【1月国内OTC】FX市場は史上最高の取引高~しかし個人投資家は儲かっていない その理由は…


 金融先物取引業協会が発表した1月の店頭FX取引高によると、取引高は661.9兆円(約5.61兆ドル)で、12月の640.9兆円から約3.2%増加しています。この数字は月間としては過去最高の数字を更新しており、個人投資家が積極的にFX売買をしていることがわかります。

 この取引額のほぼ75%強はドル円に投入されており、依然として国内FX個人投資家はドル円主体で取引をしていることがわかります。

 実際に1月のドル円の動きを振り返ってみますと上のグラフのようになります。年明けから下落傾向にあり1月15日のスイスフランショックで大幅に落ち込み、その後は回復基調をたどろうとしますが、月間の参加者のコストである21日移動平均線を越えられないままに1月を終了しています。

 これほどの活況を呈した取引情況なのにもかかわらず利益を出せている個人投資家は相変わらず2割以下にとどまっているのが現状のようです。主要な業者が開示している損益率でいうとほとんどは2割以下となっているわけです。この不思議な状況をとく鍵として注目されるのが外為オンラインが提供してくれているディールスコープと呼ばれる顧客のポジション推移が見られるツールにあります。

 通常FX業者は各社ともに顧客の売買比率は公表しているところが多いのですが、あくまで買いと売りのポジションを開示しているだけなので、おおよそのポジション状況しかわかりません。しかしこのディールスコープであれば1時間以上の時間枠であれば買っている人間と売っている人間のポジションの量と人数まで詳細にわかるのです。

 添付の資料は残念ながらこの1月の状況を示したものではなくあくまでサンプルですが、このディールスコープは総計6本のラインを表示してくれます。ゼロライン以下のところには黒で売りの人数、青が売りの総ポジションを示すようになっています。この図では赤のラインは買っている人数と売っている人数の差で緑のラインは買いポジションと売りポジションの差を示しているわけです。

 このディールスコープで1月の動きをチェックしてみますと、多くの個人投資家は自分のレベル感で下落すると買いを入れており、上がるとまた適当なところで売りを入れていることがわかります。したがって日足だけではわかりにくいのですが、東京タイムに上値で逆張りのポジションをつくるとロンドンタイム以降にさらに上に持っていかれて串刺しになり損きりを余儀なくされ、適当なところで逆に売りを入れられて下げられるといった刈られ方を繰り返していることがわかります。

 逆に下押しの局面ではレベル感で買いを入れるため、さらに相場が下落したところで、また損きりを強いられていることがわかります。1月で上下に流れが変わる時期は9回ほどあったことがチャートでわかりますが、実はこのほとんどが東京タイムではなくロンドンタイム以降に起こっており、東京タイムでのレベル感からの逆張りが上方向でも下方向でもことごとく切らされていることが見えてきます。

 もちろん市場のすべての個人投資家がこうした動きに巻き込まれているとは言いませんが、このディールスコープをみながら個人投資家が多く持っているポジションを反対売買しておけばかなり儲かることがわかってきているのです。

 確かに東京タイムで、ドル円を売買する個人投資家は非常に多いため、レンジ相場を形成しやすくなっているのですが、ロンドンタイム以降はインターバンクのディーラー筋に日本の個人投資家がどこにストップロスを置いているのか完全に読まれている気配があります。したがって最終的に下方向に下落する場合でも一旦上に持ち上げられてストップをつけてから落ちるといったことが多いのも気になるところです。

 毎月完全にこうした動きになるとは断定できませんが、ひとつ言えるのは、ドル円に関するかぎり東京タイムで作ったポジションはよほど底値で買ったとか月間の最高値で売ったとかでないかぎりはロンドン時間になる前に利益確定をしてロンドンタイム以降に引っ張らないことが重要であることが見えてきます。逆にロンドンタイムに動きがでればその動きにあくまで順張りでついていくことがかなりリスクを軽減することにもつながるようです。

 この時期にドル円で売買をされた方は月間9回の流れが変わった時期にご自身の作られたポジションの方向性が相場の動きと合致していたかどうか再度チェックしてみてください。ほとんど流れにあわせてポジションを作れているのであれば言うことは何もありませんが、これが悉く異なる方向に動いていたとなれば、短期的な方向感を明らかに読み違えていたいことになりますし、そのポジションを作った時間帯が東京タイムに集中していたとすれば、取引時間帯をあえて東京タイムからはずしてみるという工夫をしてみるのもひとつの解決策になると考えられます。

 これまでの動きを見ていますと、個人投資家はこの1月に限らず毎月コンスタントに相場の動きと反対の売買をせっせと継続していることがわかります。そして反対売買のボリュームが増えたときに必ず損きりをさせられているのが実情なのです。これを徹底的に分析してみると利益がでない状況の解決方法が見えてくるのではないでしょうか。 (執筆者:坂本 博)