すっかり飽きたけど今一度ギリシャ問題の見通しを整理してみる


市場ではすっかり飽きがきて株も為替もまともに反応しなくなっているギリシャ問題ですが、新たな最終合意期限とされる6月5日まで2週間となってきていますので、改めてこの先どういうことが予想されるのか整理しておきたいと思います。

ここでも過去に何回も取り上げているネタではありますが、直近でどういうことが起きようとしているのか、ごく簡単にまとめてみました。

2012年と2015年のギリシャ問題の違い

2012年にも事実上のデフォルト騒ぎを起こしたギリシャですが、このときにはユーロ全体の崩壊の危機にあったことは事実でかなりクリティカルな状況だったことは間違いありません。

ただ2015年の現状は、ECBを中心に危機管理システムが構築され今何が起こっても欧州の小国であるギリシャだけに収まる問題になってきているということです。ECBは欧州各国の国債をQEのもとに粛々と買い入れていますがギリシャ国債だけは買い手のいない状態が続いているのです。

6月5日はギリシャ議会の議長が勝手に決めた期限

現在マスコミに流れている6月5日の期限というのはEUとギリシャとの間で話し合われているものではなく一方的にギリシャ議会の議長が決めた期限であるため、実はなにも起きないことが予想されます。ただひとつだけ事実があるとすれば、ギリシャは今度ばかりは本当にお金がないということです。

6月5日になにも起こらないといったいどうなるのか?

(1) まず交渉期限をさらに延長して新しい交渉を開始することが考えられます。

この場合、交渉はだらだら続くことになります。

(2) 交渉をどうするかについての国民投票の実施や解散総選挙も考えられます。

この選挙や投票次第ではチプラス政権が終了し緊縮財政政権が復活することも考えられます。こうなれば追加融資が実行され一旦は修羅場回避となるわけです。

(3) 一時的にユーロと株式市場に大きな影響がでる可能性が考えられます。

逆にチプラス政権が再承認されれば反緊縮政権が継続しますがこの時点でデフォルトは決定的な状況となるため、銀行預金の流出が始まり、ギリシャ市場は大混乱がはじまり、一時的にユーロと株式市場に大きな影響がでる可能性があるということです。

最近の動きは事実が露見して大騒ぎになること

これまではうわさで買って事実で売るといった市場の折り込みが進んだものですが、最近の為替市場の動向は事前は知らんぷりで、いよいよ事実が露見して騒ぎになるケースがほとんどとなっています。

どうしてこうもセンチメントが変わったのかはわかりませんが、ギリシャで日がついたところで初めて騒ぎが再燃することはありえそうです。

5月22日にはユーロ上昇のきっかけとなった対ドル1.10500をなんと言うこともなく割り込みましたので今週の動き次第では再度パリティ方向に逆走することおありうる状況となってきているのです。

IMFの返済だけEUが金を貸す可能性も

IMFへの不払いが生じることはEU圏の信頼が失墜することにもつながりますのでEUはこの金だけは貸し付ける可能性があり、問題はEUとの向き合いだけに絞られることも考えられるのです。

ということで、もっとも肝になるのは現政権が承認されるのかガラガラポンが再燃するのかにかかってきています。ギリシャがデフォルトすればロシアと中国がでてきて資金提供し、いきなり国際的な安全保障上のリスクが高まることになるため、米国をはじめとしてその状況を危惧する声がかなり高まっています。

結局収まるところに収まる可能性は高くなっていますが、一旦禊が行われないと治まらない可能性が出てきていることは間違いないようです。さて市場の現実はいかに?(執筆者:坂本 博)