根強い利上げと緩和期待、実ははめ込み?


最近のドル円に顕著な特徴として、下げるときは数時間かけて20銭前後のジリ下げ、上がるときは30分といったような傾向がみられます。

これで上下どちらかに動きがあればいいんですが、基本的には119円―122円の狭いボックスレンジをさまよっているのが現状です。しかし、これも全て「利上げ期待」と「緩和期待」がもたらすものだと一般的には言われています。

ここでいう緩和期待とは、日銀の緩和を市場が期待しているというものです。

日本国内に住んでいる我々からすると、追加緩和が行われるということはまずないだろうと体感的に分かるものなのですが、海外在住のトレーダーの間では定期的に日銀が追加緩和を行う可能性を示唆するレポートなるものが話題となります。

これが信憑性のない謎の人物によるものならいいんですが、大手証券会社や投資ファンドが堂々と出してくるレポートだからたちが悪いんです。

これは、アメリカの利上げ期待ムードにも同じことが指摘可能で、議長がハト派である時点でどう考えても6月に利上げが行われるとは思えないような状況にも関わらず、利上げ期待観測と名打った謎のドル買いが出動してきます。

しかし、こういった大手証券会社や投資ファンドのレポートという大義名分による買い上げ・売り込みは、実際のところ「はめ込み」の一種なのではないか、と筆者は睨んでいます

つい最近も、欧米の大手証券会社5つが自分たちに有利な指標情報や顧客情報を共有し合って、投資家たちをはめ込んで金銭を巻き上げていたことから、5000億円の罰金をアメリカ政府より下されるという事件がありましたが、これと同じようなことが、こういったレポートでも行われているのではないか、ということです。

冷静に考えればありもしないような噂をバラまき、初動だけ自分たちで売買することで、市場をうまく牽引する……何やら陰謀論めいた話ですが、こういった事件が明るみになっただけに、全くの妄想だと片づけられる類のものでもないと筆者は考えています。

翻ってドル円に話は戻りますが、売り込まれたところで、こうやって謎のレポートがだされ買い上げられ……の繰り返しを見ていると、なんだか彼らに踊らされているだけのような気がしてきます。

踊らされているだけでなく、レンジ相場であるならあるで、うまく彼らを利用したいものですが……。5月23日はイエレン議長の講演があります。ハト派と言われている議長なだけに、6月利上げ期待を一掃するような発言が飛び出すのか、注目ですね。(執筆者:大島 正宏)