タグ別アーカイブ: ヘッジファンド

強いISM指数で125円タッチのドル円はイベントドリブンのヘッジファンド仕掛けが奏功 ?

5日のNY市場はADP雇用報告の数字が予想を下回ったためドル円も一瞬124円割れをみることになりましたが、それをもとろもせずもとの水準に戻り日本時間23時の非製造業ISM指数が強い結果となったことから黒田シーリングの124.57円を軽々と突破しLONDON FIXにかけて125円レベルまで買いあがりました。さすがにこの水準には売りもあったようで滞留時間はごくわずかでしたが、その後も124円台後半で70銭レベルも割れずにNYクローズとなっています。

イベントドリブンのヘッジファンド仕掛け?

雇用統計を待たずに125円タッチをみたドル円ですが、巷の噂ではイベントドリブンのヘッジファンドがドルの買い上げを行っているようでこうした動きは雇用統計までは続きそうな気配です。確かに市場参加者が薄いこの時期は指標結果にあわせて買い上げれば流れをつくりだすことは可能といえます。

ただし、イベントドリブンファンドはかなり割り切った売買をするプレーヤーですから雇用統計発表前にちゃっかりすべて売り切って逃げることも考えられるため、個人投資家がそのまま高値のポジションをキープして雇用統計に臨むかどうかはよく考えたほうがよさそうな状況といえます。

ADPの結果が下ぶれたのが雇用統計にも反映するかどうかはわかりませんが、先ごろ発表された製造業のISMでも雇用関連は弱い数字になっていますし、そのまま雇用統計の結果を受けて126円方向に跳ねるかどうかはかなり微妙な状況です。もし結果がよくても上方向はプラス1円あるかどうかですから結果を見てから対応してもよさそうな状況といえます。(執筆者:坂本 博)

中国上海市場の混乱に関するヘッジファンドの見方は意外に冷静

中国上海市場における金融当局の対応は、およそ世界標準の金融市場の常識から乖離し、既に笑いたくなるような茶番劇の領域に入りつつあります。

株を上場している企業の申し入れで売買ができなくなる、あるいは売り禁がでて悪意のある売りは刑事処罰の対象というのも、果たしてこれがまともな金融市場なのかと耳を疑いたくなる状況ですが、ETFなどを使って間接的に中国証券市場に資金を投入して利益をとっていた外資のヘッジファンド勢は、まさに売るに売れなくなった中国株のヘッジとしてコモディティや日本株の売りに走り、7月第二週は日経平均先物も危うく1万9000円割れを見に行く勢いとなり、ドル円も一瞬120円割れかと思わせるプライスアクションを見ることとなりました。

HF勢は中国市場の収束を中国人民銀行の本格介入次第と見ている

中国株が売るに売れなくなって、外資系ヘッジファンド勢もさぞや困っていることだろうと思いますが、確かに売れない状況でヘッジをかけるためには他の市場で売りまくるしかなく、とりわけ暴落余力のある日経平均が狙い打ちとなっていることは間違いない状況です。

ただ市場から伝わってくるこうしたHF勢の見方は意外に冷静であることがわかります。

まず現状での中国当局の対応が小手先のものであり、実弾による介入が行われていないことにHF勢は注目しているようです。つまり中国当局が日本の日銀と同様にETF買いなどの実弾介入を行いはじめれば市場は一気に収まると見ており、そのタイミングに注視している状況なのです。

中国は依然として外準のレベルが400兆円を超えており、中国人民人口はいくらでも介入できる資金を持っていると言えます。したがってこの収束は中国人民銀行が本格的に動けば解決に向かうと見ているわけです

中央銀行の金融抑圧はやがてジリ貧に

ただし、日本が90年代宮沢内閣のときに行ったようなQEは結果として長期停滞の現況となったことも間違いなく、やり方次第では中国にも失われた20年が到来しかねない状況です。

おそらく中国人民銀行が安易に介入しないのはそうした配慮からとも言われています。上海市場の動きを占ってもほとんど意味のないことですが、底値で反転する動きがでるとすれば、それは中央銀行の介入次第ということは覚えておいて損はないのではないでしょうか?(執筆者:坂本 博)

不安定なユーロの取引を嫌って投機筋がドル円にシフト? 6月相場は上昇か

4月中盤のドイツ債券金利の大幅上昇以来買い戻しが進んでいたユーロドルは、ECBのクーレ理事の18日のヘッジファンドを対象とした夕食会での講演内容が公表された19日日本時間午後3時(ロンドンタイムの早朝)急落をすることとなり、一気に200ポイント近い下落を演じることとなりました。

事前に主要なヘッジファンドが知っている内容をなぜこの時間帯に公表したのか? という憶測がついて回っていることは仕方ないことですが、この情報を知らない個人投資家だけが狙われたような格好になり大怪我をしたトレーダーの方も多かったのではないでしょうか?

投機筋はユーロドルからドル円にシフト?

この発言を契機として一旦は債券金利も下落し、ユーロドルは1.11を割りずっとレジスタンスラインとなっていた1.10500も割れて週の取引を終えています。

一説によると、この動きを受けて多くの投機筋がギリシャリスクも残る不透明感満載のユーロドルの取引か撤退をはじめており、その分がドル円にシフトしつつあるとされています。

ファンダメンタルズから言えば利上げも後ずれしているわけですからこの時期に無理してドル円が買いあげられる必要はないのですが、119円台でPKOと機関投資家が根強くドル円の買いを入れてきていることや日経平均も国策で絶対さがらないと見ていることからドル円や日経平均への投資が極めて安全であると判断してHF勢がいまさらドル円の買い上げにシフトし始めているという状況のようです。

確かに16日の週はほとんどドル円を買い上げる理由はありませんでしたが、すでに122円台に近づく勢いとなっています。

ギリシャのデフォルトで124円乗せか?

6月初旬にはいよいよギリシャのデフォルトが近づいてきているようですが、マーケットは最近この問題を無視し続けており、いよいよ断末魔で事が起きてはじめてユーロの急落が起きる可能性が高く、それと呼応してドルの大幅上昇がオーバーシュート気味にドル円を押し上げる可能性もでてきています。

テクニカル的に相場を見続けてきたものにとってはこれでドル円上昇か?というのはなんとも納得のしにくいものがありますが、このシナリオも想定しておく必要がでてきているようです。(執筆者:坂本 博)

HFRXのグローバルヘッジファンドインデックスが示唆する直近の状況とは

HFR Hedge, Fund Research .Incが発表するグローバルヘッジファンドインデックスをご存知でしょうか?これはヘッジファンドの代表的な指数で、1993年に創立された米国最大手のヘッジファンドデータの提供会社となるものです。したがってこの発表数値は機関投資家をはじめとして金融業界ではかなり幅広く利用されるものとなっています。

参考:HFRX Indices(www.hedgefundresearch.com)
https://www.hedgefundresearch.com/hfrx_reg/index.php?fuse=login&hi

儲かったはずのマクロ/CTAは完全に行って来いの状態

このうちマクロ/CTAと呼ばれる商品取引業者指数は、今年に入ってからECBのQE実施といった世界緩和相場を追い風にして、昨年末の1193ポイントから今年4月13日には1244と+4.3%の上昇率を示現することとなりました。

しかし、その後の欧州発の市場混乱で指数は急低下をしており、5月12日には1191となり、とうとう年初来の収益が帳消しとなる状態に陥っているのです。まあ俗に言う行って来いの状態でまったく儲かっていないわけです。

テクニカル的には昨年以降の下限ラインである200日移動平均線(1186前後)に接近しており、これを下回ればさらに投売りを含めた手仕舞いの状況が想定される状況となっています。

日足RSIは既に売られすぎの30%を下回る状況

この数値の過熱感を示す日足RSIは5月12日は28%まで落ち込んでおり、一般的な下落の行き過ぎである30%を既に下回っています。

実はこの数字は短期筋によるリスク回避や損切りの一旦の最悪期到達を示唆する参考シグナルとしてこれまでも機能しており、日経平均株価も連動して底入れ反転してきた実績を持っているのです。

2万円を超えてから、どうも調子が出ない日経平均ですが、この指数が間違いなく機能するとなると、一旦大きく押し込む状態も考えられ、当然のことながらドル円を中心とした為替相場にも影響を与える可能性があることは一応頭の片隅で認識しておいたほうがよさそうです。

SELL in MAYはもうないと思っていてもまだ半月残っているわけですから・・(執筆者:坂本 博)

市場関係者が注目するレイダリオの警告

 レイダリオをご存知でしょうか? 世界最大のヘッジファンド、ブリッジ・ウォーターアソシエイツのファウンダーでテクニカルではなくファンダメンタルズをベースをしてシステム取引を行っている極めて独特な存在です。

 このレイダリオは過去30年以上長期にわたって顧客にもっとも利益を与えたヘッジファンド市場でも最高の運用者として米国Fedの要人も一目を置く存在となっていますが、彼が最近、米国が今年利上げをすれば1937年~38年の危機の再来になると警告しはじめており市場では大きな注目を集めるようになっています。

 この内容はブルームバーグでも取り上げられ、レイダリオは投資家に対しFRBの利上げペースが速すぎる場合、1937年相場と同じように大幅下落を引き起こすリスクがあると警告をし始めているのです。同氏は顧客向けのリポートでもこの6月か9月の米国に利上げは見送ることが難しい状況であることも示唆しています。

Hedge Funder Dalio Thinks the Fed Can Repeat 1937 All Over Again by BloombergBusiness

 この警告をどう受け止めるかですが、レイダリオはとかく難しくて避けて通りがちな経済の話を3つの要素からかなりわかりやすく解説しています。
この30分ほどの動画を見ていますと、ギリシャの状況、はたまた日本が置かれている日銀の金融抑圧の状況も非常によくわかります。

 さて、彼の警告をどのように受け止めるかは、各トレーダーの判断ということになりますが、このビデオを見てもわかる通り、クレジットの周期というものを考えると無理やり作り出された捏造相場には必ず調整局面が起きることだけは間違いなさそうです。この状況は株のみならず為替にも密接につながる大きなリスクイシューといえますね。(執筆者:坂本 博)