よくあたる? アトランタ連銀の『GDP Now』


米国の1~3月の実質GDP成長率が前期比+0.2%と、ほとんどゼロ成長となったことが今後の米国経済に対する懸念を高めているのはご存知のとおりですが、アトランタ連銀がリアルタイムGDPを試算して公表している『GDP Now』と呼ばれる数値が米国の金融筋ではよくあたるとして注目されてはじめています。

アトランタ連銀が3月17日時点で予想していた米1-3月実質GDP成長率は+0.3%でしたが、29日発表された同GDP成長率は+0.2%で僅差でほぼ的中させています。

今後このGDPの数値の変化が米国の利上げ時期にも大きな影響を与えるだけに、アトランタ連銀から発表されるGDP予想値は今後GDPの正式発表前にドル円を大きく動かしそうな気配です。

単なる雪のせいだけではなさそうな米国経済減速

14年10-12月期の同+2.2%のGDPから大幅に減速した米国経済は、今年も厳冬のために個人消費にブレーキがかかり、強すぎるドルが具体的に輸出に響きマイナスになっています。1-3月期は米経済の約7割を占める個人消費支出が前期比年率+1.9%と、4%強の伸びを示した前年10-12月期から大きく後退しています。

設備投資の大幅減少は、米国の設備投資の4割を担っているシェール関連が軒並みストップしていることによるもので、WTIの原油価格が70ドル以上に戻さないかぎりは簡単にシェールがらみでの設備投資はもどってこないと予想されはじめています。

FRBを悩ます1937年の亡霊

この状況での利上げは1937年リスク、つまり利上げがきっかけとなって大変な金融危機が起こることとなった状況の再来を心配する金融関係者は多く、長期停滞論で有名なクリントン政権後半の元財務長官であるローレンス・サマーズも大手ヘッジファンドの創業者レイダリオも異口同音にこのリスクを指摘している点がFRBに利上げブレーキに対するプレッシャーをかけていることはどうやら間違いのないことのようです。

4月のFRB声明は現在の経済状況を一時的なものとしていますが、8日に発表されるNFPがどのような数値になるかもこの先の経済状況を占うものとして注目されそうです。(執筆者:坂本 博)