10年来のレンジ下限にタッチした「日経VI」 一体何が起こるか?


 先日、VIX指数のレンジ取引に妙味があるという話をしましたが、今回はVIX指数の日本版「日経VI」について語ってみようと思います。日経VIは、S&P500をもとにしたVIX指数と同じで、市場参加者が日経平均の将来的な変動をどのように捉えているかと数値化したものです。この数値が高ければ高いほど、ボラティリティが激しくなる=相場が大きく変動する、というわけです。

 日経VIのレンジは20-40が基本です。ここ10年でみてもレンジ上限をブレイクしたのは、わずかにリーマン・ショックの時のみ。逆に20を大きく下回ったことは一度もありません。つまり、現在の19.80という数値(記事執筆時点)が何を意味しているのか、賢明な皆さんならすぐに分かっていただけるのではないでしょうか。

 導き出される回答は2つ。1つ目は、市場参加者が、「今後も日経平均は安定して上昇を続けるだろう」と考えていること。そして2つ目は、日経VIのレンジ下限をタッチしているということです。

 市場が総楽観ムードになった時、大きな変動が起きるのは、日本に限らずこれまでの歴史が示している通りです。くしくもロイターによれば、先日投資家を対象に行われた調査で、「株価が本来の価値以上に評価されている」と考えている投資家が2000年以来の高い割合で存在していることが明らかとなったばかりです。

 このまま、総楽観ムードが株価を更なる高みにおし上げるのか、はたまた日経平均2万円の壁を破ることが出来ずに「墜落」するのかは定かではありませんが、いずれにせよ、日経VIが下限レンジにあるという事実には、注意を払う必要がありそうです。(執筆者:大島 正宏)