米国の対円容認レートはいったいどこまでなのか?


先ごろドイツで開催されていたG7でオバマ米大統領が各国首脳らに対し強いドルは問題だと発言したと報道が出たことについて、ホワイトハウスはこれを否定する声明を8日に出し、金融政策などの手段を駆使して成長を促進することの必要性に言及したものだとわかったような、わからないような説明をしました。

ここからはあくまで類推の域を出ませんが、こうした発言は実際に口にされたからこそ露見してしまったのであって、ご本人も本当にそういった事実なのだろうと思います。これが嘘か本当かは今更いくら詮索してみても意味のないことですが、米国が個別通貨に対して容認できるレートが存在することだけは認識することができます。

米国の円安容認レートは一体どこまで?

米国サイドからのけん制発言が出る前に日銀・黒田総裁による確信犯的口先介入がでてしまったので、はっきりはわからないのですが、どうも米国の円安容認レートは125円程度と見られています

つまり5日の雇用統計の結果を受けてそのボタンが押されてしまったことは事実のようで、今後も相場は上値を試しにいくことになるでしょうが、128円程度まで上がればかなり米国サイドからけん制発言が飛び出すことになる可能性が高いのは容易に想像できるもので、ニュースのヘッドラインにそうした報道が出るたびにアルゴリズムが過剰に反応して売り浴びせが出る危険性があることだけは理解して取引する必要がありそうです。

米下院でTPA法案について審議入り

TPPの鍵を握ると言われるオバマ大統領への貿易促進検眼(TPA)の審議がいよいよ米下院で始まろうとしています。この状況からもドル円は一方的に上昇しにくい状況が続きそうです。

ただ、口先介入は2回、3回と回数を重ねるうちにその効果を漸減させていくものですから、125円以上はありえないと思い込むのは危険です。ドル円は120円を割るような事態となれば明らかにトレンドが変わってくると思われますが、肝心要の米国の利上げはこれから始まるものであり、日米両政府が容認するしないの可否にかかわらず相場が上方向を依然として向いていることが間違いありません。(執筆者:坂本 博)