ユーロドルが下がらないなら、ドル円は上がらない―トンデモなアナリストたち


ゴールドマンサックスがこれまで長らく堅持していたユーロドルがパリティ割れ(1.00を割ってしまうこと)する見方を撤回しました。ECBによる新たな金融緩和がなされたのにもかかわらず、その緩和度合いが「想定よりも穏やかなものだったから」というのが理由です。これによって、市場の見方は一気にユーロドルが今後は少なくともこれ以上下がることはないだろうという方向へ転換しつつあります。

一方でドル円は、125円前後がアメリカの利上げによって維持されるというムードが、強気派-弱気派ともに堅持されたままです。強気派にからは135円を突破するという声まで出ています。

実におかしなことでしょう。

ユーロドルがこれ以上大きく下がることもないのであれば、原則としてはドル買いペースが弱まるはずです。ユーロドルとドル円は基本的に逆相関ですから、ドル買いペースが弱まれば、当然ドル円は頭打ちとなってもおかしくはないのです。

例外的にドル円が上がる状況は、ドル以上に円が売られるという場合ですが、これは私の知る限り、震災後にあった協調介入後に一時的に見られた程度です。したがって、ユーロドルが下がらないというのなら、ドル円は上がらないのです。

つくづくアナリストという職業は適当なものなのだなと感じさせられます。実際に毎日触れているディーラー部門とは異なるため、需給関係やファンダメンタルばかりに目が行き過ぎて、実際のチャートの動きを全く体感していないからこそ、このような意味不明なねじれ見解を平然と放置しておけるのでしょう。彼らの発言と自分の所有しているポジションとで方向性が同じであれば、なんとなく勇気づけられた気にもなりますが……。(執筆者:大島 正宏)