ドル円はどこまで上昇を続けるのか、ドル高円安にも限界アリ?


 ドル円の上昇が止まりませんね。理由は雇用統計です。これで昨年の9月から連続して20万人ペースで雇用が増大し続けていることになり、予想の+23万人を大きく上回る29.5万という数字からは、アメリカが完全に復調したことが伺えます。いよいよ次回のFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが行われるのでは、という話も聞こえてきています。

 アメリカが金利を上げるとなれば、ドルを持ち続けていた方が金利がつくわけですから、単純にドルを持とうとする人が増えドルの価値が高くなります。ましてや、日本と欧州という他のプレイヤーは金融緩和真っ盛りですから、ドル独歩高を阻む要因はもはや何もありません。ユーロドル/ドルの通貨ペアは、1.00も視野に入ってきたと言われています。

 とはいえ、はたしてドル円がこのまま順調に上がり続けるのかどうかは、やはり疑問を差し挟みたいところです。世界中が好景気に沸いている世の中なら利上げもいいのですが、アメリカだけが景気がいいという状況下で、そもそもアメリカがどこまでドル高を容認するか、というのが一つの焦点になってくるからです。日本が円高に喘いでいた時期を思い起こせば分かりますが、輸入品が安くなり消費が活気づく一方で、アメリカの根幹たる自動車産業にとっては大きなダメージだからです。

 また、日本政府がそもそもこれ以上の円安を望んでいるのかという疑問もあります。現在は株価が好調ですから政府関係者もトーンダウンしていますが、株価がひと段落つけば必ず何か口を挟んでくるでしょう。そもそも120-130円台は、以前「為替介入」があったレベルです。どこかで必ず牽制を入れてくるのでは、と私はみています。(執筆者:大島 正宏)