SDR狙いの中国 しかしまだなにが起こるかわからない中国関連動向


中国人民銀行は三日立て続けに元を切り下げて4.6%下げたあと一旦少しもとに戻す動きをとり、これ以上は当面やらなさそうなことを記者発表で口にしています。しかし為替効果からいえば10%程度まで切り下げないことにはあまり適切な効果がないといった専門家の指摘もではじめています。

SDR狙いで切り下げ前倒しか?

中国はSDR狙いで急にやる気を見せたという説もではじめています。

SDRはSpecial Drawing Rights(特別引き出し権)の略で、IMFへの出資額に応じて、加盟各国に割り当てられる準備資産。急激な資本流出などで資金が足らなくなった加盟国は、SDRと交換することで他の加盟国から広く世界で流通しているドルやユーロ、円といった通貨を融通してもらえるものです。IMFが1969年に金やドルを補う準備資産としてつくり出したしくみで5年に一度見直しが行われ、前回は2010/11年に行われています。

現在の構成通貨は、ドル・ユーロ・ポンド・円の4通貨ですがここに人民元が加わると、G7以外の通貨、そして新興国通貨としては、はじめての採用となるので中国はこれにノミネートすることを狙っているといわれているのです。

DR構成通貨となるためには、商品とサービスの輸出で過去5年間最大の価値を保有していることに加え、通貨が自由に使えることが条件とされていますが、IMFが8月4日に発表したレポートでは人民元採用が消えかかってきているため、一気に今回の切り下げを断行を実施しSDR早期実現に動いているのではないかとの憶測も飛び交っています。

SDRに反対はおなじみの米国、日本勢

このSDR加入に好意的なのはイギリス、ドイツ、フランス、イタリアですが案の定米国と日本が反対している状況です。

今回の中国人民銀行の動きに対してIMFは、人民元レートに市場の実勢をより反映させる決定を行ったことは「歓迎すべき第一歩」と評価しています。また中国が経済における市場原理の強化を求め、急速に世界の金融市場への統合を進める中、為替レートの柔軟性拡大は同国にとって重要だとも述べている状況で、今回の切り下げについて「特別引き出し権(SDR)の構成通貨への採用基準に対する直接的な影響はない」ともお断りをしている状況にあります。

何をどこまでやるか分らないのが中国

今回の切り下げも1回こっきりといいながら結果3回実施し自分で介入したりする一貫性のなさが中国の動きとなっており、本来9月の習近平訪米にあわせて切り下げが行われるのかを思いきやいきなり前倒しとなってきているだけにこれでおしまいと思っているのはリスクが大きすぎるという声もきかれはじめています。

実際9月の中国は政治の季節で様々な人事も発表されることからさらになにかが動くことも想定しておいてよさそうな状況です。これで収まったという論調も強くなっていますが、まだまだわからないというのが実情ではないでしょうか?(執筆者:角野 達仁)