株も為替も債券金利が決める時代に逆戻り


6月5日のECB会合の後の記者会見で、ドラギ総裁が「資産価格のボラティリティは高まる傾向がある。市場はボラティリティの高い時期に順応する必要がある」と警告を発したとおり、いまや世界中のアセット価格に大きなボラティリティが生じるようになってきています。

一部の事情を解さないメディアの報道では債券金利の上昇は一服などいう書かれ方をしていますが、実態としてはより深刻で、ドイツの債券利回りを10年ものでもマイナスになると読み違えていた債券投資家はこの間、巨額の損失を抱え込むことになっているのです。

とくに株と違って債券金利は原資が巨大なだけに1%以下の金利の上下動でも大きく損失を抱えることになるため、これをたいした問題ではないと認識することはかなり危険です。

すでに世界的な先進国の低金利時代は終焉


日本国内ではドイツの10年もの国債の金利の話しか登場しませんが、欧州各国の債券金利は軒並み上昇しており欧州圏ではQEの実施で日本よりかなり早く経済効果が示現しはじめてきていることからこの先金利はさらに上昇する局面にさしかかることも十分に考えられるようになっているのです。

利上げ時期が依然大きな話題となっている米国債についても10年債はすでにダブルボトムを形成しており、もはや上昇局面に入りつつあることをしっかり認識しておく必要があります。

株も為替も債券金利主導で動く時代に逆戻りが明確に

米国のQEの実施以降、為替と株、債券金利の関係はかなり崩れることとなり、とくに債券金利と株価が両方同時に上昇するという動きが長く続いたので、現状に違和感を持たれるかたも多いことかと思われますが、基本的に為替は各国の債券金利と連動する部分が大きく、また株は債券金利が上昇すれば当然のことながら下落するとう構図が市場にもどってきはじめています。

特にここ数週間のドル円、ユーロドル、米国ダウの動きは債券金利にかなり忠実なものとなってきているのです。ユーロドルの売買にドイツの国債金利を気にしなくてはならない時代が再来してきているのです。したがって為替相場の先行きがわからないと思ったときには必ず債券金利にたちもどってウォッチすることで先が見えてくることになりそうです。(執筆者:坂本 博)