世界のあちこちで再登場するようになったデフォルト~でも一体正確な定義って何?


ギリシャの債務問題の観劇を縫って登場したプエルトリコのデフォルト問題。また7月23日にはあのウクライナにもデフォルトの危機が迫っているといいます。
しかし、ギリシャは6月30日の返済期限を越えてもIMFは遅延などと言い出して、いまだデフォルトが正式に認定されていない状態となっています。なんだ、債権者がデフォルトと言わなきゃデフォルトじゃないのかよ?と不可解に思われている方もさぞや多いことと思います。このデフォルトというのが一体どうやって決まるものなのか?についてまとめて見ました。

まずは一般的な定義から・・・

本来のデフォルトの定義というのは至ってシンプルです。借入をした人間もしくは国が自らの借入について、約束通りの利息の支払や元本の返済を出来なくなることが即ちデフォルトそのもので、日本語では債務不履行と呼ばれるものです。この要件から見ればだれが見てもギリシャの6月30日期日でのIMFに対する不払いはデフォルトのはずなのですが、これが実際のデフォルト判定となるとさまざまな要素がその判断基準に登場することになるのです。

ECB,IMF,ISDAの個別判断がデフォルトを決める

現時点ではギリシャを例にとるのがもっともわかりやすいので、あえてギリシャを中心にしてご説明しますが、デフォルトを認定する組織や機関というものはそれぞれに異なるものが並行して存在するややこしい状況があるのです。

一般的にメディアなどで目にするのは格付け機関、たとえばS&Pやムーディーズなどによるデフォルト認定となります。2011年のギリシャ危機の際にもこうした世界的な格付け会社が債務の減免やリスケジュールの実施でもデフォルトと認識する可能性について頻繁にコメントを提示して市場の注目を浴びました。

さらに今回のギリシャのデフォルトの認定にあたっては、欧州圏を統括する欧州中央銀行(ECB)やギリシャに直接的に支援金を貸し付けたIMFによる判断と決定があげられるのです。

一方テクニカル的にはISDA(International Swap and Derivatives Association)、国債スワップ・デリバティブ協会による認定もCDSの支払いに大きな影響力をもつためきわめて重要となります。

ISDAの会員が合意した事項というのは社会的に強制力を持たない単なる業界のベストプラクティスとして公表されますが、これは各国規制当局や他の業界団体との密接な対話を経て形成されることから、事実上の世界標準として機能しているのです。

デフォルトはそれに関連する保険の支払いといった実務取引にも大きな影響をあたえるため、それぞれの関連機関が独自の判断を下すことになるのが特徴で、IMFがデフォルトと口走ったらデフォルトになるというほど簡単ではないのです。しかも今回は政治的に配慮している部分があり、過去のジンバブエのケースを見ると最終的判断は一ヵ月後ぐらいになるのが定石となっているのです。これでは何がデフォルトかわからないという話になりがちですが、確かに実情はきわめて不明瞭な状態の中にあるといえるのです。(執筆者:坂本 博)