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ついにやってきた中国の株価暴落&ギリシャ離脱懸念

ドル円は100pp近くの下窓からスタートしました。中国がネガティブ材料として扱われる可能性があること、そしてドル円が再び株価に連動を始めていることはこれまでもお伝えしましたが、まさにその懸念が週明けから早速現実となった格好です。

上海の株価は昨日1日で6%もダウン、日経平均もつられるように600円近くの下げ幅を記録しました。加えてギリシャがEUから離脱する可能性がいよいよもって現実味を帯びてきたことも、市場の恐怖を煽るという点では一役買いました。こちらは、以前のギリシャショックと違い、欧州の銀行はすでにギリシャ債を処分しているため、実際はそこまで恐れるような話でもないと思うのですが、うまいタイミングでパニック相場の燃料となってしまいました。

しかし、これだけの株安を顕示しておきながら、ドル円が100pp前後の下げで済んでいるというのは、ある意味、しっかりとドル円が買い支えられていることを意味します。これをどう見るかはそれぞれの考え次第ですが、筆者はこういった買い支えはパニック相場が続けば続くほど、凄まじいエネルギーで下落を起こすトリガーになると考えています。なぜならば、これらの買い支えも結局のところは、どこかでストップロスを入れているわけであり、下げに耐えられなくなれば、どこかでカバーせざるを得ないからです。

これだけの世界同時株安を起こしておきながら、VIX(恐怖指数)が未だに16程度であることを考えると、まだまだパニック相場は続くと考えています。ひとまずはダウの動き次第でしょう。(執筆者:大島 正宏)

ギリシャ債務問題行き詰まりにまたしてもちらつくロシアと中国の影

いよいよ18日のEUとの交渉期限に手の打ちようがなくなってきたギリシャ・チプラス政権ですが、為替相場のほうは飽きが来ているのか、たかを括っているのか、ユーロドルを中心にして大きな下げにはなっておらず、不思議な動きを継続しています。

このギリシャの債務問題は確かに複雑な問題が入り組んではいるものの、状況を見ていると明らかなのは、歳入に対して歳出が膨らみすぎていて、税収も少ないギリシャでは、緊縮財政なしという荒唐無稽の政権公約を掲げた政党に政治をやらせてもなにも変わらないということで、事実チプラス政権が就任する直前のギリシャは100億ユーロの資金についてEUと交渉をしていたはずが、今の政権になってみると400億ユーロにまでその額が膨らんでおり、明らかに国民は政権付託すべき人物を間違えたというのが根本原因になっているといえます。

最期にまた登場するロシア、中国

この18日のEUとの交渉が決裂してもテクニカル的なデフォルトが決定するのはほぼ1ヵ月後になるようで、さらに週明けにもEUでは緊急首脳会議が開催される見通しであることから、実態としてのギリシャ債務問題は7月にずれ込みそうな気配になってきています。

しかし西側の交渉団の気分を悉く逆撫でするのがチプラス首相のやり方で、18日にはのこのこロシアに訪問しこの場に及んでプーチンとの会談も予定されています。

米国が嫌がっているといわれるのは、デフォルトを確定した途端にロシアが中国とともに登場して、米国だけがのけ者になっているAIIBの資金などの拠出によりギリシャ支援を開始することだとも言われます。

すでにFX本陣のコラムでも書いていますように中国の国策系企業がギリシャの国有貿易港の民間は払い下げ入札に名乗りを上げており、国家破綻寸前の状況に欧州と地続きのギリシャをその橋頭堡にイラついていると言われます。

ギリシャデフォルト執行の強硬論がEUの大勢を占めていることはどうやら間違いないようですが、メルケル首相と米国だけはなんとかデフォルト、EUからの離脱はこの安全保障上の問題から回避させたいようで、EUがそれを押し切ってギリシャを見捨てるのか、今後もはっきりしない流れで交渉を続けるのかが18日の最大の見所となりそうです。

為替相場的視点ではデフォルトで明確なあく抜け感醸成も

この手の話はすでに政治の駆け引きになっていますから、いくら状況を占ってみても儲かる話ではありませんが、一旦ギリシャデフォルトというヘッドラインが流れれば、アルゴリズム主導の相場であるだけにそれなりにユーロは売り込まれることになるのは間違いありませんが、その後はあく抜け感から買い戻しがはじまり、かなりのショートカバーになることも予想されます。

ユーロドルでは1.1を大きく割らないかぎり上方向への戻りが加速することも十分想定され、1.15を超えれば逆に上昇トレンドにのることさえ考えられています。この流れを強力にサポートしているのがドイツ国債の金利上昇で、市場はギリシャ情勢よりも債券金利に明らかに連動しようとしていることがわかります。(執筆者:坂本 博)

すっかり飽きたけど今一度ギリシャ問題の見通しを整理してみる

市場ではすっかり飽きがきて株も為替もまともに反応しなくなっているギリシャ問題ですが、新たな最終合意期限とされる6月5日まで2週間となってきていますので、改めてこの先どういうことが予想されるのか整理しておきたいと思います。

ここでも過去に何回も取り上げているネタではありますが、直近でどういうことが起きようとしているのか、ごく簡単にまとめてみました。

2012年と2015年のギリシャ問題の違い

2012年にも事実上のデフォルト騒ぎを起こしたギリシャですが、このときにはユーロ全体の崩壊の危機にあったことは事実でかなりクリティカルな状況だったことは間違いありません。

ただ2015年の現状は、ECBを中心に危機管理システムが構築され今何が起こっても欧州の小国であるギリシャだけに収まる問題になってきているということです。ECBは欧州各国の国債をQEのもとに粛々と買い入れていますがギリシャ国債だけは買い手のいない状態が続いているのです。

6月5日はギリシャ議会の議長が勝手に決めた期限

現在マスコミに流れている6月5日の期限というのはEUとギリシャとの間で話し合われているものではなく一方的にギリシャ議会の議長が決めた期限であるため、実はなにも起きないことが予想されます。ただひとつだけ事実があるとすれば、ギリシャは今度ばかりは本当にお金がないということです。

6月5日になにも起こらないといったいどうなるのか?

(1) まず交渉期限をさらに延長して新しい交渉を開始することが考えられます。

この場合、交渉はだらだら続くことになります。

(2) 交渉をどうするかについての国民投票の実施や解散総選挙も考えられます。

この選挙や投票次第ではチプラス政権が終了し緊縮財政政権が復活することも考えられます。こうなれば追加融資が実行され一旦は修羅場回避となるわけです。

(3) 一時的にユーロと株式市場に大きな影響がでる可能性が考えられます。

逆にチプラス政権が再承認されれば反緊縮政権が継続しますがこの時点でデフォルトは決定的な状況となるため、銀行預金の流出が始まり、ギリシャ市場は大混乱がはじまり、一時的にユーロと株式市場に大きな影響がでる可能性があるということです。

最近の動きは事実が露見して大騒ぎになること

これまではうわさで買って事実で売るといった市場の折り込みが進んだものですが、最近の為替市場の動向は事前は知らんぷりで、いよいよ事実が露見して騒ぎになるケースがほとんどとなっています。

どうしてこうもセンチメントが変わったのかはわかりませんが、ギリシャで日がついたところで初めて騒ぎが再燃することはありえそうです。

5月22日にはユーロ上昇のきっかけとなった対ドル1.10500をなんと言うこともなく割り込みましたので今週の動き次第では再度パリティ方向に逆走することおありうる状況となってきているのです。

IMFの返済だけEUが金を貸す可能性も

IMFへの不払いが生じることはEU圏の信頼が失墜することにもつながりますのでEUはこの金だけは貸し付ける可能性があり、問題はEUとの向き合いだけに絞られることも考えられるのです。

ということで、もっとも肝になるのは現政権が承認されるのかガラガラポンが再燃するのかにかかってきています。ギリシャがデフォルトすればロシアと中国がでてきて資金提供し、いきなり国際的な安全保障上のリスクが高まることになるため、米国をはじめとしてその状況を危惧する声がかなり高まっています。

結局収まるところに収まる可能性は高くなっていますが、一旦禊が行われないと治まらない可能性が出てきていることは間違いないようです。さて市場の現実はいかに?(執筆者:坂本 博)

いよいよデフォルトの準備? ギリシャの債務返済断末魔

 15日、久々にギリシャ問題でECB会合の前にユーロが下げることとなりました。英国FT・フィナンシャルタイムズ紙がギリシャはデフォルトの準備をしているという報道をしたのに加えて、米国でオバマ大統領と面会予定のバルファキス蔵相が前回のヘアカット時に関与した弁護士と面会するという情報が流れたのがその発端となっていますが、4月末にデフォルトするかどうかは別としてとにかく債務返済のスケジュールはこの夏まで目白押しの状態です。

 この一覧はWSJの報道を元に8月末までの債務支払いのスケジュールを書き出して見たものですが、とにかくご覧のとおりで、ひとつ支払えばまた次の支払い債務の期日がやってくるという、典型的な借金地獄・火の車を国のレベルで演じているのが今のギリシャの状況で常にクリティカルポイントがやってくることがわかります。

政府発行の短期債で当座をしのぐ情態

 現状でははっきりいくらお金があるのかも良くわかっていないのようですが、とにかく短期の債券を政府が発行しては国内の銀行に買わせ、そこにECBが資金を投入するという形で資金調達をなんとかしているのが実情であり、償還日が来るたびにまた新たな債券を発行しECBが我慢して資金を出しているからデフォルトになっていないというのが実情です。

まったく税金を払わないギリシャ国民

 一方歳入面ではそもそも緊縮財政を行わないと宣言して当選したチプラス政権の様子をみるためにかなりの国民が税金をあえて滞納している状況で、これでは財政が改善する見込みはないのが実情となっています。

再度選挙実施も

 問題はできもしない脱緊縮財政で当選した今の政権が国民に公約を守るためにECB,IMFと対立せざるを得ない状況があるところで、実は緊縮財政策をとればIMFからの追加融資も実行の予定があったのです。したがって再度選挙をして国民に信を問うこともありえそうな状況ですが、金がないのにまた選挙するのか?というかなりパラドキシカルな状況に陥っていることは確かなようです。

デフォルト=Grexitではない

 ひとつ注意をしておかなくてはならないのはデフォルトだからユーロ離脱ではないということです。一定の債権放棄のあともさらにギリシャがユーロ圏に残るという選択肢も残されてはいるのです。デフォルトというと国のおしまいのように思われますが、対外債務を支払わないだけのことで、ロシアもデフォルトしていますし、常習犯はアルゼンチンで、実は日本も戦争に負けた時点でデフォルトになっているのです。

土壇場にくるとユーロが反応

 ここのところ株式市場もまったくギリシャの状況については気にしていませんでしたが、いよいよデフォルトかという話になると少なくとも為替は反応するようで、前述の債務返済スケジュールのどこでギブアップが起きるのかはよくわかりませんが、デフォルトの文字がタイムラインに躍った段階でアルゴが一気にユーロを売り込むことになるのは間違いないようで、その後の買い戻しのタイミングを含めてロングのポジションを持つときにはここ数ヶ月かなり気をつける必要がありそうな状況となってきています。 (執筆者:坂本 博)

ギリシャの時間切れ迫る イースター明け一体どうなるのか?

 欧州圏はすっかりイースターの連休に入っていますが、その中で決着がついていないのがギリシャの債務問題です。去る3月23日の英国フィナンシャルタイムの一面にはギリシャの国庫が4月8日には空になるという記事が一面にでかでかとでてその危機的な状況を煽っています。

 ギリシャが抱えている状況を事実だけ整理して起きますと、IMFへの利息返済450億ユーロが4月9日に迫っており、これが本当に支払えるのかが市場の大きな注目ポイントとなっています。ギリシャは支払い不能説を必死に打ち消していますが、一説には債権者を集めて支払い不能であることを既に説明しているとしており、これがどうなるのかが4月5日の週の最大のポイントとなります。

 本来3月31日までに公務員賃金と年金の支払い1700億ユーロの支払いも迫っていたはずですがこちらのほうは今のところ不払いにはなっていないようで、この間常にお金がないといってはなんとか支払うとい不可思議な状況が続いているのがギリシャの実態です。

 ギリシャ政府は当座のつなぎのために独自紙幣を発行して国内での支払いに対応しようとしているようですが、そうした対応で事態が収まるとは思えない状況です。

 現状ではギリシャがロシアと結びつくことを安全保障上大きなリスクと考えるドイツの歩み寄りにより単純なデフォルトはなさそうですが、ギリシャ国民はまったく税金を支払っていないようで2014年末で760億ユーロが滞納、本年1月でだけも10億以上予定納税額を下回る状況が続いているようす。一旦デフォルトリスクを免れてもまた同じことが巡ってきそうです。

 直近ではユーロがこの状況にほとんど反応しなくなっていますがギリシャのデフォルトが決定すれば一旦売られてあと大きく買い戻しになる可能性もあり、為替の動きは慎重にチェックしておく必要がありそうです。(執筆者:坂本 博)