メディアのギリシャ報道はいささか感情的過ぎ~実は下落は絶好の買い場か?


ギリシャの債務問題をめぐるデフォルトを巡って、常に語られてきたのがEU域内のドミノリスクの問題です。2011年のギリシャ破綻問題が持ち上がって時期にイタリア、スペイン、ポルトガルなどが連鎖するドミノリスクが明確に発生していました。

イタリアが7.4%、スペインが7.7%、そしてポルトガルが18.2%の10年国債利回りになったことは、まだ記憶に新しい状況です。

しかし今回のギリシャ問題再燃に際しては各国の金利はせいぜい0.2から0.3%の上昇に収まっており、各国信用リスクも2011年のように驚くほど上昇する状況にはなっていないのです。ひとつは、2011年と違い、今ではESM,欧州安定メカニズムがしっかり機能していることがわかります。

6月29日の大幅下落相場のブレの中に納まったドル円、日経平均

ギリシャの投票結果が公表される5日には29日よりさらに厳しい相場の下落を予想していたのですが、実はふたを開いてみれば、東京、ロンドン、NYと相場が一周してみても驚くほどの下げにはならずに済んでいる状況で、ユーロも同様に29日のような下げも爆発的な買い戻しも示現していない結果に落ち着いています。

一部のメディア報道はギリシャのデフォルトとその後のEU離脱をきわめてエモーショナルに報じていますが、現状は市場においてはそこまでクリティカルな状況ではなく、Grexitまでは物理的に時間もかかるため、この件で決定的な相場下落がごく短時間に起こるとは思えない状況になってきていると言えます。むしろギリシャ問題で下落したところは日経平均とドル円に関してはいい買い場になりそうな雰囲気となっているのです。

中国株式市場のほうが寧ろ問題

ただし、気をつけなくてはならないのが中国の株式市場の問題です。連日猫の目もびっくりであるほど不可思議な信用取引に対する是正措置と金融機関に対する融資緩和措置が発表され、その都度爆騰してはストップ安をくりかえす市場ですが、実はこちらのほうが全容がわからないだけにいきなり引き金がひかれて底が抜ける可能性が高くなっているように見受けられます。ギリシャ問題で底値と思い買ってみたら中国バブルの崩壊でさらに底が抜けて真っ逆さまに落ちないように気をつけることが必要で、これをどう見極めるかはかなり難しい状況に入ってきているといえそうです。(執筆者:坂本 博)