ギリシャ債務問題行き詰まりにまたしてもちらつくロシアと中国の影


いよいよ18日のEUとの交渉期限に手の打ちようがなくなってきたギリシャ・チプラス政権ですが、為替相場のほうは飽きが来ているのか、たかを括っているのか、ユーロドルを中心にして大きな下げにはなっておらず、不思議な動きを継続しています。

このギリシャの債務問題は確かに複雑な問題が入り組んではいるものの、状況を見ていると明らかなのは、歳入に対して歳出が膨らみすぎていて、税収も少ないギリシャでは、緊縮財政なしという荒唐無稽の政権公約を掲げた政党に政治をやらせてもなにも変わらないということで、事実チプラス政権が就任する直前のギリシャは100億ユーロの資金についてEUと交渉をしていたはずが、今の政権になってみると400億ユーロにまでその額が膨らんでおり、明らかに国民は政権付託すべき人物を間違えたというのが根本原因になっているといえます。

最期にまた登場するロシア、中国

この18日のEUとの交渉が決裂してもテクニカル的なデフォルトが決定するのはほぼ1ヵ月後になるようで、さらに週明けにもEUでは緊急首脳会議が開催される見通しであることから、実態としてのギリシャ債務問題は7月にずれ込みそうな気配になってきています。

しかし西側の交渉団の気分を悉く逆撫でするのがチプラス首相のやり方で、18日にはのこのこロシアに訪問しこの場に及んでプーチンとの会談も予定されています。

米国が嫌がっているといわれるのは、デフォルトを確定した途端にロシアが中国とともに登場して、米国だけがのけ者になっているAIIBの資金などの拠出によりギリシャ支援を開始することだとも言われます。

すでにFX本陣のコラムでも書いていますように中国の国策系企業がギリシャの国有貿易港の民間は払い下げ入札に名乗りを上げており、国家破綻寸前の状況に欧州と地続きのギリシャをその橋頭堡にイラついていると言われます。

ギリシャデフォルト執行の強硬論がEUの大勢を占めていることはどうやら間違いないようですが、メルケル首相と米国だけはなんとかデフォルト、EUからの離脱はこの安全保障上の問題から回避させたいようで、EUがそれを押し切ってギリシャを見捨てるのか、今後もはっきりしない流れで交渉を続けるのかが18日の最大の見所となりそうです。

為替相場的視点ではデフォルトで明確なあく抜け感醸成も

この手の話はすでに政治の駆け引きになっていますから、いくら状況を占ってみても儲かる話ではありませんが、一旦ギリシャデフォルトというヘッドラインが流れれば、アルゴリズム主導の相場であるだけにそれなりにユーロは売り込まれることになるのは間違いありませんが、その後はあく抜け感から買い戻しがはじまり、かなりのショートカバーになることも予想されます。

ユーロドルでは1.1を大きく割らないかぎり上方向への戻りが加速することも十分想定され、1.15を超えれば逆に上昇トレンドにのることさえ考えられています。この流れを強力にサポートしているのがドイツ国債の金利上昇で、市場はギリシャ情勢よりも債券金利に明らかに連動しようとしていることがわかります。(執筆者:坂本 博)