻しのタイミングを含めてロングのポジションを持つときにはここ数ヶ月かなり気をつける必要がありそうな状況となってきています。 (執筆者:坂本 博)

既に各国中央銀行の利下げは32カ国に~この先通貨安戦争はどうなるのか?

 ECBの量的金融緩和実施を目前にして各国の中央銀行は一斉に利下げによる緩和措置を取り始めており、既に32カ国が利下げを実施しています。

 そんな中で2月3日、大方の予想に反してオーストラリアRBAがその政策金利を0.25ベースポイント下げて2.25%とし、即日実施し、豪ドルドルは5年半ぶりの大幅安となりました。本来は声明文を変更し、その後に利下げを想定していたのが市場の見方だったため、思わぬ利下げは市場を結構驚かせることとなったわけです。

 スティーブンス総裁は昨年末から、中央銀行としては異例の為替レベルの期待値に関して言及するようになっており、対米ドルでは0.75ドル付近にあるべきであると発言し、今回安値の0.7625ドルまで下落したことで一応の目標達成を図った格好となっています。

 しかしこれでなんと32カ国以上の国が金融緩和と自国通貨安政策に乗り出していることになり、世界的な通貨安戦争が一層激しさを増す状況となっています

TPP加盟国は条約締結を睨んで通貨安を急いでいる?

 そんな中でも豪州RBAが利下げを加速させているのは、一説には交渉が進むTPP対策ではないかという憶測が流れはじめています。これはTPPの条約締結時に為替条項が組み入れられる可能性が高まっているからで、この条項が入りますと、TPP参加国は為替介入や通貨安誘導が出来なくなることが明白となるからなのです。

 したがってTPPの締結がよりはっきりしてくるとほかの加盟国も一斉に利下げなどのアクティビティに動くことが予想されます。日本の日銀による金融抑圧政策は果たして円安誘導ではないのかが大きな問題となりそうですが、TPPは思わぬところで為替に影響を与えることになりそうです。

為替はゼロサムゲーム すべての国が通貨安にはならない

 為替は通貨同士の相対的な位置関係から高い安いが決まるものですから、いくら各国中央銀行が金利の引き下げで切り下げ誘導をしようとしてもすべての通貨が安くなるというわけではありません。しかも皮肉なことに通貨安政策を採っているにもかかわらず、ほとんどの国が原油価格の下落から輸入物価の上昇率を大幅に下げており、ことごとくディスインフレ寸前に陥っていることも金融政策をうまく機能させられない状況にあるのです。

 したがってさらなる緩和政策に出るところと政策的に失敗に陥る中央銀行も登場することが予想され、この緩和競争の落とし所が危惧される状況です。通貨ペアを選択する場合にはこうした中央銀行の政策についてもしっかりチェックをすることが肝要になりそうです。(執筆者:坂本 博)

原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変

原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変~1月22日ECB理事会後もしくはギリシャ総選挙後のユーロ急激な買戻しに注意

 1月に入ってからとにかく金融市場はマイナスの要素だけが噴出するようになっており、市場の状況を見極めるのが極めて難しくなっています。そんな中でも気にしておかなくてはならないのがヘッジファンドを中心とする投機筋のこの間の投資失敗に伴う損失補てんのための金融商品の換金売りの動きです。本来ECB理事会自体での動きが注目されてきたのがこれまでの市場状況ですが、昨今の状況を反映してこうした損の穴埋めに絡む投機筋の予想外の動きに十分な注意が必要になっているのです。

為替市場で膨大なポジションが維持されているドル円ロングとユーロドルショートは要注意

 SNBの1月15日の声明の裏事情として、いよいよECBが1月22日に量的金融緩和に踏み切る可能性がかなり高まってきていることがあげられますが、現状ではヘッジファンドの原油価格暴落に伴う損失とスイス中銀関連での損失の補填のためにこうした為替ポジションの売却が利用されるのではないかとの憶測が急激に強まっています。

 ただ、ECBの発表は22日、ギリシャの投票が25日ですから、この二つが終わるまで巻き戻しがくるタイミングはお預けとなりそうで、19日からの週でもっとも先行するリスクが高く、注意が必要となっているのがドル円ロングのまき戻しと考えられます。

ヘッジファンドの換金売りはレベル感無視で一気に全額決済が基本

 昨年から今年にかけては商品先物系のヘッジファンドの解散が多く見られ、投資商品の換金が相次いでいることが市場にも既に影響を与えていますが、今回のスイス中銀ショックはそれをはるかに越えるレベルであるため、商品系ファンドのみならず広範な投機筋が損失を抱えることとなっています。それだけに現状でたっぷり利益の乗っているポジションから売却をかけていくことはほぼ間違いない状況といえるのです。

 したがって22日のECB理事会前に換金売りのターゲットとなりやすいのはやはりドル円ということになるでしょう。ちなみにCFTCが16日に発表した1月13日時点の建玉報告では、CMEの通貨先物市場で投機筋の円のドル円のロングは売りと買いの差し引きで9万4625枚の売り越し・つまりドルロングとなっており542枚増加しています。

 もちろん1月15日直後に売られている分もあるはずですが、秋口の1ドル105円程度から買いにしていてお10円以上の利がのっているのは間違いなく、売りの対象となる可能性は考慮しておくことが必要となります。

今回のスイス中銀関連での損害は2001年9・11を上回る?

 現状では、損害金額の総額は推定するすべもありませんが、投機筋がかなりやられていることは間違いなく、損失が確定次第、資産売却が加速する可能性がでてきています。1月後半はこうしたイレギュラーな取引の流れにくれぐれも注意をすることが重要です。とくにロンドン市場の動きは細心の注意を払うことをお勧めします。(執筆者:坂本 博)

スイス中銀の動きから推測されるECB国債買入れQE22日実施の信憑性

 スイス中銀の突然の対ユーロ無制限介入宣言の余波は続いていますが、注目はなぜ昨日のタイミングでこれを声明として発表したかです。これは1月22日のECB理事会で正式に国債の買取によるQEの実施が発表さてユーロが下落する前に行っておいたほうがいいというスイス中銀の発想が働いたことはほぼ間違いがありません。

1月22日のECB理事会での金融緩和はほぼ決定的との憶測が高まる

 ということで市場ではユーロ売りが加速する可能性がでており、昨日のスイスフランショックも相まって対ドルで1.1方向に大きく動くことになることも想定しておく必要がありそうです。とくにBuy the rumor and Sell the factのことわざどおりにいけば22日の前に急下落する可能性がたかまっています

 大手の外資系ヘッジファンドは昨年末から1.1のオプションを大量に購入してすでに仕込み済みとの話もありますので、今回のスイスフラン関連での損失の穴埋めにこれを使う可能性もでてきています。

損失補てんに使われる?ドル円と日経平均

 昨日のEURCHFの下落は結果としてポジションを保有していた投機筋も売るに売れずにまだ保有して途方にくれている状態が続いているため16日以降も引き続き敗戦処理のための穴埋めが続くものと思われます。

 その中でも昨年から結構利が乗ってきたドル円と日経平均が売られて利益捻出される可能性が高まっています。安値では買いの絶好のタイミングにも見えますが、なんせ売りの動機は損失補てんですから通常のロジックでは理解できない動きが多数現れそうです。

 ポジションをお持ちになろうとする方は十分な注意が必要となることを今一度確認していただきたいと思います。

デフォルトではないので巻き返しにも要注意

 今回の件はあくまで金融市場での一小国の中央銀行の為替政策の変更に過ぎませんので、一定の期間を経て大きな巻き返しがおきることも考えられます。これはデフォルトのような事態ではなく単に介入やめたという話だけですきあら、そのあたりも誤解のないように理解しておく必要がありそうですね。(執筆者:坂本 博)