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大きなボラティリティ状況下でのFX証拠金防衛戦略について

 ここのところドル円を中心にしてユーロ円などもボラティリティが非常に大きくなってきています。特にドル円は1日に2円程度もたいしたネタでなくても動く通貨ペアになっていますので、昨年前半のような40銭から70銭程度の1日の動きだった時の証拠金管理とは異なる方法を考えなくてはならない状況になってきています。

 具体的には3つの方法を実際に検討することが肝要となります。

<1>レバレッジをあえて下げてみる

 リスクヘッジの定石として考えられるのがレバレッジを下げてみるという方法です。1月15日のSNBショックでもレバレッジを大きくしてポジションをもっていたトレーダーが大きな痛手を受けたことは記憶に新しいものですが、たとえば25倍のレバレッジを5倍にしてみるとそのリスクは大きく変化することになります。

 たとえば、ドル円で5倍のレバレッジにしますと1万通貨に必要な証拠金は24万円ほど必要になります。これは倍率の違いで25倍のレバレッジの場合の4万8000円のまさに5倍必要になります。しかし、仮に2円相場が下落しても2万円程度の損失ですから損失実額は同じでも証拠金に占める含み損のウエイトがかなり下がる勘定になるわけです。

 ただ、1万通貨の売買に24万も証拠金を投入して投資としてそれが妙味のあるものかということは考える必要がでてくることになります。

<2>最初から1日の最大の損失を想定して証拠金を投入してみる

 レバレッジを下げたのでは投資妙味が薄れると考えるのであれば、確実な証拠金を投入して売買することに注目するという方法も考えられます。たとえば直近のドル円は1日で2円程度平気で動きますから25倍のレバレッジでもっとも相場が高いところでロングを1万通貨作ってそのまま放置しておいた場合最大2万円程度の損失がでることにあるのです。

 この2万円が証拠金額の5%内に納まっていれば一応損ぎりをしないでそのままにしておいても安全とみなされますので、2万円を5%で割ってあげれば40万の証拠金を持って、1万通貨ペアの売買をしているのであれば、たとえ1日まったく損きりをしなくても理論上は5%の損失の中に入ることになるというわけです。

 したがって1万通貨のドル円について3つのポジションを持つことを考えるのであれば、120万の証拠金を投入しておけば、まさかのことがあってもロスカットにはならず、また相場が戻るところまで待つこともできるのです。

 最近のこうした上下の動きではやたらと狭いレンジにストップロスをおくと結局相場が戻るということも多いので、こうした対抗策をとることもひとつの方法となるのです。

<3>ポジションをむやみにたくさん持たない

 <2>とも関係する話ですが、証拠金維持率が1000%を越えた状態ならば、かなり安心なわけです。大きく相場が動くときに無闇にポジションをたくさん作らないこと、また定石通りナンピンをかけたりせずに、損益管理をしっかりすることが重要になります。

 基本発想は証拠金を無闇に減らさないことですし、常に損失は証拠金の5%程度、厳密には3%以内に抑えることができれば、ここ一番のトレンドがでたときでもポジションを持つことができるというわけです。この3つの方法はどれもオーソドックスで驚くべき手法ではありませんが、こうした非常にシンプルな証拠金維持策が意外に最近のようなボラティリティの大きな相場では威力を発揮することになるのです。(執筆者:坂本 博)

1月スイス中銀ショックでFX個人投資家を助けた海外FX業者のゼロカットシステムって何だ?

 スイス中銀ショックは日を追う毎にその損害規模が大きくなっており、すでに数十億ドルのレベルへ拡大するのではないかとの見方をされるようになっています。損害のレイヤーとしては個人のFX投資家、FX証拠金会社(日本でいうところの店頭FX業者)、インターバンク、投資信託、ヘッジファンド、スイスフラン建てで住宅ローンを借りている東欧、UKの個人債務者などかなりの領域に広がりを見せている状況です。

海外FX証拠金会社のゼロカットシステムが個人投資家を救った?

 そんな中で国内のFX取引では聞きなれないゼロカットシステムというものの存在が話題になっています。

 これは国内のFX業者では適用になっていないものですが、投入した証拠金を上限として一切追証を求めないとする相対契約を結ぶことで、今回のようにFX証拠金会社がカバー先のインターバンクからプライスがでなかったり大きくスリップしてしまって想定どおりに損切りができなくなってしまったような時でも、証拠金を越えて損失がでた場合にはすべて業者が負担するという形態になっているのです。

 これは、今までそれほどすばらしい仕組みとは認識されていませでしたが、ひとたびスイス中銀の突然のオペレーション変更のようなことが起きればかなりの個人投資家保護になるということがわかったのです。

 アルパリがこのトラブルの翌日である1月16日にさっさと破綻を決めてしまったのはこうした顧客との契約から証拠金回収が不可能であることを即時に認識したからだといわれています。一部の国内報道では個人投資家の証拠金不足を業者がとりあえず肩代わりして損失をこうむったという書き方がされていますが、そもそも相対契約の約款上、証拠金を超える損失は業者が持つ旨の内容で締結がされているので、厳密には最初から業者が抱える高レバレッジでの損失リスクであるということができます。

日本の店頭FX業者の場合はどうなるのか?

 さて、一番問題になるのは日本の店頭FX業者で取引していた場合に果たして投入した証拠金内で損失が収まるのかということです。

 実は国内の店頭FX業者ではそのようなことは取引約款には一言も書いてありません。つまりロスカットがワイドスプレッドになってしまい投入証拠金以上に損失がでるような事態に陥ったときには個人投資家に追証を求めるのが基本となっているのです。

 たとえば今回のような事態が月曜日FX業者が取引を始める前の段階で起きてしまえば強制ロスカット前に損失が確定してしまうことになり、当然その不足証拠金部分について業者が支払いを求めてきて問題になることは明白です。

 ですから国内業者との取引は安心に見えてもやはり十分な注意が必要となってくることだけは肝に銘じておく必要がありそうですね。(執筆者:坂本 博)

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