欧州株式市場と国債金利がユーロに与える影響について


 連日高値を更新して話題になった欧州株式市場ですが、これは言うまでもなくQEの影響といえます。しかしこの株高がユーロに微妙な影響を与えようとしていることに注目しておく必要があります。現状では米国経済指標が軒並み悪いことからドル売りでユーロ高になる局目がでていますが今後ユーロが自律的に高値を更新していく可能性がでてきているのです。

株高で金利のつかないドイツ国債から株式市場に資金シフトの恐れ

 それはマイナス金利になりつつあるドイツ国債などから株式市場に資金が大幅シフトしてく可能性が出てきているからです。マイナス金利となる国債を保有していても意味がないことから国債を買っていたマネーが株式市場に移行することとなれば、当然ドイツをはじめとする国債金利は上昇に転じることとなり、これが自律的なユーロ高を生み出す可能性につながっているのです。

ユーロドル1.1付近で何度も止められた背景は外準のリバランスか?

 過去1ヶ月あまりユーロドルは1.10500あたりで何度も止められそれ以上上値を試すことができずにいますが、これは一説によると、どこかの中央銀行の外貨準備のリバランスからこのレベルで大量のユーロ売りが出ているためだという話がもちあがっています。

 以前にも書きましたが外準は完全な買いきりダマですから非常に市場に対するインパクトが多く、しかもそのボリュームが大きなものとなるため、相場に対する影響もかなり大きくなる傾向にあります。

ユーロは当座のダブルボトムをつけた可能性あり

 ユーロはドルに対してパリティとなる可能性を引き続き残していますが、一旦底打ちをした可能性もあります。1.05に迫るところでは買いも入り、簡単に1.04方向まで落ちていかない状況です。

ギリシャ問題は可視化されており市場は織込みはじめている

 ギリシャのデフォルト問題は引き続きユーロの頭を抑えるリスクにはなっていますが、すべての状況は可視化されているだけにテールリスクにはなっておらず、仮にデフォルトとなってもその影響はかなり軽微なものになる可能性が出てきています。

 最近のドイツをはじめてとする経済指数は比較的いいものが多く、引き続きドイツ経済が堅調であることを示しています。今後QEの影響でユーロが一方的に下げるかどうかは微妙な状況で、ドイツをはじめとする金利の動向に注視していくことが肝要といえそうです。 (執筆者:坂本 博)