ドル高は一旦終了を示唆か? NFP直後の相場展開から見る今後の動き


 エリオット波動の分析では業界でも一目をおかれている三菱UJFモルガンスタンレー証券のチーフテクニカルアナリスト 宮田氏がNFP発表の直前に発表しているウィークリーレポートによりますと、ドル円とユーロドルを次のように分析しています。

ドル円

 2011年の1ドル75.35円以来のドル高・円安のエリオット波動Aは、そのターゲットとなる124.14円に近づいており、今は3年あまり続いた円安が終わったのかどうかを見極める時期としています。とくに3月10日の122.03円をもって円安トレンドのA波が終わった可能性があることを同氏は指摘しています。たしかに124円までは2円ほど足りないものの、この程度は誤差範囲とみるのがエリオット波動の分析のようです。そして今後118.35円を切れるとこの状況は大幅円高への最初のきっかけになるとしています。

 エリオット波動のA波に続くのはB波のドル高・円高であり1ドル100.82円を見に行く可能性がありうるとしています。しかもこのB波が始まれば2016年5月まで続く可能性を指摘しています。

 このエリオット波動というのは実に許容範囲の広い分析手法なので個人が波動を分析してみても大きく間違うことが多いため、プロの発言が重要となるのですが、3日の米国雇用統計がADPの結果をさらに増幅させるぐらい悪いものとなっており、直近の米国経済指標の中で唯一堅調を保っていたNFPもついに息切れという数字になり、ドル円が再び118.70円台まで落ち込んで119円に戻れないまま越週することになったのは注目されます。

 もちろんイースターの薄商いという状況があるので割り引いて考える必要はありますが、チャートをつらつら眺めていると上方向はいったんお預けのようにも見えてきます。

ユーロドル

 ユーロドルは2016年を待たずにパリティ相場が現実味を帯びているとしながらも、ドル円と同様にドル高トレンドが終わったとするならば、比較的大きなリバウンドが示現することとなり、この可能性は40日MAである1.1022ドルを上回ると高められ、この場合1.1292から1.1808を目指す展開を指摘しています。実は金曜日にはすでに1.10268をつけていることから、こちらも一旦大きな戻りを試す可能性がでてきているのです。

 このテクニカルな波動分析は故意にしかけられる官製相場のPKOのような動きは加味されていませんので、そのまま信じていいかどうかは個人の判断におまかせすることになりますが、テクニカル的にはここまで来ており、すでにドル高の反転ポイントに差し掛かっている可能性があることだけは意識しておいてもよさそうな状況です。(執筆者:坂本 博)