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中国上海市場の混乱に関するヘッジファンドの見方は意外に冷静

中国上海市場における金融当局の対応は、およそ世界標準の金融市場の常識から乖離し、既に笑いたくなるような茶番劇の領域に入りつつあります。

株を上場している企業の申し入れで売買ができなくなる、あるいは売り禁がでて悪意のある売りは刑事処罰の対象というのも、果たしてこれがまともな金融市場なのかと耳を疑いたくなる状況ですが、ETFなどを使って間接的に中国証券市場に資金を投入して利益をとっていた外資のヘッジファンド勢は、まさに売るに売れなくなった中国株のヘッジとしてコモディティや日本株の売りに走り、7月第二週は日経平均先物も危うく1万9000円割れを見に行く勢いとなり、ドル円も一瞬120円割れかと思わせるプライスアクションを見ることとなりました。

HF勢は中国市場の収束を中国人民銀行の本格介入次第と見ている

中国株が売るに売れなくなって、外資系ヘッジファンド勢もさぞや困っていることだろうと思いますが、確かに売れない状況でヘッジをかけるためには他の市場で売りまくるしかなく、とりわけ暴落余力のある日経平均が狙い打ちとなっていることは間違いない状況です。

ただ市場から伝わってくるこうしたHF勢の見方は意外に冷静であることがわかります。

まず現状での中国当局の対応が小手先のものであり、実弾による介入が行われていないことにHF勢は注目しているようです。つまり中国当局が日本の日銀と同様にETF買いなどの実弾介入を行いはじめれば市場は一気に収まると見ており、そのタイミングに注視している状況なのです。

中国は依然として外準のレベルが400兆円を超えており、中国人民人口はいくらでも介入できる資金を持っていると言えます。したがってこの収束は中国人民銀行が本格的に動けば解決に向かうと見ているわけです

中央銀行の金融抑圧はやがてジリ貧に

ただし、日本が90年代宮沢内閣のときに行ったようなQEは結果として長期停滞の現況となったことも間違いなく、やり方次第では中国にも失われた20年が到来しかねない状況です。

おそらく中国人民銀行が安易に介入しないのはそうした配慮からとも言われています。上海市場の動きを占ってもほとんど意味のないことですが、底値で反転する動きがでるとすれば、それは中央銀行の介入次第ということは覚えておいて損はないのではないでしょうか?(執筆者:坂本 博)

中国上海株バブル崩壊のネガティブインパクトについて

3週で下げ幅24%という怒涛の下落

ここのところ日に日に不安の声が市場で高まっているのが中国上海株の下落に伴うバブル崩壊危機の動きです。

株式関係者によれば90年代初頭の日本におけるバブル崩壊前夜や2000年当初のITバブル期の過熱感にきわめて酷似した動きとなっているようで、どういった影響がでるかについてはよくわからなくても、少なからず影響がでそうであることは誰しもが感じている状況となっています。この上海株バブルにはいくつかの特徴があります。

上海株バブルの特徴

業績と関係ない不況の中での株高

これは日本にも一脈通じる問題ですが、企業業績と関係なく投資家の過熱感で買われている相場であるということです。

完全に個人投資家の需給で動く相場

こちらも独特なのがほとんどの市場参加者が株について詳しくない個人投資家の需給に基づく相場であり、とにかく儲かるらしいという噂を聴きつけては市場に参入する個人投資家に支えられた異常な過熱感の相場になっているということです。

信用買いがなんと日本円で45兆円規模

国内、東証の信用買いが3兆円、多くても6兆円なのに対し、上海株式市場における信用買いの規模はなんと45兆円であり、これだけを見てもその相場の異常さがわかります。借金して株を買っている末路の崩壊ほど恐ろしいものはないことをこの数字が示唆しています。

銀行株が市場の利益の4割となるいびつな市場

株上げの大きな原動力となっているのが銀行株というのもかなり妙な状況で、最近の上げ相場のなんと4割が銀行株の上昇で支えられている状況です。

過去の日本の事例から言えば、こうした異常過熱感相場の崩壊は大きく株価を下げて市場参加者が等しく損失を被ることになるわけですが、そのほとんどは個人投資家であるところがほかの市場と大きく異なるものと言えます。

もちろん国外の投機筋も連動ETFなどで投資している向きがいることは事実ですが、圧倒的なマジョリティは国内投資家であるというかなり変わった状況です。ただ、ここへきて国有銀行の融資上限が撤廃されるなど、不良債権を抱える企業への追加融資を行うことで過剰流動性が続くと見る向きもあり、意外に世界的な影響が少ないまま推移する可能性もでてきているのです。

真っ先に影響を受けるのは新興国と豪州相場

ただ、この中国上海バブル崩壊危機の場合、まず真っ先に影響を受けるのは新興国市場であり、当然中国市場に対する依存度の高い資源国株式、通貨にも影響がでることが考えられます。

こうなるとやはり国内市場にも影響が出ることが当然考えられますが、東証の場合、日銀がせっせとETFを買い入れており、6月単月だけで3330億円もの買い入れと行うという独特の状況となっていることからこの調子でいくと下値をかなり買い支えることになり、いきなり暴落的影響が出ない可能性も出てきているのです。

ただ、為替はまちがいなくリスク回避に動くことになりますから不測の円高と言う事態は覚悟が必要ですね。 (執筆者:坂本 博)