2万円至近の日経平均・東証の投資主体別売買動向を見れば買い手は一目瞭然


2万円至近の日経平均・東証の投資主体別売買動向を見れば買い手は一目瞭然
~噂や妄想で売買するトレーダーは早晩市場から消える~

 いよいよ日経平均2万円が近づいています。しかしこの高値で一体だれが株を買っているのでしょうか?

 巷ではGPIFが高値で買っているというまことしやかな嘘が出回っていますが、彼らは1万8000円を超えてからは買っておらず一部は売りこしに回っているのです。実は東証が毎週発表する投資主体別売買動向を粒さに見続けているとこの流れははっきりとわかるのです。

GPIFは高値で株を買っていない

 確かに1万8000円以下、1月の段階ではGPIFはしっかり買いを入れてきましたが、1万8000を超えてからはこの報告にある信託銀行の年金勘定はまったく買い越しにはなっていないのです。東証の発表データでは1月には現物と先物で計6818億円の大幅買い越しを行った信託銀行の年金勘定は、2月に入ってからは急激にその買いを逓減し、3月第一週には34億円の売りこしを行っています。マスコミやネットで噂されている準公的な組織の継続的な買いという話は実は誤報です。

2月からのHFの巻き返しで大幅上昇の日経平均

 一方、1月外資系ヘッジファンドは先物と現物を含めて2兆円に迫るボリュームを売っていますが、上述の予想外の日銀とGPIFの買いに驚いて突如として2月の後半から先物9割、現物1割程度の比率でほぼ1月と同額の2兆円を買い、3月に入ってもその流れを止めずに買いあがってきました。ただし先物と現物株の比率は実に9対1となっていますから明らかにデリバティブ主体の動きです。

1万9000円台に買いを入れているのはさらに別の海外投資筋

 しかし既にこの日本株のデリバティブに長けている外資系ヘッジファンド勢も買い増しはしておらず、一部は売りに回り始めているのです。ところが、欧州のQEスタートで爆騰する欧州株の過剰流動性の流れを受けて外資系のペンションファンドなどが日ごろ買い慣れていない日本株への買い遅れを巻き返すために1万9000円台でも積極的に買いを入れてきているというのが今の実態です。

 したがって相場の吊り上げ主体はあくまでデリバティブで先物を買っている投機筋ですから、短月で積み増してきている2兆円程度の資金は必ず反対売買の対象になることは記憶しておく必要があります。過去5年の4月、5月の東証の売買動向を見ていますと、4月は既に下げの始まる月であり、5月はSell in Mayそのものの状態が続いています。

 2013年前半のように海外投機筋の株買いに合わせて為替ヘッジのためにアルゴリズムがドル円を買い上げるという動きはまったく見られなくなっています。むしろこれが見られないということは、HF勢も先物の日経平均を長く持たない可能性のほうが高いことを示唆しています。大手のHFの半期決算が5月末であることを考えれば45日ルールで日本の統一地陽選挙終わりあたりに株の激下げが起こる可能性があると想定しておいてもよいのではないでしょうか?ほぼ5%で1000円下落となるとドル円がそれに付き合わされる可能性は高くなっています。

 24日現在で日足でのドル円の上昇トレンドはとうとう消えています。ここ数日で下値を試す可能性も高く、買い一辺倒の相場状況には大きな変化が訪れているように思われます(執筆者:坂本 博)