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日経平均2万円達成で為替にはどんな影響がでるのか?

 日経平均は瞬間ではありましたが10日の相場の朝一番に2万円を回復することができました。さて、ここからどういうことになるのか?この先の見通しと為替に与える影響について考えて見ました。

米国相場の先行き不透明にもかかわらず日経平均続伸、ドル高継続

 4月3日の雇用統計の内容を見ると米国の経済が本当に一人勝ちなのかかなり疑念を抱かざるを得ない状況になっていますが、イースター明けの為替相場は前週以上にドルが勢いを盛り返しておりドル円は120.60円を突破し、日経平均も10日に瞬間的に2万円を超えて週明けには終値で2万円をつけるのも時間の問題となってきています。

 これが一体どこまで続くのかが今後の問題となることは間違いなく、米国の利上げの後ずれもあって6月に向けて一旦押し目をつくるのかつくらないのかも気になるところとなっています。

国内公的資金買い余力は27兆円以上温存

 BNPパリバの試算によりますと公的資金と呼ばれる筋の資金余力は以下のようになっているようです。

GPIF 7.1兆円
共済年金 3.4兆円
かんぽ生命 3.4兆円
ゆうちょ銀行 10.3兆円
日本銀行 3兆円

 このうちGPIFはどうやら3月までにこのうちのほとんどを使ったようですし、日銀も既に6000億以上使っていますので22兆円強が残りとなりそうですが、郵貯銀行は相場観と関係なく買い上げていくという驚くべき方針をもっているようなので、まだかなりの買い余力があることがわかります。

 さらに民間の自社株買いが年間で4兆円程度試算されているようですから27兆円程度のお金が投入される可能性は高く、年末に向けて2万円より上方向にいくことはほぼ間違いのない状況に見えます。

ドル円はただリニアにはついていかない状況

 最近の貿易統計を見ていますと原油価格の下落で赤字幅が1.1兆円も減っており、需給の面から考えるとこれまでのような円安が進みにくくなってきていることが示唆されつつあります。

 また米国の大統領選挙に合わせて共和党、民主党からこぞってドル高けん制が出ることになるのは間違いなく、秋口からこうした動きが強まると株価にあわせドル円が上げても
せいぜい余力は4円程度(124円前後)で株価上昇には簡単にはついていかない可能性が高いとも思われます。

 さらにエリオット波動分析ですでに124円のピークに近いところまで来ているとすれば逆方向に円高が進む可能性もあり、一方通行で円安を期待するのはかなり難しい状況となっています。

ヘッジファンド勢は売り場探し

 大方のプロの投資家であるヘッジファンド勢は米国経済の変調局面を捉え、どこを売り場にするかかなり真剣に模索中との話が伝わってきます。つまりそのまま調整がなく上方向を目指さないと思っているプレーヤーが結構いるわけですから、特に4月後半から5月にかけて一旦押し目が発生する可能性があることだけは念頭において売買をしていく必要がありそうです。米国の株価の大幅調整は否応なくドル円の円買いに動くことは間違いありません

 官製相場になってからほとんど株も為替も押し目を作らないため価格での調整ではなく日柄で調整することを余儀なくされるようになっており、長い膠着相場が昨年もこの時期から始まっています。果たしてこれがいいのかどうか良くわかりませんが、とにかく下では買い支える人間がいることは間違いありませんから、突っ込み売りも難しい状況です。ただしそうした状況を超える下落局面が発生することも一応は想定しておく必要がありそうです。

 普段相場に関係のない人まで相場の話をし始めた時には一旦手仕舞いや逆張りを考える必要がありそうですね。つまり上昇局面のシナリオとともに下落局面のシナリオについても日常的に意識しておけばまさかの時にもしっかり対応できるということになるのです。(執筆者:坂本 博)

チャート形状予測ツールは使えるか?

 最近多くの店頭FX業者が無償で提供し始めているのがチャート形状予測ツールと呼ばれるもので、各社名称は異なりますが、過去のチャートの形状をデータとして保存し、現在のチャートと類似した形を最大3つまで表示して確認できるようにしているものがほとんどとなっています。

 インヴァスト証券ではらくらくテクニカル、外為どっとコムではぴたんこテクニカル、FXプライムbyGMOではぱっと見テクニカル、セントラル短資FXではみらいチャートといった形で異なる名称をつけていますが、実はこれはセンティリオンという金融工学の専門会社がサードパーティとして各社に提供しているほぼ同じソリューションなのです。

ひとむかし前はヘッジファンドだけが利用していた高レベルのお宝ツール

 こうしたチャート形状分析ツールというのはちょっと前まではヘッジファンドなどだけが利用していたもので、莫大なビッグデータを保管して形状のチェックをしなくてはならない特別なものだったのですが、いまやこうした非定型データの検索とマッチングをネット上で簡単に表示させることができるようになったので実現した結構画期的なツールとなっているのです。

人が売買している以上、動きが似てくることは確かにある

 このチャート形状分析ツールでは近似値のチャート3つを提示してくれることになります。確かにぴったりあたるということはなかなかないのですが、3つのチャートで提供された予測される動きに近い動きになることは結構頻繁にあり、馬鹿にできないものとなっています

 もちろん相場のレベルの問題などとも関係しますし、昨年の5~6月ごろのボラティリティがすっかり無くなってまったく動かなくなったレンジ相場のような環境下では分析してもほとんど何の示唆も得られないということはありましたが、9月以降の上昇の動きではそれなりに参考になる部分もありました。

なにより毎日チェックしてみることが重要

 こうしたテクニカルツールの場合、漁師さんが夕焼け空を見て翌日の天気を判断するのと同じように、とにかく頻繁に使いこんでどういう時に的中精度があがるのかをしっかりつかむことが重要になります。

 ヘッジファンドのような投資のプロであってもチャート形状を気にしてきたというのは、結構大きなヒントであり、それなりの使い勝手を示唆するものといえるのです。特に最近のような官製相場が続きますとオシレーター系のテクニカルチャートがうまく使えないことも多いため、こうしたテクニカルツールが活躍する場も多くなってきているのです。どこの業者でも口座を開設すれば無償で使えますので一度試してみるのがお勧めです。(執筆者:坂本 博)

テクニカルチャートに依存しすぎないプライスアクショントレードの重要性

 2014年という年は為替の世界ではチャーティストにとっては極めて受難の年であったということができるのではないでしょうか。日銀主導の金融抑圧政策、つまり官製相場の履行は、株も為替もまともな押し目を作ることがなく、特に為替ではドル円105円のオプションをはさんで上下するタイミングで多くのチャーティストが下押しの可能性を示唆したにも係わらず、下押しはまったく見られず秋口からの暴騰に繋がってしまい、方向性を見誤ったトレーダーも多かったことと思います。

 本来押し目ができれば反発要因もあるため、買いのポイントを定めやすいわけですが、GPIFと思しきPKO集団がなんの脈絡もなく資金を投入してくるとチャートの形状は崩れ、しかもオシレーター系のチャートは悉く使い物にならなくなり、テクカルチャートを利用したが故に結果として騙しにあったトレーダーの方も多かったはずです。
しかし、いくらこうした相場の状況を憂いてみても、それが現実ですから、個人トレーダーとしてはしっかりとした対抗措置をとる必要があります。

プライスアクショントレードに集中してみる

 日常的にテクニカルチャートを見続けていますと、どうしてもチャートの発するシグナルに影響されて売買してしまうことが多くなるものですが、毎日一定の売買方針を立てるときにはいくつかのチャートをしっかり見ることにしても日常的な売買は最低限のチャートだけを表示して、あとはプライスアクションを見ることで勝負するというのが、意外に効率的な売買方法になることもあるのです。

 具体的には、次のような方法をとっていくことになります。まず毎朝トレンドラインを引いてみて、相場の方向感を把握します。さらに前日の高値、安値、終値を水平線に表示して、それ以外は最低限の移動平均線などだけの表示でプライスアクショントレードをしてみるというのがこの手法です。基本的には相場を一定時間見続けていく必要がありますが、何度上値をトライしても突破できないラインや、下値でもしっかりしたサポートラインが見えてくると、前日の価格の上下幅との関係でどちらに動きそうなのかが意外に見えてくるのがこうした手法の面白いところなのです。

価格の動きに集中すると次の一手が見えてくる

 FX取引の実に57%が日本人トレーダーによるものであると言われ、しかもその日本人とレーダーの実に8割以上がドル円に集中しているわけですから、少なからずドル円の動きに日本人の個人投資家の動きが影響を与えていることは間違いありません。したがって特に東京タイムになるとドル円はレンジ相場になりやすく日本人投資家独特の逆張りも増えるのが一つの傾向になります。

 しかし世界的なFX取引需要のもっとも大きなロンドンタイムになるとインターバンクのディーラーをはじめとして日本時間の午後3時すぎまで動いてきた方向と異なる方向に大きく動き出すことが多いのです。特に東京タイムで年初来高値などを記録した場合には悉く反対売買で攻めてくることが頻繁にあります。こうした流れも相場のプライスアクションの集中することによって判ってくるのです。

 ロンドンタイム以降はあくまでも順張りで相場についていくことが大きな利益を得るポイントになります。これはドル円に限らないことで、あらゆる通貨ペアがオーバーシュート気味に動きやすくなりますから、圧倒的に順張りが有利になるのです。こうした参加者の違いによる相場のセンチメントの変化もプライスアクションで把握することができるのです。

官製相場を乗りきるにはこうした相場自体から動きを察知する目利き感を養うべき

 国の都合で株価や為替相場を間接的に介入するかのような現在の官製相場では、とにかく最大の手がかりになるのは相場自体の動きとなります。ただし、逆方向に動き始めれば、市場のバーゲニングパワーのほうがGPIFや日銀の買い支えよりはるかに大きなものになることは間違いありません。したがってトレンドがでていることを妄信するのも大きなリスクとなることはあらかじめ認識しておくことが必要でしょう。(執筆者:坂本 博)