ドル円の上値追いには注意!


予想通り日銀が金融緩和を見送ったことで、119円前半まで下落したのち、一気に150ppほどの上昇で見事にV字回復したドル円ですが、果たしてこのまま上がり続けると言えるのでしょうか。

私はこのV字回復の持続をかなり懐疑的に見ています。もちろん、無意味に上昇するということはないので、何らかの買い上げ理由があったものだと思われますが、このまま買い上げる理由が短期的・中期的には全く存在しないからです。

長期的には日米金利差から円キャリー取引が活発になると思われるので、ドル円にも円安圧力がかかってくるのですが、アメリカの経済が低すぎるGDPに代表されるがごとく失踪気味なうえ、日本もこれ以上の追加緩和が見込めないという状況では、アメリカの利上げが遅れ、日本が出口戦略を検討しているも同じなので、円を売ってドルを買うメリットがほとんどないに等しいからです。

さらに懸念すべきなのが、シカゴ筋に代表されるヘッジファンドの円買いポジションが週を追うごとに増え続けている点です。このペースが続けば、数週間以内に円の買い越しが起きることは確定的でしょう。

これだけの円買いにも関わらず、本邦の買い支えが相殺してしまっていることは注目に値しますが、これ以上円安を進めて「為替操作国」のレッテルをはられることは、TPP参加も踏まえ日本としても避けたいはず。

つまり現在のドル円上昇は、「遠い将来に利上げが起きるから」という理由以外、なにもファンダメンタルの観点からは買われ続ける要因がないのです。テクニカル的にも月足はMACDがダウントレンドを示し始めています。よって、売りで入ることは避けたいにしても、高値をこれ以上追い続けることには、十分注意した方がいいでしょう。(執筆者:大島 正宏)