まだまだ残るギリシャリスク 5月末に再度山場が近づく


すっかり日常的にギリシャリスクの話に慣れきってしまい、まったく金融市場では反応がなくなってしまったギリシャ問題ですが、実は問題はまだまだこれからというところに指しかかってきています。再度整理して今後考えられるケースと投資方法を考えてみると次のようになります。

1)最悪のケース・新ドラクマ発行は大きなリスクが発生

ギリシャのデフォルトも大きな注目点ですが、ユーロから離脱して独自に新ドラクマを導入する場合、かなりのリスクが欧州圏に広がる可能性があります。

ギリシャ政府はしききに自国内で利用できる通貨(ほとんど地域振興券のようなものですが)を考えているようですが、正式に国内に別通貨を発行することになると一旦預金封鎖を行って銀行口座を凍結し、強制的に切り替えを行うことは間違いないため、ユーロ離脱の国民投票が行われることが決まっただけで銀行での取り付け騒ぎが起きる可能性が極めて高くなります。

この状況はギリシャの国家のみならずギリシャ企業も支払い不能から破綻をする可能性がでてきますし、スペインやイタリア、ポルトガルの国債も暴落する可能性が高く、再度ユーロ危機を迎える可能性が高いといえます。

このあたりのリアリティのある動きについてはあまり検証されないまま離脱の話がされていますが、実は想像以上に大きな問題が起きて、その段階ではじめて大騒ぎになる可能性があるといえます。

2)デフォルトをしてもユーロ残留の場合

現状のチプラス政権は国内企業における会社更生法の適用のようなことをしきりにEUと交渉していますが、6月30日を待たずにいよいよ資金不足からデフォルトだけがやってくる可能性があります。

現状ではEUやIMFが求める改革要件を満たさないため、この状況がもっとお起こりやすくなります。デフォルトの宣言で一旦はユーロも大きく下落することが予想されますが、1)に比べれば小さいとは考えられますが、2012年並の騒ぎになる可能性は想定しておく必要がありそうです。

ユーロ離脱というのは仕組みとして確立していないだけにこの形になる可能性は現状ではもっとも高いといえます。

3)デフォルトも離脱も回避する場合

市場がなんとなく解決がつくのではないかと思っているのが、このデフォルトも離脱も回避するケースです。ギリシャの離脱は北アフリカやロシア、中国との予想外の結びつきを強くする可能性が高く、ドイツのメルケル首相は新たな安全保障上のリスクをこれ以上大きくしたくないとはっきり明言していますから、この可能性が現状では依然高いといえます。

とくに国民の半数以上がEUからの離脱を望むイタリアが離脱に走ったりした場合、イタリアの債務はドイツのGDPの7割を超えるものとなっていますので、IMFを含めてだれも支えられなくなり、大変な混乱を招く可能性があるということです。

したがって、この月末から6月にかけては、1)や2)のシナリオが実際に起きたらどうなるかを想定して投資を考えておく必要もありそうです。

既にすっかり飽きた感もあるギリシャ問題ですが、影響がでるのはまだまだこれからで、しかも結構大きな引き金になる可能性があることを想定しておいたほうがよさそうです。 (執筆者:坂本 博)