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欧州発のグローバルアンワインド市場に要注意

欧州の株式市場と債券市場に大きな変化が出始めています。もともとQEの賞味期限はいいところ3か月で長く続いて6か月を言われ、日本のBOJのQEなどは完全にその効果が剥落してしまっていますが、どうやらECBのQEにもその時期が訪れかかっているようです。

急変する欧州の株式と債券市場

欧州株はここのところ大相場を継続させてきましたが、ドイツのDAX指数は昨年10月16日からなんと+48.3%の上昇を記録したあとに4月末からリカクの売りに押されるようになり既に4月10日の高値からは8%近い下落となっています。

この動きはフランス、イタリアも同様で株価上昇に完全にブレーキがかかり始めています。この動きと連動して債券金利は猛烈に上昇しはじめており、流れが変わり始めたことを示唆しています。とはいえ、金利自体はまだまだ日本の10年債のレベルと同様ですから凄い状況ではないのですが、とにかく流れが変わり始めていることは間違いないようです。

金融関係の要人の発言もこれを加速

新債券王の異名をとるダブルライン・キャピタルのお馴染み・ガンドラックCEOはドイツ2年国債を100倍のレバレッジをかけて空売りすればリターンは20%と発言しているし、元PIMCOのビル・グロスは

『German 10yr Bunds = The short of a lifetime. ドイツ国債は、生涯最大の売り場』

とツイッターにつぶやいて、その後市場がぐんぐん値を下げている状況です。

米国GDPやFOMCが日経平均の下落原因ではない

流れとしてはドイツのCPI上昇からユーロ圏のデフレリスクが逓減し、ガンドラックをはじめとする金融関係者の売り推奨もあって大規模なまきもどしが始まり、独金利急騰、日欧株安、ユーロ買戻しで日本株もアンワインドが正しいメカニズムとなっていることは間違いないようです。

5月は例年荒れ相場ですが、今年も調整は免れないようで、ユーロの巻き戻しを為替相場の視点だけで一過性を見ていると大きな怪我をすることになるかも知れませんね。(執筆者:坂本 博)

欧州株式市場と国債金利がユーロに与える影響について

 連日高値を更新して話題になった欧州株式市場ですが、これは言うまでもなくQEの影響といえます。しかしこの株高がユーロに微妙な影響を与えようとしていることに注目しておく必要があります。現状では米国経済指標が軒並み悪いことからドル売りでユーロ高になる局目がでていますが今後ユーロが自律的に高値を更新していく可能性がでてきているのです。

株高で金利のつかないドイツ国債から株式市場に資金シフトの恐れ

 それはマイナス金利になりつつあるドイツ国債などから株式市場に資金が大幅シフトしてく可能性が出てきているからです。マイナス金利となる国債を保有していても意味がないことから国債を買っていたマネーが株式市場に移行することとなれば、当然ドイツをはじめとする国債金利は上昇に転じることとなり、これが自律的なユーロ高を生み出す可能性につながっているのです。

ユーロドル1.1付近で何度も止められた背景は外準のリバランスか?

 過去1ヶ月あまりユーロドルは1.10500あたりで何度も止められそれ以上上値を試すことができずにいますが、これは一説によると、どこかの中央銀行の外貨準備のリバランスからこのレベルで大量のユーロ売りが出ているためだという話がもちあがっています。

 以前にも書きましたが外準は完全な買いきりダマですから非常に市場に対するインパクトが多く、しかもそのボリュームが大きなものとなるため、相場に対する影響もかなり大きくなる傾向にあります。

ユーロは当座のダブルボトムをつけた可能性あり

 ユーロはドルに対してパリティとなる可能性を引き続き残していますが、一旦底打ちをした可能性もあります。1.05に迫るところでは買いも入り、簡単に1.04方向まで落ちていかない状況です。

ギリシャ問題は可視化されており市場は織込みはじめている

 ギリシャのデフォルト問題は引き続きユーロの頭を抑えるリスクにはなっていますが、すべての状況は可視化されているだけにテールリスクにはなっておらず、仮にデフォルトとなってもその影響はかなり軽微なものになる可能性が出てきています。

 最近のドイツをはじめてとする経済指数は比較的いいものが多く、引き続きドイツ経済が堅調であることを示しています。今後QEの影響でユーロが一方的に下げるかどうかは微妙な状況で、ドイツをはじめとする金利の動向に注視していくことが肝要といえそうです。 (執筆者:坂本 博)

ギリシャの時間切れ迫る イースター明け一体どうなるのか?

 欧州圏はすっかりイースターの連休に入っていますが、その中で決着がついていないのがギリシャの債務問題です。去る3月23日の英国フィナンシャルタイムの一面にはギリシャの国庫が4月8日には空になるという記事が一面にでかでかとでてその危機的な状況を煽っています。

 ギリシャが抱えている状況を事実だけ整理して起きますと、IMFへの利息返済450億ユーロが4月9日に迫っており、これが本当に支払えるのかが市場の大きな注目ポイントとなっています。ギリシャは支払い不能説を必死に打ち消していますが、一説には債権者を集めて支払い不能であることを既に説明しているとしており、これがどうなるのかが4月5日の週の最大のポイントとなります。

 本来3月31日までに公務員賃金と年金の支払い1700億ユーロの支払いも迫っていたはずですがこちらのほうは今のところ不払いにはなっていないようで、この間常にお金がないといってはなんとか支払うとい不可思議な状況が続いているのがギリシャの実態です。

 ギリシャ政府は当座のつなぎのために独自紙幣を発行して国内での支払いに対応しようとしているようですが、そうした対応で事態が収まるとは思えない状況です。

 現状ではギリシャがロシアと結びつくことを安全保障上大きなリスクと考えるドイツの歩み寄りにより単純なデフォルトはなさそうですが、ギリシャ国民はまったく税金を支払っていないようで2014年末で760億ユーロが滞納、本年1月でだけも10億以上予定納税額を下回る状況が続いているようす。一旦デフォルトリスクを免れてもまた同じことが巡ってきそうです。

 直近ではユーロがこの状況にほとんど反応しなくなっていますがギリシャのデフォルトが決定すれば一旦売られてあと大きく買い戻しになる可能性もあり、為替の動きは慎重にチェックしておく必要がありそうです。(執筆者:坂本 博)