PBOCショックは序の口 日本の50%対ドル円切り下げを考えればまだまだ続く?


2日連続の中国人民銀行による対ドルの人民元レートの切り下げはとうとうPBOC・(People’s Bank of China)ショックなどと呼ばれるようになり、市場は戦々恐々としはじめています。

果たして1回限りなどと言われた人民元の切り下げがどこまで続くのかが中網されるところです。

投機筋はPBOCのやり口はBOJの真似と理解

外資系の投機筋は今回の中国人民銀行のやり口は完全に日銀の模倣ととっているようで、実は結果だけでいいますと確かに日銀が行っている金融抑圧、PKO相場に酷似していることがわかります。

人民元は二日で3.5%切り下げられただけで大騒ぎになっていますが、日本のことを振り返ってみれば80円のドル円は120円を超えるレベルまですでに50~60%も切り下げられてきているわけですから、直接的手法で切り下げを行ったわけではありませんが、目的は日銀もPBOCもあまり変わらないことが理解できます。

日本円のことを思えば、中国がこれだけの切り下げでおしまいにするのかどうかはかなり疑わしく、10%程度までは想定しておいてもいい状況になりつつあります。

IMFは中国の動きを歓迎

米国の議会は猛反発をしていますが、金融当局はまだ公式的なけん制発言は行っておらず、中国当局も米国の顔色を伺いながらのオペレーションが続くことが予想されます。

ただ面白いのはIMFがこの中国人民銀行のやり方を歓迎していることで、IMFは米国の利上げに反対していることから、こうした動きで9月の利上げがなくなることを想定しているようにも見えます。

果たしてこの状況で米国は利上げができるのか?

12日の為替相場では新興国が一斉に介入に踏み切り、さながら世界通貨安戦争再発の状況となっています。

今回のPBOCのやり口は完全な近隣窮乏化政策であり、デフレスパイラルの輸出ではないかと揶揄する声も聞こえてきていますが、早晩新興国の状況がおかしくなるものと思われ、果たしてイエレン議長が利上げに向けて動くことができるのかどうかが注目されます。

考えてみるとイエレン議長は着任後まだなにも大きな決断は行っておらず、本当にフィッシャーなどの格上の副議長が存在する下で独自判断ができるものなのかどうかにも関心が集まりつつある状況です。テールリスクは毎回意外なところから突如として登場するものです。(執筆者:坂本 博)