タグ別アーカイブ: 経済

日経平均はどこまでいくのか? 株高の真の原因とは

 ドル円が120円を挟んで上下を続けている間、日経平均は今日も194円の上昇を示現しました。これで10営業日足らずで1000円近くの上昇を描いていることとなり、どこまで上り続けるのか、というのが市場プレイヤーの関心の的でもあります。しかし、ひとまず20000円という節目をアタックすることは間違いないでしょうが、その後もはたして無限の上昇を続けるかと言われれば疑問の余地があります

 市場関係者や専門家が日経平均がこれだけ買われている原因を探っています。GDPデフレータの数値が改善しただとか、ダウが上がりすぎていたので日経平均は割安だったとかならまだしも、円安が主だった企業の円建て連結決算を見せかけて膨らませているので株が買われているなどと言った訳知り顔の自称専門家まで某雑誌で散見される始末です。しかし、私はこの株高の原因は非常にシンプルなものだと思っています。それは「ノリ」です。

 もはや、以前のようにファンダメンタルや指標で株が動く時代は過ぎ去りました。アメリカの株価を思い出してもらえれば分かりますが、リーマンショックからの停滞後、いくら指標や決算が悪くともダウはつい最近まで延々と買われ続けていました。もちろん、金融緩和で株高へ持っていこうとする動きが背景にはありましたが、基本は買いが買いを呼ぶものです。大量の資金を有するパワープレイヤーが先鞭をつけ、普段は株について興味もない市井の人間までが株について話し始めたところが終わりです。日本株は現在、パワープレイヤーも市井の人間も総買いに回っていますが、前者が今後も同じノリを続ける根拠はどこにもありません。

 数年前、ドル円が80円から95円ほどになる過程、つまり最初にアベノミクスが叫ばれ始めたころ、日経平均が突然1000円の暴落を起こすという事件がありました。しかし、これは1週間ほど前から予兆が出ていたのです。個別株のほとんどが売られていたのにもかかわらず、日経平均寄与度の高いソフトバンクやファーストリテイリングなどの株がこれらパワープレイヤーによって強引に買い支えられていたため、見かけ上は日経平均が上がり続けているように見える、といったことが問題視されていたのです。彼らは強引に買い支える一方で、日経平均の先物の売りポジションを大量に構築し、準備が整ってから、上に上げたような寄与度の高い現物株の買いを外す、という行為に出ました。それが1000円暴落の顛末です。

 今回も同じような事件が起こるのではないか、同じような予兆が出るのではないか? と私は睨んでいます。儲けるのはパワープレイヤー、割を食うのは末端の個人投資家、という構図はFX同様に株でも同じだからです。もちろん株が大きく暴落を起こすようなことになれば、ドル円もリスクオフムード一色となり、一時的に大きく円高へ振れるかも知れません。そういった意味でも株の普段と違うような細かい動きには、注意したいものですね。(執筆者:大島 正宏)

トマ・ピケティ氏来日 ~身の丈にあった本を読もう~

 経済学者トマ・ピケティ氏が来日されていますね。ピケティ氏というと、著書の「21世紀の資本」が世界的ベストセラーになっているそうですね。私も、本屋さんで立ち読みしたのですが、専門性が高く「21世紀の資本」を読むための解説本がいるような内容で書いている事がほぼ分かりませんでした

 また、ピケティ氏の考えを引用して書いているような、社説などが朝日新聞から、産経新聞まで散乱しています。ちょっと面白いとおもったのが、朝日新聞と産経新聞とでは、ピケティ氏の考えが真逆になっており、おおよそ同じ本を読んで(同じ人の意見を聞いて)解説してるとは思えないのが、非常に興味深い所です。

 さて、我々FXトレーダーも本はきちんと読まなくてはいけません。基本な解説本から経済指標の詳しい解説、手法についてなどさまざまな本が1軒の本屋さんに行くだけで20冊程度は置いてありますね。

 どの本がお勧めというのは、ここでは書きません。なぜなら、これを読んでくれている人が、副業なのか、専業なのか、種銭がいくらなのか分かりませんので軽々には書けません。ひとつだけ言える事は、自分がどれくらいの知識があるのか、どれくらいの経験があるのかを客観的に見て、本を選ぶべきです。初心者向け、中級者向け、上級者向け色々あるとおもいます。

 ピケティ氏の本を、経済学を学んだ事のない人(私)や専門用語が分からない人(私)が読んでも理解できないのと同じで、自分の身の丈を知るのもFX取引をする上で大切だと思います。(執筆者:登 泰平)

金融抑圧政策の行方 FXユーザーが真剣に考えておくべきポイント

 アベノミクスというのはすっかり総合的な経済政策であるかのように報道されるようになっていますが、皆さんご存知のとおり、実際に行われたのは日銀による金融緩和だけであり、とくに消費税率も上がらない中で10月末に行われた追加緩和は典型的な中央銀行による金融抑圧政策の様相を呈するようになっているのです。

金融抑圧って何?

 日本のメディアでは殆ど取り上げない言葉がこの金融抑圧といわれるもので、Financial repressionという英語からきている言葉といえます。この金融抑圧とは、証券、債券、通貨といった自由市場において、政府もしくはその流れを汲む中央銀行が個別の市場における価格形成に対して干渉する行為のことをこう呼んでいるのです。GPIFやかんぽといった準公的機関を使って株価の維持や上昇を目論んだり、日銀自身がETFを買うことで日経平均を買上げたり、さらにGPIFが外貨調達と称してドル円を買上げたりするのは典型的な金融抑圧政策と呼ばれるものといえます。

金融抑圧のメリットについて

 政府にとって金融抑圧が極めて魅力的なのは、まったく痛みを伴うような財政再建を伴実行することなく、負債を多額に発行することで資金調達レベルを引き上げることができるところにあります。つまり言葉は悪いですが、財政ファイナンスを中央銀行が行っているのが実情で日本円だけを増刷して借金の穴埋めに使っているだけの話であり、追加の財政出動はしてもまったく緊縮財政で出銭を減らそうという意識も動きも全く見られない国策バブルということになります。

ウルトラ負債はハイパーバブルで帳消しが目論みか?

 すでに国内GDPの2倍規模にまで膨れ上がっている日本の負債ですが、これをもろともせずに中央銀行主導でバブル経済を牽引していことするのがアベノミクスの実態ですから、将来的にどうこの負債を解消するのかが実は大変大きな問題となってきているわけです。過去における新興国の事例や戦後の日本ではハイパーインフレを起こすことで借金を帳消しにするといったやり方を現実に経験してきていますが、実はこうしたやり方でインフレを起こさせようとしている可能性は否定できないのが現状です

制御不能の円安相場に陥る可能性も

 話を為替の世界に引き戻しますと、まったく性懲りもなくアベノミクス第二幕と称して日銀主導による金融抑圧政策は2015年も粛々と継続し、3日に1度は380億円のETF買いが起こるのはもはや間違いありませんので、米国の利上げを見込んで2015年の前半までは間違いなくドル高にシフトすることになりそうですが問題は1ドル125円を超えたあたりから制御不能の悪い円安にシフトしてしまう可能性があることについては心配しておく必要があります。

 現在行われているのは中央銀行主導で円の切り下げを行っているわけですから、あらゆる国民の円ベースの個人資産はどんどんその価値を失っていくことになることだけは間違いありません。FXユーザーとしてはやはり外貨資産をどう管理して増やすことでリスクヘッジするかについて真剣に考える年がやってくることになりそうです。(執筆者:坂本 博)

逆石油ショックと米国のハイイールドボンドバブル崩壊の為替への影響

 2014年は原油の暴落という、高度成長期には想像すらしなかったような事態が起こり、為替相場にも大きな影響を与えています。すでにマーケットでは逆石油ショックと呼んでこの事態の推移を見守っている状況で、年末にかけては一旦原油価格も1バレル当たり50ドル台で小康状態を保っていますが、まだ落ち着いたとは言い難い状態が続いています。原油の下落当初は、エネルギー消費コストの削減で、米国では減税効果さえ見込めるとのことからドルが上昇し、株価もそれを歓迎しポジティブな反応が金融市場を覆っていましたが、徐々にその状況に変化が見られるようになっているのです。

OPECの目的はロシア、イラン包囲網とともに米国シェールガス潰しが本命

 OPECはこの間、一貫して原油精製の減産を否定し続けていますが、一説によればこの原油安はサウジアラビアと米国が組んでロシアとイランに制裁を与えているともされていました。しかし最近になってOPECはあからさまに米国のシェールガス潰しが大きな目的の一つであることを示唆しはじめており、その矛先は明らかに米国のシェールガス産業に向いていることが鮮明になってきています。

ロシアルーブルは年初来2倍の対米ドル単価まで下落

 この原油安とリスクオフの流れを受けて、もともと流動性が低く、信用力に乏しいロシアルーブルは対ドルで年初来のほぼ2倍の価格にまで下落し、国内経済は猛烈なインフレに直面する事態に追い込まれています。

 その後ロシア中央銀行の6.5%におよぶ異例の利上げ措置と実弾による為替介入によりかなり最悪の事態からは株も為替も大きく戻していますが、まだ完全な決着がついたわけではないのが現状です。

ロシアの原油安容認姿勢でエネルギー系のハイイールドボンドに大幅な売り

 原油価格がほぼ半額になった状況ではありますが、ロシアの原油供給会社はほとんど供給価格を米ドル建てで受け取っているため、この間にさらに半分の価値まで下落したルーブルに交換した場合、実は殆ど影響を受けていないという事実も浮かび上がっています。むしろロシアはこの原油安に容認姿勢を見せていることから、米国のシェールガス関連のジャンク債を国内のヘッジファンドがこぞって売り浴びせを行うこととなり、エネルギー系のジャンク債は大幅下落に直面しているのです。

プーチンの狙いは原油安容認で米国のシェールガスとジャンク債バブル潰し?

 転んでもタダでは起きないプーチン大統領はこの混乱を逆手にとって国家破綻を賭けて米国のジャンク債バブルを崩壊に導こうとしているのではないかという説さえ有力になりつつあります。

 12月初旬にJPモルガンチェースのアナリストが発表した見通しによれば、原油価格が1バレル65ドル以下となりその後3年間この水準を維持することを余儀なくされれば絵ねグリー関連のジャンク債の最大40%が向こう数年でデフォルトに陥る可能性があると予測しています。このエネルギー関連ジャンク債はハイイールド債のほ簿18%を締めており、一旦日がつけばサプブライムローン問題の二の舞になる可能性もでてきているのです。

事はロシア危機の問題から米国経済の問題へ

 OPEC首脳はこの間も余分な発言を連発しており1バレル40ドル台になっても減産しないといった発言に加えてサウジアラビアの当局者からは20ドル台でも減産しないと具体的な数字が飛び出していることから、市場では逆に投機筋がそれを試しに行く動きになるのではないかとも見られており、2015年年明けはまだ依然として原油暴落の絡むテールリスクがうごめいている状況にあります。

米国利上げでドル高円安シナリオにブレーキがかかる可能性も

 現状では誰しもがドル高を予想する状況となっていますが、このテールリスクが顕在化すれば、リスクオフから円が大幅に買い戻される可能性もありますし、そもそも慢性的で13兆円を超えた貿易赤字自体が解消し、実需としてのドル調達が減ることも予想されるのです。

 単なる原油価格の下落として捉えられたこの問題ですが、動き次第では西側、とりわけ米国経済に深刻な打撃を与えるネガティブファクターを抱えていることだけはあらかじめ理解しておく必要がありそうです。