[解説]7月2日の雇用統計 判断できる2つのこと


シカゴ購買部の景況指数こそ94.6と予想以下になってしまったものの、6月度の消費者信頼感が久々に100を突破、雇用統計の前哨戦であるADPは予想が20.3万人だったのに対し、結果は23.7万人、両ISMも予想外のポジティブサプライズとなるなど、マインド指標、実態指標ともに上向きに向かっている傾向がみてとれた1週間でした。

とはいえ、一時期の暗雲もようやく晴れ、アメリカ経済は好調に湧いた……と思ったところへの、雇用統計の予想下回りは、市場のイケイケムードに水を差す格好となってしまいました。

雇用周りは改善しつつあるものの、今回焦点となったのは、時間あたりの賃金です。これが上がっていないことを受け、物価上昇(≒インフレ率)はFRBの予想を上回るものではないと市場は判断し、利上げ期待は遠のいてしまいました。

もちろん、一時期に比べれば悪い数字ではありませんし、アメリカ経済の力強さを裏付ける証とすら言えるでしょう。しかし、この雇用統計をみて、ダウは弱い動きをみせました。

ここから判断できるのは2つです。1つ目は以前のように、弱い指標を受けても、金融緩和を期待して株に買いが入るようなムード(利上げはほぼ前提とされ、ほぼ完全に織り込まれた)ではなくなったこと、2つ目は、市場がこういった雇用統計が20万人以上を超えるような数値を「当たり前」だと思い始めていることです。

こうなると今後、ひとたびネガティブ数値が出た時に一体どういう動きを見せるのかが気になります。アメリカのみならず、海外にも同じようなことが言えます。ギリシャ絡みも結局茶番に終わり、市場は一端V字を見せました。しかし、中国発のバブル崩壊懸念はまだまだ続いています。色々と警戒したいことは確かですね。(執筆者:大島 正宏)