日銀の金融抑圧政策は物価上昇よりも国際金利低減が最大の目標?


ここのところ日銀の要人から、当初2年で2%の物価目標達成の話が急激に後退しはじめています。当初は今の日銀による金融抑圧政策はすべてデフレ脱却で人工的にインフレを起こすことに注力しているのかを思いましたが、最近の要人の発言からその意図が透けて見え始めています。

結局金利を上げないことが第一義的?

現状では、今の政権は緊縮財政も行わないまま史上最大の予算編成が可決させていますが、1000兆円を超える国債の発行で金利が4%なり5%なりに上昇すれば、消費税分すべて利払いにしても足りなくなるのがこの国の財政状況ですから、結局のところ日銀の政策の最大のポイントは物価上昇そのものよりも金利を絶対に上げないことに注力していることが当初2年目標の反故ですでに見え始めているといえます。

2%達成で量的金融緩和政策の大義名分はなくなったときが問題

現状では原油価格の下落のおかげでQQEを続ける大義名分は残されています。しかしこれは黒田総裁の口にするように年内になんとなく達成にこぎ着けてしまいますと、その先は金融緩和についての大義名分はなくなることになります。

これ以上QQEができないということが明確になりはじめると株も為替も大きく崩れるタイミングやってくる可能性が高まります。足下では4月30日に日銀の追加緩和がでるかどうかの思惑が海外の関心事になっていますが、問題はその先にあるといえます。

1000兆円を超える国債発行額はもはや国内の投資家だけでは支えきれない

国債暴落論を唱えるアナリストはこれまでにも何人も登場してきていますが、これまではそのほとんどを国内の投資家が買い支えてきたため、他国で生じているような売り浴びせ状況というのは、ほとんど日本には起こったことはありませんでした。

しかし1000兆円を超える国債発行額規模は今後いやでも海外勢の購入を余儀なくされることになり、こうした海外勢がことあるごとに日本国債を売るようになれば、当然利率が上がる事態に陥ることは間違いない状況です。

ある国内系シンクタンクの予測では2017年には金利の上昇が始まる可能性があるとされています。ハイパーインフレの足音が少しずつ近づいてきているともいえるのです。

貿易赤字も原油安で解消

3月の貿易統計が発表になりましたが大幅な黒字に転換されたことが確認されており、実需ベースで考えると年間13兆円にも及ぶ貿易赤字が解消すると円安支援がなくなることを示唆しています。

QEの限界、貿易赤字解消、国債金利の将来的上昇を考えた場合、この先円安一辺倒を想定しづらくなってきていることはファンダメンタルズとして早めに認識しておいたほうがよさそうな状況です。 (執筆者:坂本 博)