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テーパータントラム再来を心配するIMFラガルド専務理事とFRBイエレン議長

5月6日にIMF本部で行われたラガルド専務理事とFRBイエレン議長の対談の席上、イエレン議長が米株式市場について「かなり高い水準だ」と述べ、潜在的に急落する危険性があるとの認識を示したことが様々な憶測を呼ぶことになっていますが、ここへ来てメディアで言われだしているのがテーパータントラウム再来の危機です。


≪ラガルド専務理事とFRBイエレン議長の対談 画像元:産経ニュース www.sankei.com≫

テーパータントラムとは?

2013年、バーナンキ議長時代にQEを終了する旨を発表したとたんに新興国から資金の大幅な巻き戻しが起き、深刻な事態に陥ったことは記憶に新しいものですが、これがテーパータントラムと呼ばれるもので、タントラムは癇癪といった意味の英語です。

イエレン議長は同対談の席上、株価とともに債券のリターンも非常に低く、ここに危険性が潜んでいる可能性があるとも指摘をしています。

初回利上げを景気に債券利回りが急激に上昇するかもしれないことを示唆しているのです。これがまさに2013年の5月のテーパータントラムでも実際に起きていますし、日本で言えば、株価は同年5月23日に1143円下落するおととなり、当然ドル円も大幅下落を示現することとなっています。

もともとはラガルド専務理事が指摘していた内容

このテーパータントラムの再来はラガルド専務理事が再三指摘してきたことですが、FRBは米国の金融政策だけに責任をもつ立場であるため、長らくこうした指摘は無視されてきましたし、実際米国の利益だけをめぐってテーパリングも実施されてきたのです。

それが今回イエレンFRB議長の口からも発せられたところに大きな意味があるといえます。利上げが近くなければあえてこうした発言がでるはずもなく、予想以上に利上げが近いのかという憶測につながっています。

またあえてこうしたリスクを指摘しているということは、在勤の状況に見られるように国債の利周りがさら急上昇する可能性を示唆しているのではないかとも見られ、注目されます。果たして今週20日朝3時に発表になるFOMC議事録でこうした発言とつながる内容が登場してくるのかどうかに注目が集まります。(執筆者:坂本 博)

債券金利を侮ることなかれ! 6月FRB利上げの目はまだ残されている

欧州の債券相場における債券売りと金利の上昇は一旦落ち着きを取り戻したかのように報道されていますが、債券相場は為替や株のように単純な相場ではありません。この相場の急落で金融機関やファンドの中には大きな損失を抱えているところが多く、まだ殆どがその含み損を切り終えていないのが実情です。

クオンツ系の裁定取引やハイレバレッジのポジションは損切りを余儀なくされているようで、少しでも相場が戻せばまたぞろ売りがでることは間違いない状態です。市場が落ち着きを見せているなどという報道は真っ赤な嘘といえます。

殆どの市場参加者はECBのQEを見込んでマイナス金利であっても挙ってドイツ国債などの購入に奔走しましたが、これが完全に裏目に出る展開となっているのです。こうした債券金利の上昇は欧州各国全般だけでなく米国や日本にも波及してきており、当分続きそうな状況となっています。この状況がFRBの利上げにも確実に影響を与え始めているのです。

FRBイエレン議長の発言は6月利上げのティーザーか?

そんな中でFRBのイエレン議長とIMFのラカルド専務理事が討論会に出席した際にイエレン議長の口から株価は割り高で債券も高すぎると言った発言の真意に様々な憶測が飛んでいます。

しかし現状の高い債券金利状況を考えれば、来年の大統領選挙で民主、共和両党から金利の正常化を求められているFRBがこの6月にアリバイ的に1.25%の金利を上昇させる可能性はまだ残されており、イエレン発言がそのティーザーとして実施されたのだとすれば、いまや誰も口にしなくなった6月利上げはまだ可能性がかなり高く残されているといえるのです。

6月末のイランとの核兵器禁止

オバマ大統領は6月末にもイランとの核兵器禁止条約の締結を実施しようとしています。

これで本当に核兵器が凍結されるかどうかは別としてレイムダック化するオバマ氏の最後の仕事としてこれが締結される可能性が極めて高くなってきているのです。

ただ、この条約が締結されると、イランの原油生産は再開されることになり、現状で4割ほど戻した原油価格が再度下落する可能性は高くなります。

したがってその前の6月19日に一応の利上げ要件を満たしている状態で本当に少しだけではあるものの利上げをすると言う可能性は、この視点から見ても整合性が出てきているのです。

株価は暴落しても既にS&Pは史上最高値を更新しており影響は軽微

当然利上げ発表直後は株価も大幅下落し、ドルは上昇することが予想されますが、現在史上最高値を更新中のダウが2000ドル急落しても1万6000ドルを割る可能性は極めて低く、しかも為替もユーロ圏の債券金利が大幅上昇している中では、一方的にドル高にはなりにくい下地があることは間違いないのです。

FRBはサプライズを避けるためにイエレン議長の口から、市場に事前警告を発し始めているとみるのも頷ける部分がかなりあると言うわけです。

6月まさかのドル円125円方向?

エリオット波動的にはすでに高値をつけきったように見えるドル円ですが、こうした人為的な要素が絡む場合は動きはまた別のものとなります。

経済指標を含めてドルが再度上昇する可能性は見出しにくいわけですが、ひとつのシナリオとして6月利上げ、ドル瞬間再上昇というケースも引き続き考えておく必要はありそうです。特に債券金利のことを甘く見ていると結構大変なことが起きる可能性もあるのです。(執筆者:坂本 博)

文言ははずれたのにドル円激下げ~株は上昇してイエレン議長の思惑通り

 待ちに待ったFOMCの結果発表ですが、フォワードガイダンスから例の辛抱強くの文言が外れたにもかかわらずドル円は大幅下落。しかも120.300円で下げ止まったので起きていて買った方も多いと思いますが、120.800円のショートカバーで押し戻され120円にあったストップロスをひっかけてまさかの119.260円レベルまで爆下げしてしまいました。

 案の定、私も下げた120.30円あたりでロングしましたが上がらないところでドテンをした途端さがりはじめてなんとか119.400円でショートをリカクし往復で170PIPS確保することができました。もうウルトラプライスアクショントレードです。

 ユーロドルは逆に大きく戻し1.1を超えたところにあるストップロスをつけて跳ねましたが、ここでショートして、追加で1.09900でショート、1.08300で一括リカクができましたので330PIPS程度確保できた感じです。ほぼ2時間程度でなんとか500PIPS程度を稼ぎましたが、気がついたら夜が明けていました。

 なんと今回のイエレン議長のオペレーションは、株も上昇させ、為替はドル下落に持ち込むというなかなかのマジックでとりあえず第一ラウンドを終了しています

 ECBのスーパーマリオことドラギ総裁も日本のデフレプロセスをよく研究している感じですし、Fedもかなり相場の動きがどうなるかをシュミレーションしてFOMCのフォワードガイダンスを出してきている感じで、日銀だけが政権とのコミュニケーションギャップで先出しに量的金融緩和などをしてしまって、ターゲット目標を苦し紛れにうやむやにするというかなり中央銀行間のオペレーションに関する力の差が出始めていることを感じる次第です。

 さて、この先ですが、一旦はドル円は上値が重く、簡単に120.500円を超えない可能性もでてきています。またユーロドルは1.1~1.05のレンジを形成した感があり、一方通行で動かない可能性もでてきています。ただ二つの通貨ともに調整が結構効いた感じがしますので、さらに上方向を目指すきっかけはできた感じです。この先の動きが注目されます。(執筆者:坂本 博)