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ミシガン景況指数は良かったが…先行きは暗いアメリカ経済とドル円

直近の冴えない指標からすると、ミシガン大学消費者信頼感指数は92.1と、市場の予想の89.0を上回り、7月以来の高数値となりました。しかし、ドル円は全く反応せず、119.10-30の狭いレンジを上下しています。

そもそもドル円は前回お伝えしたように、118.5の下限レンジを一気にブレイクすると、ストップロスを巻き込み、118円まで大きく値を下げたという経緯があります。幸か不幸か、その後118円は鉄壁のガードで守られ、今度はショートカバーを次々と誘発し、119円まで一気に値を上げましたが、120円をはかなり遠くなってしまった印象です。したがって、ミシガン消費者信頼感指数が高かったからといって、市場参加者も改めて買いあがる気にはなれないのかも知れません。

さて今後の見通しですが、やはり短期的には下目線でいいのではないか、とみています。さして重要指標ではありませんが、ミシガン消費者信頼感指数と同時に発表されたJOLT求人件数が予想以下の数値になってしまったこと、15日に発表されたフィラデルフィア連銀景況指数(通称:フィリー)は予想-2.0に対し、結果は-4.5、ニューヨーク連銀製造業景気指数は予想-8.0に対して、結果は-11.36と、ともに予想を大幅に下回る数値を出しています。

さらに、インフレ期待が下がっていることからも、景気の腰折れ、少なくとも中だるみがアメリカで起きていることは間違いなく、月末に行われる日銀政策会合の追加緩和スルーがあった場合、それをトリガーにしてドル円は大きく失速していくのではないか、と筆者は睨んでいます。(執筆者:大島 正宏)

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雇用統計週到来! ドル円はどうなる?

今週は月初めの週となるため、主要な指標が目白押しとなります。

月曜日には早速、ISM製造業景況指数が発表されましたが、よもやの下振れ。予想されていた53.5から52.7と落ち込んでしまいました。特にISM製造業雇用部門でのダウンスライドは激しく、先月の55.5に対し、54.7と若干低めの予想が立てられていたのにもかかわらず、蓋を開けてみれば52.7と大幅な下振れを起こしています。

そうなると俄然気になってくるのが、火曜23時に発表される製造業新規受注、そして水曜日に発表されるADP雇用統計と、ISM非製造業景況指数です。

おそらく製造業新規受注も、月曜日のISM製造業景況指数を見る限りでは期待できそうにないので、元来数値が高止まりしていたISM非製造業景況指数に注目が集まってくるはずです。非製造業も「思ったほど…」ということであれば、アメリカ経済の一服とみなされ、株価やドル円が一斉に下目線となることは、ほぼ避けられないでしょう

それだけに金曜の21:30に発表される雇用統計が予想の22.3万人より高いとなると、ポジティブサプライズとしてかなりのインパクトをもって迎えられるのは間違いありません。先述したISM製造業の数値を見る限りでは、大した期待も持てなさそうですが……。

以前この月初めの第1週にエントリーするのは危険であるため、リスクの少ない第2週に参加しても問題ないのでは、といった話をお伝えしたことがあると思いますが、ここまで保ちあい相場が続くようであれば、敢えて触ってみるのも面白いかも知れません。(執筆者:大島 正宏)

[解説]7月2日の雇用統計 判断できる2つのこと

シカゴ購買部の景況指数こそ94.6と予想以下になってしまったものの、6月度の消費者信頼感が久々に100を突破、雇用統計の前哨戦であるADPは予想が20.3万人だったのに対し、結果は23.7万人、両ISMも予想外のポジティブサプライズとなるなど、マインド指標、実態指標ともに上向きに向かっている傾向がみてとれた1週間でした。

とはいえ、一時期の暗雲もようやく晴れ、アメリカ経済は好調に湧いた……と思ったところへの、雇用統計の予想下回りは、市場のイケイケムードに水を差す格好となってしまいました。

雇用周りは改善しつつあるものの、今回焦点となったのは、時間あたりの賃金です。これが上がっていないことを受け、物価上昇(≒インフレ率)はFRBの予想を上回るものではないと市場は判断し、利上げ期待は遠のいてしまいました。

もちろん、一時期に比べれば悪い数字ではありませんし、アメリカ経済の力強さを裏付ける証とすら言えるでしょう。しかし、この雇用統計をみて、ダウは弱い動きをみせました。

ここから判断できるのは2つです。1つ目は以前のように、弱い指標を受けても、金融緩和を期待して株に買いが入るようなムード(利上げはほぼ前提とされ、ほぼ完全に織り込まれた)ではなくなったこと、2つ目は、市場がこういった雇用統計が20万人以上を超えるような数値を「当たり前」だと思い始めていることです。

こうなると今後、ひとたびネガティブ数値が出た時に一体どういう動きを見せるのかが気になります。アメリカのみならず、海外にも同じようなことが言えます。ギリシャ絡みも結局茶番に終わり、市場は一端V字を見せました。しかし、中国発のバブル崩壊懸念はまだまだ続いています。色々と警戒したいことは確かですね。(執筆者:大島 正宏)

「季節的なもの」では説明がつかないアメリカの経済停滞

5月13日に発表された小売売上高は、対前月比で予想0.2%に対して、結果は0%、コア小売売上高は予想0.5%に対して、結果は0.1%という惨憺たる結果となりました。

先月のFOMCでは、アメリカの経済落ち込みは「季節的なもの」とされていただけに、4月でも相変わらずこのような数字が出てしまったことで、再び経済見通しに暗雲が立ち込める状況となりました。

思えば、月明けに発表された雇用統計も22万人という「それなりの」数字が発表されたものの、各社証券会社や銀行が予想した数値の平均値は23万人で予想を下回ったことには変わりありません。

さらに、3月の雇用統計の数字が8万人という大幅な下方修正を食らったとあっては、22万人という数字も、経済が好調であることの証というよりも、単なる一時的な「反動」に過ぎないという見方を採ることだって出来るでしょう。

失業率は5.8%にまで下がっていますが、これはそもそも労働参加率が1960-70年代の数値レベルの低数値であるため、前FRB議長のバーナンキ時代から一貫して参考とされていません。

そして、そこへ来て今回の小売売上高の惨憺たる実情は、市場参加者に「やっぱり」というため息をもたらす結果となったに違いありません。

このアメリカ経済の腰折れが一体何によるものなのか、という議論は様々にありますが、最も主流となっている見解が、「ドル高」のせいだという見方です。

ドル円はそういった市場の思いを反映するかのように、120.70から120.20へと一気に下落。株やドルストレートと全く連動しなくなったドル円なだけに、これをきっかけに大きな下落トレンドを形成していくかどうかは分かりませんが、少なくとも上値が相当程度、抑えられたことは間違いないでしょう。

やはりこれまで再三お伝えしている通り、ドル円は「売り」、アメリカの指標は基本的に「売り」でOKという見方は依然として変わりありません。(執筆者:大島 正宏)