FXを本業でやってみて分かった現実… どれだけ会社員が恵まれているか


 出だしから皆さんの夢を壊すようで申し訳ありませんが、FXを本業にして分かったのは、どれだけ会社員が恵まれているかということです(笑)。

 考えても見てください。毎月コンスタントに20万稼ぐとしても年間240万の利益です。税金を納めると仮定すれば年間で300万円の利益を出さなければなりません。リターン50%の驚異的なパフォーマンスを上げるとしても元金で600万必要です。これが20万という初任給に匹敵する額を稼ぐのに必要な資金です。

 もちろん1人暮らしで20万を生活に回せば、ほとんど元金は増えません。会社員と違ってボーナスもありません。つまり、600万で毎月必ず勝ち続けなければいけないのです。専業で食べていくことがどれくらいハードなことか分かっていただけたでしょうか。

 実は大学卒業後、私は数年間FXで食べていた時期がありました。本当に毎日がハードでした。年間収支はギリギリ食べていけるほどにはプラスでしたが、残念ながら上記のシミュレーションのように毎月勝てていたわけでも無く、片目を瞑っていても勝てるような攻略法も無かったので、月曜日から金曜日まで起きている時間は、市場にほとんど張り付いていました。

 夜はいつまでも眠れませんし、朝は勝手に目が醒めます。少しでも多く稼がなければいけなかったので、土日の市場が動いていないときのもどかしさや、日曜日が終わりかけて月曜日が始まるときのワクワク感と恐怖の入り混じった感覚は、今でも忘れられません。

 株で260億築いたことで有名なBNF氏が、「今まではうまくいったが明日大負けするかも知れない、という思いと常に向き合っている」という話を以前していましたが、スケールこそ全然違うものの、この気持ちは当時痛いほど分かりました。

 しかし、これだけの時間没頭していればイヤでも詳しくなりますし、勝てそうなポイントも見えてくるようになります。100%勝利することは出来ませんが、勝てる確率が高い方に賭け続けることは出来るようになりました。おかげで今は兼業でノンビリとやっていますし、あの頃のヒリつくような感覚をもう味わいたいとは思いませんが、当時得た経験は、知識としても、メンタルを鍛えるという意味でも、何物にも耐え難いものだったと実感しています。

 専業というと、海外で遊びながらノンビリ片手間にスマホをいじって大儲けしているイメージが先行するかも知れません。確かにそういうことが時には可能でしたが、現実はほとんどこんなものです(笑)。(執筆者:大島 正宏)