前日、当日の高値安値の向こうにトレーダーが見える ショートカバーについて改めてその動きを考える


ここ2週間近く、ドル円は比較的値幅の大きなレンジ相場を延々と繰り返しています。その相場の中でも結構頻繁に起きているのがショートカバーです。

ショートカバーとは、売りポジションの買い戻し全般のことを指すもので、特にFX市場だけに限ったものではありません。

しかし、為替の場合にはこのショートカバーが急激に進むポイントというものが確実に存在します。その急激に進むポイントに関連するのがトレーダーの置いているストップロス(損きりポイント)の存在です。

ストップロスのポイントは前日の高値・安値、基準線、転換線ラインから判断できる。

国内の店頭FX業者の業界団体が発表している国内FX個人投資家の証拠金合計はほぼ1560億円程度とされています。

しかしGMOクリック証券やDMM証券などでは今年の1月に月間で1社につき140兆円以上の売買取引実績を記録しておることからもわかる通り、ほとんどの個人投資家は長くポジションを持つよりもスキャルピングやデイトレのような手法で売買を驚くほどの回数繰り返していることがわかります。

つまり1日の高値、安値の中で売買をするのがほとんどとなってくるわけですから当日および前日の高値、安値のポイントを見ればそこから20PIPSないし最大でも50PIPSあたりに損きりの逆指値を置くユーザーが多くなることは誰でも容易に想定できるのです。実はこのことをもっとも意識しているのがインターバンクディーラーなのです。

市場はショートに傾きすぎると下がらなくなりいきなり大きなショートカバー発生

ここ2週間程度のドル円の動きを見ていると、119円が割れて118.800円位まで下げてくると、もちろん買いを入れている実需筋がいるから相場がそれ以上さがらなくなるケースもありますが、下落時に一定のストップロスを巻き込んであまりにもショートが膨らみすぎて逆に買い手がいなくなると、それ以上下落しなくなり、徐々に買い戻しが進むにつれて相場が上昇していくことになります。

一定のライン、たとえば当日の高値が119.200円だとするとそこから10銭程度上のライン、つまり119.300円あたりにショートを持っていた人たちの上値のストップロスが大量に並ぶことになりますので、ここを超え始めて戻ると一気に相場が上昇してしまうというケースが非常に多くみられるのです。

もちろん、上値の抵抗ラインの上や下値のサポートラインの下にストップロスを置くユーザーも多いのですが、1日の取引では当日や前日の高値、安値の周辺にストップロスを置くユーザーがほとんどであるため、このポイントをあえてインターバンクのディーラーがつけにいくケースも多く見られます。

最近のドル円相場の上昇はドルを買うよりもストップロスをつけて損きり売買をしているケースも多く見られます。これを単純な買いだと見誤るとまたまた大きな損失を招きかねませんので、この見極めも重要になります。

取引コストを超えたストップロスがどこに置かれているのかをよく考えるのが得策

国内の個人投資家の8割以上がドル円の取引を行っており、取引者全体の9割が負けて証拠金を失って退場しているのがこの業界の特徴ですが、デイトレやスキャルピングではその日もしくは前日に買いもち、売りもちにしているポジションというのはどんなに努力してみても相場が動いた上下の中にしか作れないわけですから、逆張り大好きな日本人の個人投資家のポジション所有のポイントというものはかなり見透かされているといえます。

ストップロス狩りなどということばもよく聞きますが、東京タイムのドル円の最高値でショートを振っているプレーヤーが多いとなると、ロンドンタイムの序盤にかならずその損きりポイントを超えるところまで一旦買いあがってから相場が下がるといった不可解な動きがでることがあります。

これはまさにインターバンクによるストップロス狩りで、一度持ち上げてストップロスをつけてしまえば、今度は相場をさらに下げやすくなるため、利益獲得を含めてこうした動きがでることになるのです。

相場は明らかに下向きなのに意味不明に上昇してしまうような場合は、ほぼこうした損きりポイントと関係のある動きであることを意識しておく必要があります。ストップロスによってショーとカバーは猛烈に加速することになり、最近ドル円やユーロドルではこうした動きが非常に頻発するようになっていますので十分な注意が必要となるのです。

個人投資家が考えていることというのは、特に日本人の場合にはかなり似通っています

相場の流れに逆らってはいけませんが、皆と同じ発想でトレードをしていると結局相場の動きに巻き込まれて退場を余儀なくされることになるのです。ショートカバーの動きなどはまさにその典型例ということができそうです。ゴールデンウィークの休みにかけてはこうした仕掛け売買が頻発する時期でもありますので、用心するに越したことはなさそうです。(執筆者:坂本 博)

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