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足してダメなら引いてみる~FXトレードにおける引き算の美学~その1


テクニカル分析を勉強し始めた頃、私が犯したちょっとした勘違いについてお話しさせていただきます。

初めてテクニカル分析という概念に出会ったとき、私はちょっとした衝撃を受けました。

単純移動平均線、指数移動平均線、MACD、RSI、一目均衡表、ストキャスティクスオシレーター、ボリンジャーバンドなどなど……それぞれの分析ツールは、それぞれの基準で「買い時」と「売り時」を知らせてくれます。

そして、初心者なりにそれぞれの簡単なロジックを勉強してみると、その理論のひとつひとつが、いかにももっともらしくそのツールの出すサインに従っていれば、ほぼ確実に利益を上げることができると思えるほどでした。

「テクニカル分析に精通すれば、確実に利益を上げることができる」

そう思うと、はやくもFXというゲームを半分クリアしたかのようで小躍りしたくなるほど嬉しくなったのを覚えています。

そして、一つより二つ、二つより三つと、勉強したテクニカル分析ツールを片っ端からチャート上にどんどん表示させていきました。

しかし、そこで問題が起こりました。

私が表示したトレンド系のテクニカル分析ツールのひとつは、「今が買い時だぞ」と知らせているのに、一方で、オシレーター系の指標は「今は買われすぎているから買ってはだめだ!」と反対のメッセージを伝えているという状況に出くわしたのです。


私は、訳が分からなくなってしまいました。学生時代であれば、勉強して知識が増えるほどテストなどでは高得点(つまりは望む結果)を得やすくなるのが通常です。ですが、トレードではそうではありませんでした。

知識が増え、表示させるテクニカルインディケーターを増やすことで、結果として今が果たして買い時なのか売り時なのかはたまた様子見をするべきなのか判断できなくなってしまいました。それぞれのツールがそれぞれのロジックで異なる結論を提示するのですから、当然といえば当然の結末といえるかもしれません。

しかし、テクニカル分析の知識を得ることこそが即ちトレーディング上達への最短ルートだと信じて疑わなかった当時の私は、完全に方向性を見失ってしまいました。

テクニカルを勉強すればするほど相場の値動きが明瞭になるはずだと信じて疑わなかったのに……実際起こったことは、その真逆ともいえる状況で、売買判断に迷いを生むばかり。

いったいどうすればいいのかわからず、しばらくは、ただただチャートをぼんやりと眺めるだけの日々が続きました。(その2につづく)(執筆者:高橋 浩司)

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