イエレン議長議会証言の玉虫色発言を市場はハト派発言と捉えドル円下落


 今週に入ってすっかり材料出尽くし感から期待されていたイエレンFRB議長の米国議会証言ですが、an equivocal reply、つまり玉虫色の発言ながら利上げを急がないととった市場は日本時間午前0時過ぎに119.840円近辺まで買い上げたドル円を投げ、結果的には100PIPS下の118.800円を下回るラインまで下落することとなりました。

 ただ、証言内容は読み手によってタカ派ともハト派ともとれるもので、明確な発言を避けた形でこれまで継続してきた長期停滞論をベースとした国策バブルの継続を示したもので、スタンレーフィッシャー副議長の考えをそのまま継承した形となっています。

 おかげで株価のほうは史上最高値を更新していますが、ドル円は119,800円レベルをイエレンシーリングとして118.200円レベルとの間のレンジ相場を継続しそうな気配となっています。

利上げを目指すものの無闇に市場金利が上がらないようにしたいパラドキシカルな政策目標

 今回FRBは利上げによって今後の政策コントロール余地を作りだしたいと考えているようですが、ゼロ金利政策を継続したのでは市場に対するコントロールができないため少しでも利上げをしたいものの、大きな利上げになっては市場金利が上がってしまうため、最小限にとどめたいと言うきわめて二律背反的な政策を打ち出そうとしているわけです。

 したがって景気減速や株価の大幅下落が伴うような形では利上げを行いたくないため、そうした市場への配慮が証言になると今回のような玉虫色になるといわけです。しかしここ1年あまり、イエレン議長が発言すれば中身がなんであれ上昇してきてドル円は同様のアノマリーを今回ばかりは踏襲することができずドル安という方向を示現することとなりました。

 本来GPIFやカンポなどが下支えしなければさらに下押しする調整局面を迎えてもおかしくはないわけですが、次回3月6日の雇用統計までの間にどこまで下値を確認しにいくことになるのかが注目されるところです。(執筆者:坂本 博)