ポンドユーロの新たなリスク~5月UKの議会選挙に注目


ギリシャ問題にも決着のついていないユーロ圏ですが、5月に向けて新たな火種となりそうなのがUKの議会選挙です。既に3月末で議会は解散しており5月初旬に向けて選挙戦がスタートしています。現状ではどの政党も過半数議席を確保できないハング・パーラメント状態となっていますが、その中でも大きな動きになりつつあるのが反EU政党躍進の状況です。

EUの財政負担金を嫌気する英国国民

 こうした反EU政党がここへ来て躍進し始めている背景としてはEUの加盟国に対するGDPベースでの財政負担金の支払いにあります。UKについては日本円で約2800億円の追加支払いを求められていますが、現職のキャメロン首相もこれに不払いを宣言しており、EUとの関係は必ずしもうまくいっていないという背景があります。またギリシャのために余分は負担をしたくないという国民感情も根強く、今回の選挙でこうした国民の不満が強く現れれば反EU政党が大きく躍進することも考えられるのです。

2017年実施予定のEU離脱の可否をめぐる国民登場が前倒しになる可能性も

 この選挙結果を受けてさらに注目されるのが、UKがEUに残留するのかどうかについての国民投票が新政権次第で早まる可能性があることです。労働党が政権を握ればこのままEUに残留することは間違いなくなりますが、反EU政党を中心に連立内閣が誕生すれば、かなりEU離脱のリスクが高まることが懸念されはじめています。

シティの金融機関はUKのユーロ離脱に備えてUKからの移転も検討中

 面白いにはロンドン、シティに本拠地を置くユーロ圏および米国の金融機関がまさかの時に備えてUKからの撤退を検討していることです。実際にどれだけの可能性があるのかはまだはっきりしませんが、昨年のスコットランド独立の住民投票の話を考えれば、この関連の世論調査だけでもポンドとユーロの相場が上下することだけはかなり可能性が高くなりそうでゴールデンウィークのあたりは十分な注意が必要となりそうです。(執筆者:坂本 博)