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中国人民銀行の切り下げは米FRBと事前に話しがついているという噂

8月は11日の突然の中国人民銀行の利下げ以来、連日中国ネタで相場が下落する展開となっていますが、実は、これは切り下げの約3週間前からFRBと中国人民銀行により米国の9月の利上げを前提とした政策協調があったのではないかという説が俄かに有力になってきているのです。

もちろん中央銀行同士が秘密裏に話をしているわけですから真偽のほどを確かめようはないのですが、確かに米国の金融当局サイドからはPBOCの一連の切り下げの動きに対してなんらけん制発言はでてきていないのが実情で、これにて一旦の米国9月利上げに備えた人民元切り下げの第一ラウンドは終了し、続きは利上げ後のタイミングに持ち越されることになりそうとの見方も広がっています。

ドル高についていかれなくなった人民元

中国人民元はペッグ制をとっておりこの間のドル高に一貫してついて人民元高を示現してきましたが、過去20年間以上に及ぶ7%超の高度成長はさすがに息切れしてきていろ、設備投資などの固定資産投資もすでに終焉の領域を迎えることとなってきています。このままGDP比50%以上の設備投資は無地で投資依存型の経済構造が既にかなり終了にさしかかっていることを示唆しているといえます。

ここ2年ぐらい続いてきた外需から内需主導の経済もなかなか難しい局面を迎えていることを示唆する状況となっているのです。実際の成長率は3%なのか4%なのか国の発表する統計だけではさっぱりわかりませんが、輸出の不振が大きくなってきていることも元の切り下げで対応せざるをえない大きな要因といえます。

FRBはまだ9月に金利引き上げの可能性を残す

今この状況で利上げをして大丈夫なのかという大きなリスクは残りますが、中国の元切り下げをFRBがすでに事前協議で織り込んでいるとすれば、まだ9月実施のカードは残されているということができます。

しかし9月は例年米国の株式が最も下がる時期ですから、そのタイミングにあわせて本当に利上げを実施するのかという疑問は引き続き残ることになります。ジャクソンホールではフィッシャー副議長を入れたパネルディスカッションも公開されるようですから、同氏の発言がどのようなニュアンスになるかも注目されることになります。

但し、先延ばししても実施チャンスはどんどん削がれていくことだけは間違いないようですから、これで9月利上げができなければ年内利上げなしという選択肢も想定しておくべき時期にさしかかってきているともいえるのです。とにかく9月のFMOCまで相場は荒れそうな気配です。(執筆者:坂本 博)

8月後半の注目点は中国と原油価格

週空けの東京市場はお盆が明けたといってもいまだ夏休み気分が抜け切らない雰囲気ですが、そんな市場に大きな喝をいれる自体となっているのが中国と原油価格の推移です。


Photo 新華社日本語版
http://jp.xinhuanet.com/2015-08/14/c_134517291_3.htm

実は人民元の切下げより市場インパクトが大きかった天津の爆発事故

当初天津の爆発事故は単なる事故ではないかと思われていましたがその被害の甚大さはかなり中国経済に痛手を与えているようで結果論からいえば4.6%程度の人民元の切下げよりもはるかに大きなインパクトを市場に与えているようです。

上海市場は18日に6%以上の下げを記録していますし、さらに人民元の切下げも加速するのではないかといった疑心暗鬼がかなり市場を覆う形になっています。実際もともと経済統計も嘘か本当かよくわからないのが中国ですから、どう注意をするかが難しい問題ではありますが、中国発でなにかさらに市場を下押しする要因が示現する可能性は疑っておいたほうがよさそうです。

上海株式市場はまたしても下方向を模索中

WTI原油はまさかの40ドル割れも

また原油価格も秋口には60ドル以上に戻るとの楽観論がありましたが、イランの原油再輸出の話が浮上して以来価格は下がり続けており、こちらもここまで来ると一旦は40ドル割れを試さないことには底値を確認できない雰囲気となってきています。

新債券王でおなじみのダブルラインキャピタルのジェフリーガンドラックは原油が1バレル当たり40米ドルまで下落するなら、世界がおかしくなると発言するとともに経済だけでなく、地政学リスクも高くなると今年の1月に早々と強調していましたがそれが現実のものになろうとしています。

また、米10年債利回りは1%まで下落するとも予測していますが、こちらはまだそこまでにはなっていないとしても原油価格が世界的なインフレの抑制に寄与していることは間違いなく、これで本当に9月利上げできるのかという話がまたしてもぶりかえす局面になってきています。

いずれにしても中国と原油価格は今後の為替の動向に想像以上に大きなインパクトを与える可能性が高く、まさかのときのためにしっかりタイトなストップロスを置いて売買していくことがより肝要な時期にさしかかってきています。(執筆者:坂本 博)

人民元切り下げでユーロシフトの理由とは

お気づきの方も多いと思いますが、8月11日の中国による人民元の大幅引き下げを受けた国際金融市場の混乱状態の中で安全逃避のためにユーロ資産シフトが顕在化しています。これまで安全資産といったときにまっさきにユーロなどとはならなかったことがほとんどですが、今回の中国の件では明らかにユーロ買いが目立つようになっているのです。この理由をさぐってみました。

まわりまわってユーロ買いという複雑なロジックが展開中

人民元の切り下げは当初はドル高を加速させることになりましたが米国市場には、FRBの9月利上げここへ来てかなり怪しくなってきていることに加え、中国のいわば金隣国窮乏政策に対抗するためアジアの新興国が挙って通貨安競争の構えを見せるようになっており、かなり状況が微妙になっていることが大きく起因しているといえます。

特にこのままドル高加速が継続した場合には米国経済への悪影響は免れない状況で、元の切り下げで中国からの対米輸出の再拡大が進むようなことがあれば米国の企業・雇用への打撃も避けられなくなるため、米国がドル高をけん制する可能性は極めて高くなってきていることから、ここではあえてドルに流れずに割安感のあるユーロへと回帰する動きが顕在化しているのです。

ドイツ国債買いが加速で金利低下なのにユーロ買いという複雑構造

安全資産逃避のためのドイツ2年債への買いも急激に進んでおり、独2年債金利は、12日には-0.290%と過去最低水準にマイナス幅を拡大させることとなりました。
これまた分りにくい構造ですが、ドイツの金利が大幅低下しているのにユーロが上昇している理由としては、完璧にこれまでリスク時の逃避通貨として機能してきた円の代わりの安全逃避の受け皿になってきていることに加え、これまでの大量なユーロ売りのポジションのまき戻しが根底にあるものと見られます。

こうしたユーロ回帰というのはすぐにはなかなかそのロジックが分りにくいものですが、実はこのような回りまわった発想がユーロドルにおけるユーロ高を醸成し、ユーロ円もご相伴にあずかっていることがわかります。ユーロドルは1.1029を超えてダブルボトムを形成する動きを見せましたので上方向に上昇する可能性もかなり高まってきているように見えます。(執筆者:坂本 博)

中国人民元切り下げで豪ドル円ダブルボトム大破 さてこれからどうなる?

国内はお盆入りでほとんど相場も動かないとタカを括っていた最中にやってくれました中国人民銀行~いきなり人民元1.9%の切り下げです。これで最も大きな影響を受けたのは豪ドルで豪ドル円はここのところの下げを戻してダブルボトム完成かと思われた矢先のこの報道で見事に大破となりました。

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この発表以降クロス円は全体に円高傾向がありドル円もそれに押される形での動きとなっていますが、ドルが全般に買われていることから11日のロンドンタイムで一旦つけた125円台をさらに上値ためしに動く可能性が高くなってきています。

ただ上値の幅もそれほど用意されているわけではないですし、本邦勢のお盆休みのリーブオーダーもそれなりにあるはずですから青天井というわけにはいかない可能性が高いですが、126円台のオプションを買っているヘッジファンド勢にとっては高値売却のためにも接近させたい思惑があるはずで126円に近いところまで試しに行く可能性はありそうです。

人民元切り下げで何が起きる?

さて問題は人民元自体の問題です。この時期に対ドルで1.9%も切り下げるということはそんなに国内情勢が厳しいのかという疑惑の目でみられるきっかけとなることが考えられ、米国の利上げも近いことから中国からの資金の引き上げが起こる懸念がではじめています。仮にドルへとシフトすればドル円は上昇しますが、資金が米国債券に流れ込めば債券安からドル安円高も考えられ、この影響は一元的には語れない状況となっています。

またせっかく戻しかかった豪ドルは円に対してもドルに対しても安値に動くこととなり、サポートラインを再度確認しにいくことになるのではないでしょうか?

中国人民銀行もけっこうむちゃくちゃな政策をやりはじめているように見えますが、金融抑圧と中央銀行バブルで株価を押し上げ円を切り下げているどこかの国の政策と箇条書きにしてみるとあまりかわらないというのは外資系投機筋の見方のようで、日本の中央銀行バブルの終焉も気にする時期にさしかかってきているかもしれません。(執筆者:坂本 博)