NFPの好結果を受けて上昇したドル円は株価の下落に追随し下落~相場はテクニカルで見通せない


 6日に発表された米国の雇用統計はなんと雪の影響で発表が遅れる始末。結果は良好で、非農業部門雇用者数(NFP)は29.5万人増と予想(23.5万人増)を大きく上回っています。
失業率も改善し、産業調査の詳細を見ても、僅かですが一時雇用(テンポラリーサービス)の減少が続いています。

 また、家計調査からは、経済的な理由で仕方なくパートタイム労働を行っている労働者も減少傾向にあります。常勤雇用へのシフトも伺えますが、イエレン議長が指摘していた平均賃金の伸びや労働参加率は相変わらず冴えない状況となっています。

 この結果を受けてドル円は上昇、一旦前回のもみ合いレベルであった120.85の手前で止められましたが、そのままさらに上値を追う形となり121.24円レベルまで上昇しました。この時点で日経先物も1万9000円を超えましたが、案の定NFPを受けた米国ダウ平均は大幅下落して一時300ドルに迫るところまで下げて早期利上げを嫌気しています。

為替相場の後半はFOMC次第

 19日のFOMCで辛抱強くの文言が外れればさらにダウが下落し、それに日経平均もつられて下げる可能性もでてきています。2004年のグリーンスパン議長時代5月に同様にフォワードガイダンスから同じような文言が外れたときには日経平均はなんと7.6%の下落を見ています。今週は13日にSQですが、ここで思惑から一旦上げても19日の大幅下落の可能性があり、日経平均が変調をきたすとその下落にドル円もついていく可能性があります。

ドル爆騰についていかないクロス円

 6日にNFPで興味深かったのはドル円の上昇にクロス円がついていかなかったことです。とくにユーロ円はドル円に連動することはなく、ドル高は進んだものの円安が追随していないことが気になります。一旦ユーロ円がユーロドルに歩調を合わせて下げればドルは上昇してもドル円だけは別の動きをする可能性がでてきています。

 今年は各国の中央銀行の低金利政策合戦のおかげで相場が自立的に押しをつくらず大きなトレンドがでないため、ヘッジファンドすらも儲からない相場が続いています。テクニカルでいくら分析してもせいぜい買いすぎや売りすぎがわかる程度で下押しに政治的な買いが入るともはやチャーティスト全滅の相場になってきているとも言え、非常にやりにくい相場が続きそうです。ファンダメンタルズの動きに注目しながらトレードを心がけたいものです。(執筆者:坂本 博)