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今年最初のECBを過ぎ、農耕民族が狩猟民族の気持ちを考えてみる

最近は少し変わった気もしますが、「日本人は農耕民族なので穏やかな気質である」というのが定説でした。反面、欧米の人は狩猟民族なので、駆け引きをしながら戦うのが巧いそうです。

日銀の追加緩和があるかどうかが話題です。今年1月もFOMCが先に、そのすぐ後に日銀の金融政策決定会合が開催されます。それぞれの金融政策の発表も同じ順で行われ、特に日本は、金融緩和がまたあるのではないかと賑わっています。日銀の黒田総裁は、隠しごとがありそうに見えるときもありますが、そう腹黒い印象はありません。

そしてちょっと忘れられぎみの感があるユーロの動向ですが、1月21日のドラギECB総裁の会見では、緩和の可能性を示唆、ととれる発言がありました。これまでのドラギ総裁を見ていてもわかりますが、だからといって3月に必ず緩和があるとは限らないのでは。トレード的には3月までに思惑でのポジションを、市場参加者は取り終えてしまうでしょう(たぶん)。

ユーロの流通が始まったEデーは2002年1月1日。最初から問題山積みのユーロの構造的な欠陥は、解決したわけではありません。今は、市場が他のテーマに目移りしているだけなのですね。

2016年初頭の今、気になるのは英国の総選挙です。(キャメロン首相は’15年の総選挙の際、’17年の末までにEU残留を問う国民投票を行うと公約、2016年の可能性も)すでに色々な方が書いておられますので、詳細は省きますが、英国の人々の気持ちの底になにがあるのだろう?と想像してみました。

私自身が気になっているのは、欧州債務危機の際に英国のキャメロン首相が、各国の独立性を気にしていたことです。これは建前で、本心は自国の独立性(=利権)が損なわれるのを嫌ったのでしょう。

金融立国の英国は、ユーロを導入していません。「他の国といっしょにしないで」というプライドもあり、何かのきっかけで国民の感情が1方向に動いてしまったら、想像以上のことも起こるのではないでしょうか。今「こうなりそうだ」と軽々しく言えませんが、勝つためにはビックリな行動もとる狩猟民族の通貨、ユーロとポンドの動向も忘れないようにしたいもの。クロス円の足が引っ張られますものね。

ドラギ総裁の「3月」の他に英国の総選挙の時期についても気にしておきたいものです。

新年早々、政治家やアイドルのスキャンダルが騒がれる中、チェックしておくテーマはちょっと目立たないところに隠れていそうです。(執筆者:鈴木 マリア)

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日銀の黒田バズーカ期待と、忍び寄るECBのドラギ・マジック

先週の相場も上へと下へと激しい展開となりました。週の前半では中国のGDPも無事通過して、ドル円は上に強く戻す動きを見せます。しかし、この上昇は118.10円まで。結局、大きな下落の流れを崩せずに終わるのを見ると、再び下降トレンドへ。ストップロスを巻き込みながら、一気に116円を割る水準まで落ちました。

このタイミングで、政府関係者による「為替市場の動向を注視している」発言にニュースが入ってきます。この報道を受けてパニック的な下げはいったん落ち着き、さらにその後の日銀の追加緩和をにおわせる発言などが出ると、上昇へと転じていきました。結局、先週の引けでは118円後半まで戻しています。

今の市場の注目は、29日の日銀会合の結果発表へと集まっています。これを節目に考えながら相場を見ていくと、動きが読みやすいような気がします

もし29日までに期待が高まり過ぎた場合には、実際に追加緩和があったとしてもどうなるんでしょうか。上の方では重たそうなラインがいくつもあるので、むしろ絶好のショートチャンスになるかもしれません。もちろん、追加緩和の内容によっては止まらない上昇が起こるかもしれないので、安易な逆張りは禁物ですが。

これに加えてちょっと気になるのが、ECBのドラギ総裁の動向です。ドラギがまた追加緩和を示唆してきています。

一方的に下がっていた原油が戻してきたのは、この影響が大きいでしょう。これを受けて、再び次のECB会合(3月10日)での追加緩和が期待されているようです。ドル円には直接関係ありませんが、リスク選好の動きがドル円を押し上げる影響は頭に入れておいたほうがいいかもしれません。

ちなみに、昨年10月にもドラギの追加緩和示唆からの上げという動きがありましたよね。このときはアメリカの利上げ観測による上昇の影響も混ざってはいるので、同じとは言えないんですが、ドラギ総裁特有の期待上げからのドーンというのもありえそうな気がします

25日の真夜中にはドラギの講演もあるので、何が飛び出てくるか警戒しておいたほうがいいかもしれません。個人的にドラギ・マジックと相性が悪いので、必要以上に気にしている次第です……。

ということで今週は、まずは日銀会合での追加緩和、これに対する期待がどこまで高まるかに注目しています。そのうえで、波乱要因として苦手のドラギの動向にも注意しておきたいところですね!(執筆者:貝田 凡太)

株も為替も債券金利が決める時代に逆戻り

6月5日のECB会合の後の記者会見で、ドラギ総裁が「資産価格のボラティリティは高まる傾向がある。市場はボラティリティの高い時期に順応する必要がある」と警告を発したとおり、いまや世界中のアセット価格に大きなボラティリティが生じるようになってきています。

一部の事情を解さないメディアの報道では債券金利の上昇は一服などいう書かれ方をしていますが、実態としてはより深刻で、ドイツの債券利回りを10年ものでもマイナスになると読み違えていた債券投資家はこの間、巨額の損失を抱え込むことになっているのです。

とくに株と違って債券金利は原資が巨大なだけに1%以下の金利の上下動でも大きく損失を抱えることになるため、これをたいした問題ではないと認識することはかなり危険です。

すでに世界的な先進国の低金利時代は終焉


日本国内ではドイツの10年もの国債の金利の話しか登場しませんが、欧州各国の債券金利は軒並み上昇しており欧州圏ではQEの実施で日本よりかなり早く経済効果が示現しはじめてきていることからこの先金利はさらに上昇する局面にさしかかることも十分に考えられるようになっているのです。

利上げ時期が依然大きな話題となっている米国債についても10年債はすでにダブルボトムを形成しており、もはや上昇局面に入りつつあることをしっかり認識しておく必要があります。

株も為替も債券金利主導で動く時代に逆戻りが明確に

米国のQEの実施以降、為替と株、債券金利の関係はかなり崩れることとなり、とくに債券金利と株価が両方同時に上昇するという動きが長く続いたので、現状に違和感を持たれるかたも多いことかと思われますが、基本的に為替は各国の債券金利と連動する部分が大きく、また株は債券金利が上昇すれば当然のことながら下落するとう構図が市場にもどってきはじめています。

特にここ数週間のドル円、ユーロドル、米国ダウの動きは債券金利にかなり忠実なものとなってきているのです。ユーロドルの売買にドイツの国債金利を気にしなくてはならない時代が再来してきているのです。したがって為替相場の先行きがわからないと思ったときには必ず債券金利にたちもどってウォッチすることで先が見えてくることになりそうです。(執筆者:坂本 博)

米国の重要な金融政策転換の試金石となる6月の雇用統計のポイントはここだ!

いよいよ6月5日に米国の雇用統計が発表されます。事前予想は以下のとおりです。

これを見ますと平均時給以外はほとんど先月と同じ状況です。

もちろんこの数字を下回ればアルゴリズムがテキストを読み取ってドル円を売りに回る可能性がありますが、継続して20万人の雇用が維持され、しかも失業率も横ばいとなれば、市場の見方は少なくとも9月には利上げがあると判断する可能性があり、さらにこの数字が大幅に上回ることがあれば、6月の利上げ説すら復活する可能性が高く、ドル円はオーバーシュート気味に大幅上昇する可能性がでてきています。

このまま6月中盤のFOMCまで突っ走る可能性も否定はできない状況です。ここへ来て米国の経済指標は少しでも予想よりよかった場合、大げさに買いあがるケースが増えているため、このシナリオは否定できない状況です。

ECB会見でのドラギ発言でユーロは驚くほどのショートカバーを示現

今週脅かされたのはユーロが想像以上に戻りを試したことで、水曜日のECBドラギ総裁の会見で「インフレは今年始めに底入れし、今後上昇しはじめるだろう」、「現時点ではQEを拡大する必要はないとみている」といった発言を契機としてユーロは大きく買い戻されることになっており、ドル円は既に123円台に下落して雇用統計の発射台を低くする状況となっています。

果たして良好な結果がでても125円を飛びぬけているのかどうかがユーロのおかげでかなり怪しくなってきているともいえるのです。

6月第二週からは水星が順行にもどるタイミング

いきなりアストロのアノマリーかと言われる方も多いと思いますが、来週からは水星の順行にもどる時期になります。それが本当に意味があるのかは別としてこれまでの結果でいいますとほぼこうしたタイミングでは75%が円高になると言われているため、一旦上がっても下げの調整になる可能性があるということを示唆しているのです。

結局シナリオは三つ

当たり前のことではありますが、雇用統計シナリオとしては次の三つが考えられます。

(1) 著しく強い結果を受けてドル円縛騰 126円方向へすり抜け

NFPがあまりにも強い結果となった場合にはドル円は125円前半をすり抜けて126円以上までオーバーシュートする可能性があります。この場合125円に5000本あると言われるオプションは完全にぶちぬくかたちとなり、128円方向に向けて突き進む可能性があります。

(2) そこそこの数字の場合は125円前後で頭を抑えられる可能性も

予想どおりもしくはそれより若干弱いものの20万人以上のNFPといった場合にも買い上がりが予想されますが、この場合、前述のようにユーロのおかげで発射台が低くなる可能性があるため125円見当でとめられる可能性大といえそうです。この場合逆走して一定の押し目を作る可能性もあります。

(3) まさかの大幅数字下落の場合

この場合には額面どおりドル円は下げることになると考えられます。ただ、どこのレベルでNFPの発表になるかにもよりますが、123円台ならば123円を切れるあたり、されに押しても122円台の前半まで戻れば、それ以上下を押すところまでのパワーは想定できず、逆にいい押し目の買い場となる可能性がでてきます。

以上のような三つのシナリオを想定して臨んでみてはいかがでしょうか?(執筆者:坂本 博)

5月18日のECBクーレ発言はECBによる確信犯的行動か

みなさんご存知のとおり日本時間の5月19日午後3時過ぎにECBクーレ理事が夏の閑散期の訪れる前にECが資産購入プログラムの実行を前倒しに行うと語ったことが報道されていきなりユーロドルは100ポイント以上大幅下落することとなりました。

しかしこれは当日の朝に語られたものではなく、18日にロンドンのバークレーホテルでヘッジファンドの関係者を招待して行われたディナーでのスピーチであり、投資コミュニティとの対話という役割は果たしているもののヘッジファンドだけに先行してこうした情報が提供されること自体、市場への機会均等の原則から著しく逸脱しているとの非難が高まっています。

ECBは公表遅れの手違いを認めながらもチャタムハウスルールの適用対象を主張

ECBはこの件について手違いから公表を遅らせてしまうことになったとして、非を認めていますが、その一方でこれはチャタムハウスルールの適用対象で本来公表すべきものではないとも主張しています。

チャタムハウスルールって何? という話になるわけですが、これは会議の参加者に遵守が求められることがあるルールの一つで、UKのシンクタンク、チャタムハウス(王立国際問題研究所)で採用されたことに由来するものだそうです。

チャタムハウスルールの下では、参加者は会議中に得た情報を外部で自由に引用・公開することができるが、その発言者を特定する情報は伏せなければならないという不文律に基づいているのです。

明らかな作為的利益供与か?

しかし、シンクタンクやマスコミの報道取材などではこうしたオフレコ対応というのはありうる話かも知れませんが、事は投資にかかわる問題であり、この発言のおかげでユーロは暴落、債券相場と株価は上昇したわけで前日から知っていたヘッジファンド勢だけが儲かって、ほとんどの欧州各地の投資家は大損をする事となったわけです。

これはこの会議を利用してわざとリークがでることを想定したECBによるユーロ高・債券価格けん制政策の確信犯的行動だったのではないか? という憶測が出回りはじめています。

この手のコンプライアンス違反にきわめて近い行動をクーレ理事の独断だけではやれるはずがなく、しかもユーロドルが1.15手前ぎりぎりという6週間連続上げの段階で出されたタイミングについても絶妙で、ユーロの大幅上昇をけん制するのが狙いのECBによるやらせ説が濃厚になっています。

前倒しの話は実はたいした情報ではない?

ところで冷静に考え見ますと、今回のクーレ発言は実はたいした内容ではないことがわかります。

夏枯れ対策で前倒しにQEを行うというのは別に金融緩和の実額を増やすというわけでもありませんし、驚くべきことでもないのです。

したがってこの発言の賞味期限が問われるのが5月最終週から6月第一週の雇用統計にかけての市場の反応ということになりそうです。

今のところユーロはギリシャの件もあって続落状態ですが、大幅ショートカバーに対する調整の先にさらなる調整が加わって1.12方向に動き出すのか、そのまま続落することになるのかが注目されるところです。

ECBのQEの効果から欧州市場の経済は回復基調にあり、今後QEを加速させる必要自体がなくなっているとも言われます。また4月の債券相場の急落で多くの投機筋がかなり含み損を抱えているとも言われ、果たしてECBの思惑通りに市場が動くのかどうかにも疑問が投げかけられています。

いまや各国の中央銀行の動きや画策が市場を大きく揺るがす時代に入ってきていますが、本当にこんなことでいいのか?という大いなる疑問を感じる5月の末です。(執筆者:坂本 博)