FX取引で常に話題になるのがオプション取引です、為替市場では様々なオプションが売買されており、このオプションの存在が相場の流れに大きな影響を与えることになるのです。昨年はドル円にこうしたオプションが居座ってまったく動かなくなるといったことも記憶に新しいところです。
そもそも通貨オプションって何?
通貨オプションというのは、事前に設定された特定の期日までに、あらかじめ設定された特定の売買を行う権利のことを言います。このオプションは、権利ですので、有利に働く場合には権利行使することもできますし、不利になる場合は権利放棄をすることも可能です。ただしただで手にいれるのではなく高い金額で購入するものですから権利行使できなければまったくの捨て銭になってしまうという性格のものです。
コールとプット
購入権利があるものをコールオプションと呼び、売る権利はプットオプションと呼ばれます。通貨オプションの種類としては次のようなものがあります。
バニラオプション
通常のオプションはアイスクリームのバニラにたとえてバニラオプションと呼ばれます。
エキゾチックオプション
様々な条件をつけたオプションのことをエキゾチックオプションと呼んでいます。市場でしばしば登場するのがバリアオプションで、オプション販売時に設定されたバリアに到達すれば権利が発生するというノックインオプションや、逆にバリアに到達したときに権利が消滅するノックアウトオプションがあります。一般的にはノックアウトオプションによく出会うことが多いと思います。
究極のダブルノータッチオプション
期間内にあらかじめ設定した上限、下限のいずれにも達しなければ有効になるというのがダブルノータッチオプションと呼ばれるものです。こちらは設定価格に近づくと購入者による防戦が行われますので、なかなか超えられないバリアになっていくのです。
デジタルオプション
デジタルオプションは、権利行使日に為替価格が権利行使価格に達した場合に一定金額の支払を受けられるというインセンティブの設定になっています。
このほかにもさまざまなオプションが販売されています。このオプションはプロの世界だけで売買される金額の大きなものが殆どですが、個人投資家向けのFXの世界でも小額で売買されているものがあります。バニラオプションだけが対象となりますが、IGマーケッツ証券やサクソバンクFX証券が扱っています。
個人投資家が利用するのはむしろバイナリーオプションが多くなっているのが特徴です。(執筆者:坂本 博)