為替市場を動かす隠れた巨大マネー 「外準」って何だ?


 IMFが先ごろ発表したレポートによりますと、各国の中央銀行が保有する外貨準備高は実に日本円にして1430兆円にのぼることがわかりました。この外貨準備高は通常、金融業界では外準と呼ばれているもので、各国ともに自国の経済と通貨を守るために外貨準備を行っているのです。この1430兆円のうちのほぼ半分ぐらいが日本と中国で占められており、ロシアがそれに次ぐ国となっています。

 外貨準備は為替介入をしたりするときに利用するものが主となっており、1月のスイスフランショックの際にスイスの外貨準備高がGDPの7割になったということで話題にもなりましたが、こうした外準が増えることが実は非常に為替市場に大きな影響を与えるといわれているのです。先行きさらにほかの通貨に転換することがありうるとはいえ、とりあえず買いきりダマとしてマーケットで機能することから主要国の外貨準備にリバランスが起きるとかなり相場の流れが変わることになるのです。

 日本の昨年の貿易赤字は13兆円を超え、市場初ということで話題になりましたが、この各国の外準総額と比較するといかに大きなものかがわかります。特にこうした保有外貨のリバランスを行うので有名なのが中国とロシアということになります。

 とりわけ中国は元安にするためそれなりの介入を行っており、購入したドルをユーロや円にさらに変えたりして持つことから市場には大きな影響を与えることになります。ロシアも同様で、中国ほどの金額的インパクトはないものの、ドルやユーロの取引に絡むことがあるため、LONDON FIX以降の時間に不思議な為替の流れがでたりすることもあるのです。

 こうした中央銀行のディールは可視化されていませんが、かなりの金額になるという点では為替の世界では見逃すことのできない強力な存在といえるのです。とくに期末にリバランスがあると驚くほど相場が動くことになりますので要注意ですね。 (執筆者:坂本 博)