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「年内利上げ示唆」でドル円は再び上昇基調? 株価はどうなるのか

朝こそ「BMWショック」の余波が続き株ともども不調だったドル円ですが、ロンドン市場に入ると、それまでの下げを打ち消すかのように力強く上昇をみせ、121円台へ乗せることに成功しました。もちろん世界的な株高もドル円を後押したのは確かですが、力強さの背景には、やはりイエレン氏が講演で語った「年内利上げ」への示唆ではないでしょうか。

しかしその一方で、今回利上げの時期をこうして狭めて(残り3ヶ月以内)明示してしまったことによって、逆説的ですが、「利上げネタで湧くのも12月まで」ということが言えてしまうのも事実です。つまり利上げがポジティブサプライズとしてではなく、市場にあっという間に織り込まれてしまうわけです。

こうなると次に問題となるのは、利上げ間近の株価の波乱と、利上げ後のドル円の動きです。日本の沈没具合が真剣に話題となり、日銀緩和も囁かれてしますが、利上げによって日米金利差が拡大するのはひとまず既定路線ということで、長期的にはドル円が再度125円を目指すのは間違いないでしょう。

ただし、利上げは当然アメリカの株価にとってネガティブ要因です。近々不穏な動きを見せているアメリカ経済が、果たして利上げ時期を直近に設定されたことで、耐え切れるのかどうか、その時ドル円は株価に追従するのかどうか、この2点は要注目と言えます。(執筆者:大島 正宏)

はやくも次のトリガー待ち? イエレン氏の証言内容に注目

さんざん市場を振り回した中国市場の経済指標(小売売上高、鉱工業生産)が予想を上回り良かったこと、日経平均が続伸していることなどから、ドル円もここ数日は落ち着きをみせています。

しかし、果たしてこの小康状態は続くのでしょうか。注目となりそうなのが、15日(日本時間16日)に行われる、米下院でのイエレンFRB議長の証言です。

イエレン氏はここで半期に1度の金融政策に関する報告を行う予定ですが、利上げを粛々と推し進めていくのか、いったん留保を促す旨を述べるのかで市場の注目が集まっています。

金融政策の議会報告は、押し並べてこれまでの発言の再確認であるため、目新しいものはなさそうですが、これまで市場の予想以上に「ハト派」色を示してきた同氏であるだけに、利上げに前向きな姿勢をひとたび見せるや、株価や為替相場に大きな影響があることは間違いないでしょう。

こういった特になにも材料らしいものが無い時こそ、ちょっとしたことが材料にされやすいのも事実。先日も、ツイッター社が買収されるという偽ニュースサイトが作られ、株価が一気に釣り上がってしまう事件が発生しましたが、市場が材料に飢えているときほど、急激な変動には備えておきたいものです。(執筆者:大島 正宏)

FOMCイエレン発言で鮮明になった長期停滞論ベースのリスクシナリオ

FOMCの結果とその後のイエレン議長の発言を受けてドルは利上げ期待感の後退から大幅に売り込まれることとなりました。とくにロンドン勢のドル円売り浴びせはさすがのアニマルぶりを発揮し122円50銭を割らんばかりの勢いとなっており、ここでもう一押し下方向が示現すれば121円台方向への調整も現実化しそうな気配です。

ビハインド・ザ・カーブが鮮明の状況に

イエレン議長の会見というのもご本人のしゃべり方のせいもあるかと思いますが、問題発言を起こさないようにほとんど新しいことを口にしない雰囲気で日銀・黒田会見に劣るとも勝らない面白くなさですが、それでも聴いていますとその発言の根底にローレンス・サマーズの長期停滞論がリスクシナリオの下敷きとなり始めていることがかなり鮮明になりつつあります。

昨年末までは長期停滞論が存在するという見方はFOMCにはないとさえ口にしていたイエレン発言からするとえらい宗旨替えとも思われる状況で、ビハインド・ザ・カーブ、つまり利上げ後退は鮮明になりつつあります。巷ではバーナンキ前議長とローレンス・サマーズ自身がこの長期停滞論をめぐってブログで大論争をしている最中ですが、どうやらFedはこれを支持しているように見受けられます。

FOMC声明発表時に公表されている参加委員による政策金利見通しであるドットチャートも鮮明に下方シフトし始めていることがわかります。年内利上げ宣言をしておきながらこういう状況なの?というのが正直な印象で、ドルが大幅に売られるのもわかる内容といえます。

タカ派のフィッシャー前ダラス連銀総裁もタカ派返上?

ここのところのFRB関係者の発言で注目されるのは3月に退任したタカ派のフィッシャー前ダラス連銀総裁のものいいの変化です。いつでもチェックアウトできるが決してホテルを去ることができないホテルカリフォルニア化するリスクが金融政策にはあったという名言でおなじみの同氏が1937年の過ちは繰り返したくないと、すっかりレイダリオの予言に感化されたような発言をして市場をびっくりさせているのも注目されます。

結局市場が考えているほど米国景気はよくないということか?

イエレン議長は何度も、今後の利上げはデータ次第を連呼して利上げがなくなったわけではないことを強調していましたが、結局のところ米国の景気はそれほど回復していないことを彷彿とさせるのが今回の会見内容でした

その昔、水前寺清子の365歩のマーチという3歩進んで2歩下がるなどという牛歩の歩みのような歌がありましたが、この調子では12月までこのような前に進んでいるのか逆走しているのかわからない動きが続きそうな気配です。

ドル円は当面上値の重いレンジ相場を形成か

さて、今後のドル円の動きですが、完全に125円台後半がピークとなって122円台が当たり前の気配になってきています。冒頭でも書きましたがさらにレンジを下げる可能性もでてきており、しっかりチャートを見ながら下値を慎重に拾うことが重要になりつつあります。

日本の貿易赤字額も月次で前年比かなり減少していることを考えても円安の支援材料がどんどん希薄になっていることは間違いありません。今回またしてもドル円がどこまで上昇するのかの議論が不毛なものになってしまいました。 (執筆者:坂本 博)

6月18日はFOMC! 利上げに言及するのは間違いないが…

5月に発表された雇用統計は、予想の22.6万人に対し、28万人と高数値だったことから、年内利上げはほぼ確定的となりましたが、6月18日に行われるFOMCでイエレン議長が何を語るのかに市場の注目が集まっています。

「緩やかな成長」だった景気が「しっかりとペース」で上向いていることを再確認したといったようなコメントが、イエレン議長の口から議事録ともども出てくるのは確定的です。

そのうえで「どのように利上げするか」を語ることに焦点が集まるでしょう。しかし、だからといって、市場全体が利上げムード一色に染まるのかというと、そうはならないのではないか、というのが筆者の見方です。

理由はイエレン議長が生粋のハト派であることに由来します。おそらく、利上げに対して市場の過剰な懸念や期待を冷やすようなコメントを打ち出してくるのではないでしょうか。例えば、利上げを念頭に置くのではなく、経済の成長ペースを冷静に見ながら、段階的に引き上げていくといったことを、ことさら強調するような発言です。

となれば、株式市場はともかく、ドル円の動きに過剰な期待を持たない方が良いも知れません。ここからFOMCまでは、利上げがドル円にも織り込まれる形となっていくでしょうが、果たしてFOMC後、ドル円が一段の上昇を遂げるかと言えば、イエレン議長のこれまでの発言からみても、難しいのではないでしょうか。

ひとまず、今回のFOMCで利上げの動向が強く意識されることは間違いないので、FOMC後でどのような方向性が出るかを見極めてから、ドル円に参入する方がベターでしょう。(執筆者:大島 正宏)

FOMC議事録から6月利上げは大幅交替しほぼ消えた状態

21日日本時間早朝3時に例によって米国FOMCの議事録が開示されました。

内容としては利上げは経済指標次第とはしているものの、多くの委員が6月の利上げの可能性がないとしていることが注目されます。

ただ、1Qの経済指標の悪さについてはいくつもの理由を上げて一時的なものとしており、経済状態については楽観的な見通しを持っていることもわかりました。

今週金曜日にはイエレン議長の講演があるため、流れとしてはこの議論の基調が維持されるものと考えられます。ただ同時にフィッシャー議長の講演も予定されているため、並行してその中身を注意深くチェックしていきたいところです。

この議事録を受けて当初は買われたドル円ですが、その後徐々に売りが強くなってきており、今週121円に相場が留まって終えられるかどうかがポイントになりそうです。

また水曜日のロンドンタイムにいきなり発表されたECBクーレ理事の発言内容はさらにさかのぼること1日前の火曜日のパーティの席上での発言だったことも判ってきており、ユーロは大幅に下げることになりましたが、果たしてこのまま下落局面を迎えることになるのかも注目されます。

現状では本体が1.13のレベルに戻らないとこの短期的なトレンドは消えたと言えず、こちらにも注目が集まります。(執筆者:坂本 博)