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9月以降の現政権の政策は円高ファクター満載

現政権は支持率回復のために補正予算を組んで参議院選挙を睨んだ取り組みに出ようとしているようですが、この補正予算による財政出動というのは確かに市場に金をばら撒くいい機会にはなるのですが、これは実は1999年にノーベル賞を受賞したマンデルフレミングの法則からいえば円高ファクターになってしまうのです。

マンデルフレミングの法則とは?・・

この法則によれば財政赤字が拡大すると実質長期金利が上昇し、設備投資や住宅投資が減少するクラウディング・アウト効果なるものがでるとされています。

また実質長期金利が上昇すると国内への資本流入圧力が生じて自国通貨が増価し、輸出が減少して輸入が増加するためGDPが減少するのが定石となるのです。

したがって為替の変動相場制のもとで景気回復や雇用を増やすには、財政政策よりも今BOJが行っている金融政策が効果的だというのがその骨子になりますが、財政支出を増やせば結局日銀のQQEをスポイルすることになり、為替は円高に向かってしまうというわけです。

原発再稼動は原油安も伴ってこれまた円高ファクターに

桜島からたった52キロしか離れていない川内原発をまんまと再稼動してしまった現内閣ですが、これも貿易赤字の減少を加速させることになり今後原発が次々再稼動すれば最盛期には年間13兆円あった貿易赤字はすっかり解消することからまたまた円高ファクター再現となることが容易に予想されます。

日銀が主体的に行っている金融抑圧政策との整合性を一体どなたが考えているのか知りませんが、もしかするとこの調子でいけば年末円高で終わる可能性もでてきていますし、デフレもまだ決して抜け出られているわけではないことを強く実感する最近の動きです。(執筆者:坂本 博)

原油の動きがわかってきた? ドル高と原油安の相関性

 先日いったん大幅な上昇を遂げ、ようやくリバウンドが起こったかと思いきや、今日は再び50ドルを下回って下落を開始。以前ならば原油高の原因になっていたような、イエメンの政情も現段階では全くリスクとはとられていないようです。とはいえ、ここにきて新たに「相関があるのではないか?」と言われるものが出てきました。それがドルです。どうやらドル高と原油低がリンクしているようなのです。

 確かにドルインデックスと原油の週足チャートを見てみると、ドルも原油も共に昨年の6月中旬から大きな動きを始めたことが分かり、共に現在までほぼノンストップで上昇と下落をそれぞれ描いています。これまでも相関があるのではないかということは指摘されていましたが、今日の大幅なドル高(円安・ユーロ安)で上昇していた原油が一気に下落したことによって、市場でも原油がファクターとして改めてしっかり認識されるようになったといったところです。

 ドル高と原油安が相関を見せるようになった原因ははっきりとはしていませんが、事後的な説明を加えるとするならば、リスクオンとして買われる商品先物(金・原油)と、リスクオフ局面で買われるドル(資金の退避先)が反比例を起こしている状態です。

 しかし、昨今ニュースでも騒がれ始めたとおり、ドル高はアメリカの株安を起こす原因となっており、すでにドル高で予想以上にアメリカの景気が実体経済の勢いが削がれているのではないかという指摘もあります。つまり、今後原油が上がる状況というのは、アメリカ経済が予想以上に良かったことが示されアメリカの株安が止まるときか、ユーロに何か良いニュースが出てユーロ高に振れるときのどちらかでしょう。また、今日のドル円のドル高局面での大幅な上昇をみても、やはりこのドル高が崩れた時(つまり原油の値が上がるような時)の反動には、ドル円プレイヤーとしても備えておきたいところです。(執筆者:大島 正宏)

原油は反発するのか? 答えは金相場に学べ!

 最近「原油反発」、「原油大幅高」という文字をニュースで見たことのある方は多いと思います。しかし、安易に買うのは考え物かも知れません。

 WTI先物チャートを見ると、1月下旬の43ドルを下値メドに一端55ドル近くまで上昇をしましたが、再度49ドルにまで下がってきています。30ドルから40ドル圏内は2009年にリーマンショックが発生した時、140ドルから一気に暴落したあと100ドル超まで再度反発していった地点でもあり、月足レベルで抵抗があります。底堅いのも無理はないでしょう。

 ではここで買うのか?

 それも妙案だと思います。短期的にはどこかで一度底入れするでしょうし、長期的にみてもせいぜい底は1990年から2000年までずっと維持されてきた20ドルだからです。しかし、数か月スパンでの反発を期待はしない方がいいというのが私の見解です。

 それは、同じメジャーな先物商品である金相場の歴史を思い出していただければ分かると思います。金相場もバブルで一時期400ドル程度から5-6年かけて1800ドルまで上昇したことがあります。

 当時はギリシャ危機のせいだとか、中国とインドの需要増だとか、最もらしいことが言われていましたし、2000ドルまで行くなどという勇ましい見解も出ていましたが、2012年半ばに500ドル近く崩壊すると、それ以後は2013年の年明けから約2年間、延々と1200ドル圏をさまよっています。

 なぜでしょうか? 一体、中国とインドの需要はどこへいったのでしょうか?

 相変わらずこの2か国は活発な経済成長を続けていますし、まさか需要が消えるわけもありません。答えは簡単です。株や債券の方に投資妙味が出て、金は投資対象として飽きられてしまったからです。

 2年以上1200ドルを維持している金を底堅いとみるのか、投資妙味がないとみるのかは皆さんの自由です。しかし、振り返って原油を見たとき、原油生産国が原油の産出スピードを縮めることはない、と宣言しており、かつ代替エネルギーが再び着目を浴びている今、はたして機関投資家の目に原油がおいしい投資商品として映るのかどうかは、疑問といったところです。(執筆者:大島 正宏)

節分天井は本当? 2月に潜む5つのリスク

 いきなり月初からドル円は窓空けで始まっていますが、どうも節分天井とは行かないようで、2月はドル円に限っていえば下押しリスクもそれなりに想定しておく必要があります。現状で考えられるリスク要因としては次のようなものが想定されます。

リスク1. 米国経済指標

 企業決算は思わしくなく、しかもひどく低い数値の出る指標が目で地始めた米国経済に注目が集まります。6日はさっそく雇用統計がでますが、雪の影響は伸びない賃金単価でまた下押す可能性も残ります

リスク2. ロシアの不穏な動き

 ロシア中銀はこともあろうに通貨防衛放棄ともとれる利下げを実施し、一部の外資系ファンドからは、プーチンは意図的なデフォルトをするつもりか? との声も聞かれ始めています。

 実際中国筋の分析によると年明けから経済関連の報道がぱったり止まっているそうでなにかある前兆かもしれません。98年ドル円はロシア破綻で約17円下落していますから今なら100円に逆戻りもありうるという恐ろしい話です。

リスク3. ギリシャまさかのEU離脱

 ギリシャ急進左派連合と保守の連立内閣のチプラス首相は就任直後からトロイカや周辺国との間で合意していた自国の港湾売却をいきなり反故にしトロイカとの折衝も拒否しています。当初はEUに残ることを前提にしていると言われましたが、このチプラス氏、昨年5月のクリミア選挙後西側諸国の人件としてはフランスの左翼党首を二人だけのこのこロシアに出向いて祝賀会に出席してプーチンとの距離も近いといわれています。今ロシアがギリシャを助けられるとは思えませんが、EUとの交渉にプーチンのカードをちらつかせてくる可能性は十分にあり2月末のギリシャとトロイカの交渉結果には注意が必要です。

リスク4. MIT学派の理論的支柱ローレンス・サマーズがダボス会議で利上げに反対

 日本では人質騒ぎのニュースにすっかりかき消されたダボス会議ですが、今年のこの会議で注目されたのは、ローレンス・サマーズ元米財務長官とゴールドマンCEOのディスカッションでした。

 ローレンス・サマーズは、「脅威がはっきりするまではインフレとの闘いを始めるべきではないし、それはまだまだ先のこと。圧力が差し引きでデフレの方にかかっている限り、行動を考えるべきではない」と発言して大きな注目を浴びています。

 というのも現在のFRBのマジョリティを占めるMIT学派の理論的支柱がサマーズの長期停滞論とバブル容認論であり、このサマーズが利上げは難しいと言い出していることにFRBがどう反応するかが注目されているからです。まだ利上げまで時間がありますので次回3月のFOMCまでは憶測から株と為替が上下することも考えられます。

リスク5. 日本のPMIまさかのマイナス?

 そして問題なのは国内のPMIです。原油安を受けてまさかの実質マイナスの示現も夢ではなくなってきています。特に2月より3月が危ないと言われていますが、2月に兆候が見られれば少なからず円には影響がでるはずです。

 ということでリスクをあげたらキリがありませんが、どうも為替は2月が節分天井とはいかないファクターが山積している気配です。くれぐれもご注意を…(執筆者:坂本 博)

原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変

原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変~1月22日ECB理事会後もしくはギリシャ総選挙後のユーロ急激な買戻しに注意

 1月に入ってからとにかく金融市場はマイナスの要素だけが噴出するようになっており、市場の状況を見極めるのが極めて難しくなっています。そんな中でも気にしておかなくてはならないのがヘッジファンドを中心とする投機筋のこの間の投資失敗に伴う損失補てんのための金融商品の換金売りの動きです。本来ECB理事会自体での動きが注目されてきたのがこれまでの市場状況ですが、昨今の状況を反映してこうした損の穴埋めに絡む投機筋の予想外の動きに十分な注意が必要になっているのです。

為替市場で膨大なポジションが維持されているドル円ロングとユーロドルショートは要注意

 SNBの1月15日の声明の裏事情として、いよいよECBが1月22日に量的金融緩和に踏み切る可能性がかなり高まってきていることがあげられますが、現状ではヘッジファンドの原油価格暴落に伴う損失とスイス中銀関連での損失の補填のためにこうした為替ポジションの売却が利用されるのではないかとの憶測が急激に強まっています。

 ただ、ECBの発表は22日、ギリシャの投票が25日ですから、この二つが終わるまで巻き戻しがくるタイミングはお預けとなりそうで、19日からの週でもっとも先行するリスクが高く、注意が必要となっているのがドル円ロングのまき戻しと考えられます。

ヘッジファンドの換金売りはレベル感無視で一気に全額決済が基本

 昨年から今年にかけては商品先物系のヘッジファンドの解散が多く見られ、投資商品の換金が相次いでいることが市場にも既に影響を与えていますが、今回のスイス中銀ショックはそれをはるかに越えるレベルであるため、商品系ファンドのみならず広範な投機筋が損失を抱えることとなっています。それだけに現状でたっぷり利益の乗っているポジションから売却をかけていくことはほぼ間違いない状況といえるのです。

 したがって22日のECB理事会前に換金売りのターゲットとなりやすいのはやはりドル円ということになるでしょう。ちなみにCFTCが16日に発表した1月13日時点の建玉報告では、CMEの通貨先物市場で投機筋の円のドル円のロングは売りと買いの差し引きで9万4625枚の売り越し・つまりドルロングとなっており542枚増加しています。

 もちろん1月15日直後に売られている分もあるはずですが、秋口の1ドル105円程度から買いにしていてお10円以上の利がのっているのは間違いなく、売りの対象となる可能性は考慮しておくことが必要となります。

今回のスイス中銀関連での損害は2001年9・11を上回る?

 現状では、損害金額の総額は推定するすべもありませんが、投機筋がかなりやられていることは間違いなく、損失が確定次第、資産売却が加速する可能性がでてきています。1月後半はこうしたイレギュラーな取引の流れにくれぐれも注意をすることが重要です。とくにロンドン市場の動きは細心の注意を払うことをお勧めします。(執筆者:坂本 博)