とうとう『利上げは当分ない』と言われる水準に


ここに来て雇用統計が悪化しました。ISM製造業景況指数が51.1、ADPは19万人と、ともに市場予測を下回る結果となったことから、中だるみが起こるのでは…とも言われていましたが、蓋を開けてみると、市場予測22万人に対し、17万人増と大幅なスローダウン。これを受けてドル円も一時、118.70台まで売り込まれています

懸念されるのは、これらの数字が市場暴落を反映する前の数字だということです。つまり株価がこれだけ下がる前から、アメリカの景気がスローダウンしかけていたことになります。これだけ市場が疲弊している最中、指標面でもこういったネガティブな数字が出てきてしまうようだと、互いが互いに影響を与えて悪循環に陥リ出す可能性があります。

アナリストの間では、早くも「FRBの利上げは当分ない」などの悲観論が出てきています。確かにアメリカとしても株価がこれだけ下がっている中で、追い打ちを掛けるように景気の引き締めに言及などは決してしたくないでしょう。早くて9月、遅くても年内…と言われていた利上げでしたが、冴えない指標と株価を受け、どうやら年明けまでお預けとなりそうです。

ただし、1ついいこともあります。今回の市場パニックでドルからユーロや円への巻き戻しが起こっています。非製造業が好調であるのに製造業が冴えないのはドル高のせいだという声がアメリカに根強くありますが、災い転じて福をなすとでも言うのか、このドル安がアメリカの製造業を支える思わぬきっかけとなってくれるかも知れません。(執筆者:大島 正宏)