アップルの株価がきっかけ? 米国株のバブルが崩壊するとき


ドル高によってアメリカの製造業にブレーキがかかっているのは周知のとおりですが、決算の数字を見てみると製造業に限らず、アメリカの企業全体がドル高によって利益を損なっていることが明らかになっています。

Financial Timesの報道によると、ドル高によってこの四半期だけで200億ドル分の利益が全米の企業から失われた可能性があるとのことです。見通しよりも利益を減少させた企業は55%にのぼり、多国間企業は軒並み10億ドル以上の利益減少を起こしているようです。

一方、そんな中にあってもテクノロジー企業の株価は強く、テクノロジー企業が集中しているナスダック平均株価指数は先日史上最高値を記録し、世界中の株価が踏み足するなか、留まるところを知りません。

すでにダウ平均株価の仲間入りしたアップルも高値更新の例外ではなく、勇ましい利益予測が並んでいます。しかし、先述したFinancial Timesは1月にアップル自身が為替変動によって利益を20億ドルほど削がれるかも知れないとレポートしていたことを示し、昨今の稀に見るドル高によって、予想外に営業利益が下振れするのではないか、と慎重な見方をとっています。

また、ナスダックの絶好調ぶりも2000年に弾け世界中を恐怖に陥れたドットコムバブルの再来ではないか、という指摘も出てきており、テクノロジー企業の親玉であり、世界で最も企業価値が高いアップルの下振れをきっかけとして、株価を主導としたリスクオフムードが、株や為替を問わず、世界中に一気に蔓延する可能性は否定できません。(執筆者:大島 正宏)