2月12日木曜日夕刻のブルームバーグ報道がきっかけで2円近くドル円ダウン ~一体市場では何が起きているのか?


 1月15日のスイス中銀ショックのときでも最大2円弱の下げだったのに、たいしたネタでもないブルームバーグの日銀記事のネット掲載でいきなり2円近くドル円が下げた2月12日の午後5時半。その後米国の小売売り上げ高が悪く119.800円過ぎまで戻した相場はまた118円台に逆戻り。

 この二つだけでこれだけ相場が下がるとは思えないわけですが…きっかけとなったのはこの記事です。

 これは端的に言って日銀・森本審議委員の話ですが、同日の朝の日経新聞の記事に『沈黙破った追加緩和「反対派」 静かな警鐘』と先にでてきた話で、別に目新しい話はないのですが、ニュースのヘッドラインにアルゴリズム売買トリガーが動いてドル/円が急落したようです。しかも英語訳からみて日銀首脳のように訳されたことから外人投機筋が一斉にドルロングを反対売買して手仕舞いしたのが大きかったようです。

市場の見方は二つ

 この件については市場ではどうやら二つの見方が出ているようです。ひとつは4月の統一地方選挙向けにわざとこのタイミングで121円にドル円が乗らないようにけん制用にメディアを使ったのではないかというやらせ説が浮上しています。

 またもうひとつは日銀内部での不協和音説です。昨年10月31日の追加の量的金融緩和実行は審議委員5対4で可決されており、事実上黒田総裁が決めたことになっています。

 通常世界の中央銀行ではこうしたときには実行しないのが慣例になっていますので、無理をして黒田総裁が決めたのに結果消費税は先送りで完全にはしごをはずされた感じで、追加のQEがないこともありうるというメディアへのプレゼンスを高めるためのやり方なのではないかという説も登場しています。後者は明らかに日銀と現内閣との関係がおかしくなっているとの見方も浮上してきています。

いずれにしても相場のレンジは調整

 今週はかなり市場が疲弊してドル円ロングを切らされた参加者も多かったので、このままスルスル上がることはなさそうな気配となってきています。テクニカル的には下方向をもう少し押すことになりそうな気配ですが、下では引き続きGPIFやPKOの買いが入る不自然な相場環境が続いていますので、どこまで下押すことになるのかが注目点となります。ボリンジャーバンドの日足でみると117.40円程度まで下げても決しておかしくはない状況で、つまりはNFPの発表前までは戻す可能性がありそうです。(執筆者:坂本 博)